1.プロローグ
初投稿、よろしくお願いします。
注意
・ご都合主義です
・作者が最近の流行りに触発された妄想の産物です
・作者は実際のMMORPGに詳しい訳ではないので雰囲気と思い付きの設定です
・行き当たりばったりで書き進めてます
何処かの、近未来。
そして、とあるゲームの、とあるキャストの話。
鬼火は自室で、ベッドに腰掛けていた。
この頃のVR技術は、生活の中の全てに浸透している。それの分かりやすい活用方法としては、ゲームが挙げられる。
その為の装置には様々な種類があるが、最も一般的に普及しているのはベッドに装置が一体化している物だ。
その装置では、発明家の言葉をとてつもなく端折って言うと、「電脳世界の中に意識を再構築する」のだそうだ。夢の中では現実では出来ない事が出来るのと同じように、その電脳世界でも現実では出来ない事が出来るのだとか。
それでも、連続使用時間への制限や、リアル過ぎると年齢制限がかかるため、なんでもかんでも出来るという訳でもない。
ベッドに腰掛けたまま、ゲームの説明書を読んでいた。
「The Dreams」というファンタジーな世界観のVRMMOだ。
鬼火の友人が社長を勤める会社が作ったゲーム。戦闘をしたいプレイヤーにものんびりスローライフをしたいプレイヤーにも人気なこのゲームの変わった所がある。
それはストーリーに出てくるキャラクターが、NPCだけでは無いという所だ。例えば、現実で有名な芸能人や俳優などがそのままの見た目で実際にストーリーを演じることもある。
しかし全体の数から見ると殆どは、ゲーム会社の社員であったり、俳優志望の若手であったりするのだが。そういう場面は見た目や声などは現実とは違っている。
ちなみに、「キャスト」と呼ばれていて、実際に仕事として成り立っているので、ギャラが出る。
このゲームのストーリーには、オリジナルストーリーとキャストストーリーの二つがある。どちらでもあらすじは変わらない。だが、キャストストーリーではその名の通り、キャストが登場するのだ。
しかしオリジナルストーリーにキャストが登場しないという訳でも無いが。
ある日、キャストの枠に、空きが幾つかあった。
その空き枠がどうなったのかと言うと、鬼火の友人と(それに写真を見せられて「創作意欲やばい新しいキャスト作るからその人に演じて貰っていいかな?!」と宣った)ストーリー原作者が、そこに鬼火を推薦したので一枠埋まる事になったのである。
独断と偏見による推薦のため、本来ならばストップがかかる筈だった。しかし何故か通ってしまったのである。
鬼火は著名人ではないため、一人二役をする可能性があるが、それはまだ鬼火の知らない事だ。……何処かの社長が独断と偏見でまた仕事を突っ込むんだろとかそんな事は言ってはいけない。
とある二人組の猛プッシュなど知りもしない鬼火は、丁度仕事を探していたのもあってキャストをすることにした。内容としてはゲームを(制限はあるが)プレイするだけで、やっていることはプレイヤーとほとんど同じなのである。
鬼火は、さくさくと準備を終わらせる。そしてゲームにログインするためにぼふんとベッドにダイブした。
これから始めるゲームに向けて、鬼火は瞼を閉じ、装置に呟く。
「起動」