プレ十話 ナルコーサイド~残党組その一~
すみません、、明日ももう一話投稿の予定です!!
「ボグ……、ゴロス……。ゴウクン……、ユッタ。」
――ザッザッ……。
公真は息を潜める。何故なら、呪死の転移魔術により難を逃れたものの、その森にはおぞましい怪物がうろついていたからである。
(クソ……。まさか、こんな光景を久しぶりに見る事になるとはな)
アキラは、公真達と同行していた。公真の他に、天海、そして啓一がいた。
(どうも、こやつらは転成力や魔力に敏感のようですね……。俺が風箒を呼んでもいいですが、少し時間がかかるうえに俺一人で逃げるのが限界のようです)
公真はそのテレパシーの会話を疑問に思っていた。果たしてどうやっているのだろうか?
(公真、聞こえるか?アキラだ。これは、剣豪士の第六感と呼ばれる念力により、テレパシーをお前らに送ってる)
――なるほど。剣豪士には剛腕の大剣を扱うための転成力のほかにもう一つ、特別に宿っている能力があると聞いていた。
――それが、“剣豪士の第六感”。
(分かりましたよ、アキラせんせぇ。そして、天海さんも念力が使えるわけですかね?)
天海は、じっとただ一点を見つめ、この森に蠢くその怪物である木の人形の形をしている歩くもの達を観察していた。
(いいえ。私の第六感では、剣豪士のお告げを聞くことができるの)
(そうだ。特に天海一族は剣豪士の中でも最も神として信仰されている“アーサー王”に最も近い一族と言われているんだ)
天海は、それほどの一族の末裔であった。
(そして、天海こそが剣豪士の中で最後の希望として、“アーサー王の伝言”をいつ告げられるのか待ち続けられているんだ)
(ええ。そして私たちは聖剣“エクスカリバー”を手にすることが最終目標。“レノンへの切り札”……。私もそのうちの一人。)
啓一は、微力な魔力を風箒に対して送り続けていた。それにより、風箒を転移させようとしていたのだ。
(まあ、そんなところで、どうだ?天海のお嬢さん。あいつらの正体分かったか?)
天海は険しい表情をした。
(――“傀儡人形”)
アキラは額に指先を当てた。
(やれやれ……。やっぱりか。“レノンの別邸”の近くで量産されている噂はあったが……。――こんな場所にいるとはな)
――次の瞬間、場の空気が凍り付く。
――ザッ、ザッ……。
自身の体を重たそうにしながらゆっくり歩いてくる紺色の生き物が歩いてくるではないか……。
(っ!!)
天海とアキラは明らかに興覚めしていた。
(――なぜ……、ここにいる……。ララ・ノイヤ!!)
二人は息ぴったりに、そう言葉をそろえた。




