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Le Diable au sang et corps 1-a

本書は同シリーズ「吸血のカンツォニエーレ」を先に読んで頂いた方が社会背景、人物背景がより理解しやすくなっております。


【主要な登場人物】

<混血>

イレーヌ・ダンヴェール/近衛隊の剣士

ラウラ・ド・ノヴィス/ボマルツォの森の交易者

シモーネ・マルティニ/ラウラの弟

<人間>

レイモン・ラディゲ/親衛隊の剣士

フランチェスコ・ペトラルカ/第二次ベルン門会戦左翼部隊長子(隊長)

フラウィウス・リキメル/第二次ベルン門会戦万人長(総司令)

【Prologue】


 吸血鬼には愛情とか慈しみの感情がない。あるのは生き血を啜ることと殺戮だけだ。


   エイブラハム・ヴァン・ヘルシング、アムステルダム大学名誉教授の講演より



【1er-a Chapitre】


 親愛なる母上

 

 親衛隊の剣士を目指すべくサンピエール教会の修道士となり、早二年と半年が過ぎました。長らく連絡が絶えていた事をお許しください。

 三年前、お亡くなりになった父上よりラディゲ家の当主とドルジェル伯の爵位を有していた名門である当家復興の志を引継ぎ、以降その名に恥じぬよう自身を厳しく律してきました。その甲斐もあり、模擬戦では准士(見習い剣士の意味)の身でありながら、同輩には勿論の事、親衛隊の先輩方に対してでも一度たりとも剣を下ろすことをありませんでした。父上が存命であれば、さぞ喜んで頂けたでしょう。

 今から書き留める事は母上の耳にも既に届いておられると思います。トゥッリタ公国とヘルヴェティア王国間で再び剣を交えることが決定的となりました。先日、その戦いに措ける親衛隊の編成発表があり、レイモン・ラディゲの名が告げられ、親衛隊の剣士として私も身を投じることになりました。そして、まさに今日、騎士叙任式も終え、これで私も准士ではなく剣士と称されることになり、一人前の剣士として一歩を踏み出しました。この一歩がラディゲ家の再興の一歩に必ずなると信じております。

 この戦いが終われば一度帰郷するつもりでいます。朝夕の冷え込みも肌寒く感じられる今日(こんにち)、母上もお体に気を付けてお過ごしください。


 Comte Radiguet Raymond

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