14.イベントのお知らせとスキル使用
説明が少し多めです。
ピンピロン!
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キャスト「鬼火」宛
水晶細工師がメイン職のキャラデータ「不知火」がそろそろ完成しそうだから、出来次第メニューに「半身」コマンドを増やしておくわ。
そこから「不知火」になれるから、ある程度動かし方に慣れておいて。
それと、仕事内容追加したから知らせておくわね!ネタバレになるから詳細は秘密よ。
要はイベントに巻き込まれるってことなんだけど、キャラデータ事に分けられなかったから「鬼火」と「不知火」の両方ともの仕事になるわ。意識はしておいてね。
《追加された仕事内容》
・一部のイベント・クエストにて、被害者側の役割にランダムに選ばれます。
(例)拉致されたNPCを救出する、という様な内容のイベント
・職「水晶細工師」が現れた事により全体イベントが開始されました。よって上記の職を持つキャストはイベントに強制参加となります。
運営「翡翠」
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シャケの店を出た鬼火はまた自分の店に戻った。すっかり忘れていた要に貰ったクッキーを齧りつつ(今日はクッキーに縁があるらしい)届いていたメールを読んでいる。
サクサクと音を立てつつ流し読みし、一先ず今鬼火に出来ることが無いと分かるとメール画面を閉じた。暫しの間、クッキーの咀嚼音だけが響いている。
食べ終えれば自動的に空になった袋がホログラムとなって消えていく。ちなみにこれは単にアイテムボックスの容量不足を防ぐためでもあるが、ゴミと一部のキーアイテムを区別出来る方法でもある。キーアイテムの場合はそのまま残るのだが、余談である。
「さて、そろそろログアウトするか」
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次の日。
鬼火は鬼火が強制参加になったイベントの告知を見た。というよりも、ログインして直ぐに現れる《お知らせ》のトップにデカデカと書かれていて、目に入って来たというのが正しいか。
ともかく、鬼火はイベントについての情報を手に入れた。《お知らせ》によれば、イベント開始まで現実時間で一週間あるらしいが、余り情報の公開はされていないので準備のしようがない。
鬼火は気にせずに過ごす事にした。目下の目標は、店の商品探しと、自作の商品を作る練習である。
ちなみに、キャストにはキャラクターレベルもスキルレベルも無い(常にプレイヤー平均値プラス個人差になっている)為、主に鍛える必要があるのは鬼火のプレイヤースキルである。
MPバーが僅かに減った後、鬼火が着けているチョーカーの石からすっと現れてきた光が、少し離れた位置で魔法陣を描く。六芒星が円の中に含まれているものだ。くるくると動き魔法陣が完成すると、青白い輝きが一瞬強くなる。そして光が控え目になったかと思えば、陣の中心でぐんぐんと成長している水晶があった。
それが綺麗な六角柱の端を尖らせた結晶独特の形になると光は収まり、宙を泳いで鬼火の手に収まった。鬼火の両手ですっぽりと覆えるサイズなので、そのままの形で何かの材料か、文鎮なとどして売ってもいいかもしれない。
鬼火はもう一度スキルを確認する。今度は『水晶生成』だけでなく、『鉱石鑑定』と『水晶変形』も使える様になっていた。鉱石鑑定は読んで字の如く。水晶変形はスキル説明を読むに、どうも水晶を一時的に柔らかくして、ガラス細工を作る時の様に形を変えるためのスキルらしい。
まず『鉱石鑑定』を先程出来た水晶に使ってみた。
水晶柱:水晶細工師が生成した水晶柱。質はいいがサイズは小さい。様々な物に使える。
と書かれていた。
次に『水晶変形』も使ってみた。
使っている間はスキルを使われている水晶が少し発光していて、触ってみると粘土の様な感触と硬さだった。今鬼火が使えるの道具はないため、手で出来る限り丸くなる様に捏ねて、その後『鉱石鑑定』を使ってみた。
水晶球:水晶細工師が生成し変形した物。多少の歪みがある為、占いには不向き。
と書かれていた。
鬼火のプレイヤースキルを鍛えるための練習は前途多難である。




