異変
朝、こうして娘と共に食事を摂ることを大変幸せに思える。妻は娘の命と引き換えにこの世を去り、私はこの忘れ形見を大切にすることを生き甲斐として生きて来た。
財閥の一人娘。故に政略結婚だの、時期社長候補だのと騒がれてもおかしくない。しかし娘の幸せを考えると、私が選んだ道よりも自ら選択し、幸せになれると感じた道を歩んで欲しいと常々感じている。
どうせ財閥や企業など、移り変わり、換えの聞く存在なのだ。私が属する財閥が潰れようとも、時代は流れる。ならば変わらず幸せだと思う人生を送って欲しいと考えるのが親心というものだろう。
しかしそんな考えをぶち壊す現象に直面した。
「父様。おはようございます」
女らしい柔和な美しい顔立ち。それはいつもと変わらず亡き妻を連想させる。しかし昨日までは鮮やかな黒さを保っていた長髪が、瞳が、大きく変化していた。上半分は雪を被ったような白髪、下半分は漆塗りの艶やかな黒。そして何より特徴的だったのは黒と紅のオッドアイだった。
娘の異変に呆然とし、暫くは空いた口が塞がらない。何があったかは明白で、故に胃からふつふつと怒りが沸いてくる。
「髪を、染め直そう。瞳にはそう、カラーコンタクトがあったな」
娘に怒りを諭させないように、なるべく落ち着いた口調で自分に言い聞かせるように言った。
対する娘は大して驚いていないようだった。昨日と同じ今日を送るために学生服を纏い、朝食を取れればすぐに学び舎へ行ける準備までしていた。
昔からそうだ。自らの身に何があっても、さして動じること無く落ち着いている。地に足が着いているのでは無い。着いていない故に夢と現の境をさ迷うような異質さ。それは我が娘ながらも不気味に感じている事だ。
しかし一族の歴史を紐解けば、あながち不思議では無いことは明白であった。ともかく、このような事態を引き起こした者に釘を刺さねばならない。
お父様でしたm(_ _)m
主役一人に絞るはずだったんですけど、主役のマイクの座を登場人物皆が取り合ってる状態です。
(うちの登場人物は言うこと聞きません)
※財閥のパピーなんだから、態々破滅ロード向かうなんてしないよな.......(--;)
と投稿後に気が付きました(--;)(--;)(--;)




