運命の誘い
どれだけ長い間気を失っていたんだろうか。もう朝だった。
「そうだ。パパたちの助けを呼ばなきゃ。」
そして私は街の方に向かって走っていった。
門には2人の門番が立っていた。
「あ、騎士さん!!」
2人の門番は、私の方を不思議そうに見る。
「どうした?あんたどこのものだ?」
「パパとママを助けて!!私は山から来たの!」
「ま、まて、落ちつけ。ほら、深呼吸して?」
数秒の間。私は深呼吸する。
「あのね、私のお家に知らない人が入ってきて、それで隠れてたんだけどパパとママが見つかってしまったの。それで逃げろって言われたから逃げてきた。本当は逃げたくなかったのに。」
「そっかー。んー、どんな人かわかるかい?」
「お顔が真っ白でお鼻だけ真っ赤だった!」
尋ねた人は手帳を確認した。横からもう1人の人も横から覗く。その瞬間2人の門番の顔から血が抜けていく。
「騎士さんどうしたの?体調悪そうだよ、、」
「君の名前は?」
「アミリエ。10歳。」
「わかった。アミリエちゃん、山の方は危険だから、門の中で過ごしてね。」
「パパとママは?」
「きっと俺たちの仲間が助けてくれるよ。」
「わかった!」
そんな会話をしたのはいつだっただろうか。3年?きっとそのぐらいだろう。パパとママは見つからない。それどころか犯人すらも。私は完全にホームレス状態だった。そんな中、唯一身につけたのは人を倒す力だけ。門の中に入って数日ぐらいした時に覗いた道場の技を見よう見まねでつけた力。いつか犯人が目の前にあらわれたらボコボコにしてやろうと思って身につけたけど、使う日は来ない。
しかし、使うタイミングは突然きた。最初の目的とは違ったけど。
「ふざけんなよお前」
「ふざけてなんかないです」
金髪のピアスを開けた男が、黒髪の真面目そうな男からお金を取ろうとしている。
「どれがお前のだぁ?お前のなんか一つもねえよ」
「全部僕が集めたやつです。働いて稼いだものです」
「嘘つくんじゃねぇよ。このクズが」
(お前の方がクズでしょ)
本当のクズが真面目くんの腹に一撃。
真面目くんは倒れるだけ。力がないんだろう。
クズは笑って言った。
「ざっこ。力無い奴が稼げるわけねえだろ」
踵落とし。ビンタにキック。ボコボコにしてた。
その光景は見るに耐えられなかったし、この日のためだけに私は力をつけたのかもしれないと思ってきた。
「こんにちはー」
「誰だお前」
「いや、ストレス発散に良さそうだなって」
「こいつがか?」
「違います」
クズは鼻で笑って聞いた。
「お前が俺のストレス発散に良さそうって話か?」
その問いに私は笑顔で答える。
「逆です。」
彼は何か言おうとしてたけど、いう前に私は攻撃をした。彼には殴ったり、蹴ったりする力はあるみたいだけど、それに耐えるような力はなかった。
「君の方がクズだし雑魚だね。」
しかし彼の耳には届いていなかった。
「大丈夫ですか?」
「あ、うん。ありがとう。君強いね」
「ありがとうございます。この人が起きる前に逃げちゃってください。」
男は戸惑いながらも財布を取り出す。
「あ、お礼、、、」
「いいです。ただの正義感でやっただけなので。」
「あ」
何かいう前に私は歩き出す。
つもりでいたら何かにぶつかった。
「うぁ、あ、ごめんなさい!」
「君強いね」
目の前の赤茶っぽい髪をした男が急に言った。
「え?」
男は少し考え込む。
「よかったら俺の働いてる屋敷の養子にならないか?家がないんだろう」
突然の言葉に私は言葉が詰まる。
「まぁ、はい。ないですね」
「どうせだし俺のご主人からの頼みだから来てほしい」
「面白い提案ですね」
男はそれを返事と受け取ったらしい。
「ありがとう!俺はジン!おまえは?」
「私はアミリエです。」
「アマリアちゃんか!よろしくな!」
「アミリエ!!」
「あ、ごめんごめん。」
彼は申し訳なさそうに笑った。
「一緒に行こうか!」
ジンという男は私の手を引っ張って歩き出した。
この日から私の大変な生活が始まっていたんだろう。
アメンメです。前回のプロローグに続き、今回も軽く私のことについて話していきます。
私吹奏楽部に所属しているんですけど、トランペットとホルンをやっておりまして。
中学の時第一希望だったホルンができなくて、高校でもやるチャンスがあったので、その時にホルンも始めたんです。(今ではアイラブトランペットって勢いですけど笑)
まあ、チャンスを逃すのってほんっとうに勿体無いよなって思いました。この作品が、主人公のエメリアが一つ一つのチャンスを大事に運命に抗うっていうとてもいいお話ができることを期待しています。(?)