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作者: へらーと

駅に着くと後ろにいつも気配を感じる。

行き交う人々。賑やかな構内。

いつもと変わらない空間。


コツ…コツ

コツ…コツ


足音が追ってくるような感覚。

誰かが自分をつけているような感覚。

後ろから聞こえる足音、おそらく自分の背後一メートルぐらいにいるだろう感覚。

気のせいと言えばそれまでだろうけど、何か妙に気になる。


コツ…コツ

コツ…コツ


人が多ければ、普通にあり得るだろう。

ましてや、この時間帯。利用する人も多いだろう。

だが、妙に気になる。

(後ろを向いたら、分かるのか?)

と、思いつつも見る勇気はない。


コツ…コツ

コツ…コツ


改札を通り、ホームについても気配は消えない。

じりじりと迫る焦燥感、のようなものを感じる。


ドクンドクン


(ただの気にしすぎ、勝手に不安を感じているんだろう。)

自分のことだが、客観的に判断して歩みを進める。


階段を降り、電車を待つ。

どうしても、後ろが気になる。

途中スマホで後ろを見ようも、よく分からない。


(カメラを使うと気づくか?)

という気持ちと、

(気のせいだろう)

という気持ちのまま、ここまで来ている。


電車が来た。

降車の人を待ち、中に入る。

横目で後ろの人を盗み見るが、こちらを見ている人もなし。


(やはり気のせいか)


車内はいつものように満員。

手すりも使えず、人に挟まれて目的地へ


電車内では片手がふさがっているため、スマホをいじれない。

だけどこの時間だけは、後ろの気配におびえないで済んでいる。


目的地に着き、電車を降りる。


コツ…コツ

コツ…コツ


また、この音だ。

関係ない、関係ない。

気のせい、気のせい。


繰り返されるこの気配。

それも、改札を出ればなくなる。


(あと少しだ)


自然と歩くスピードが速くなる。

数人を追い越しつつ、カードを取り出す。


ピッ!


改札を抜けた。

これで問題ない。



「すみません、お話いいですか?警察です。」


警察がでてくるTV番組が好きです。

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