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第190話

「――というのが私に与えられた任務っす」



 涙を収めたリオンは今回の聖女暗殺によって指示された内容を全て打ち明けた。


 聖女を暗殺した後、宿舎へと戻る。翌日に聖女の暗殺が発覚し、リオンは法国に身柄を抑えられてから第3王女の命令でやったと自白する。というのが大まなか流れであった。


 あらの多い作戦ではあるが、王立学園を卒業して王国側であることが根ずいているリオンが暗殺したという事実さえあればいいのだろう。


 普通ならことが公になり、事実確認が細かくなればなるほど、王族に罪を擦り付けるのは難しくなる。

 これは王位継承第1位のルシフェルが向こう側に着いていることが前提の作戦であった。

 


「内容は理解したよ」


「クレイ君、やっぱり私は生きていてはダメなんすよ。一時でもリンシア様に牙を向けてしまったんす。この命で償いを立てたいっす。リンシア様を大切にしているクレイ君ならわかるっすよね」



 そう語るリオンの表情は切実だった。

 リオンはこれまでの行動から、リンシアが俺にとって忠義や信念以上に特別な何かがあることを察しているのだろう。

 そんな触れてはいけない禁忌に触ってしまったという罪悪感からくる提案であった。



「確かにそうだ。リンシアは俺にとっては特別な存在だよ。もし命が脅かされることになるのであれば俺は容赦はしないだろう」


「覚悟は出来てるっすよ。でもひとつだけお願いっす。お母さん……私の家族だけは面倒を見て欲しいっす」


「早まるなよ。今回は未遂な上に、命に関わることではない」



 正直な話、リンシアが罪を着せられた場合であっても、くぐり抜けれる自信はあった。そのために準備を整えているのだから。

 しかし、それでは納得がいかないという様子でリオンは顔をしかめる。



「でも……」


「まあ、なんのお咎めもなしとはいかないのも事実だろうな。だがそれを決めるのは俺ではなく、リンシアと――マリアが決めることだ」


「ようやく私の出番ですね」



 俺の言葉に反応して、マリアがベッドからすくっと起き上がる。

 その口ぶりからは待ちに待ったという感情が読み取れた。



「クレイ様、何故お話する前に私を起こしてくれないのですか」



 そして開口一番に不満を漏らす。頬を少し膨らませてふくれっ面であった。

 この件より、1時間もまえから寝たフリをしていて、リオンが話をする際もずっと同じ体制で聞いていたのだ。タイミングがなかったとはいえ、もっと早めに声をかけるべきであったか。



「悪いな。忘れていたわけではないんだぞ。ただちょっとタイミングがな」


「クレイ様がそういうお方であることはなんとなくわかりました。リンシア様も大変なのですね……」



 諦めたかのようにぽつり囁く。なぜリンシアのことが出てくるのだろうか。

 そんなことを話していると、リオンが膝をつきながら頭を思いっきり下げて跪いた。



「聖女様、申し訳ありませんっす。どうかこの罪は私だけのものにして欲しいっす」



 元来から罪を犯す代償は、その本人に留まらず家族にも影響を及ぼすものだ。

 リオンはそれを危惧しているのだろう。

 

 マリアは頭を垂れる姿を窺ってから、少し困ったように俺に顔を向けた。

 その表情からは責める意思は感じられない。おそらくどう許せばいいのかわからないのだろう。

 俺はマリアの言葉で伝えるべきだという意味を込めて目線を逸らす。それだけでマリアには伝わるはずだ。



「私は今回の件をあなたに咎めることは致しません。首謀者は法国の者であるからです。ですので、あなたの処罰は王国側で仰いでください。あなたの故郷はもう王国なのですから」



 それは命を狙われたにしては寛大な処置であった。

 その言葉にリオンは納得していないという様子であったが、



「……有り難きお言葉っす。ですが、この義はいずれ、聖女様にお返しするっすよ」



 これ以上の問答は不要と判断してマリアの優しさを受け入れることにしたようであった。

 まあ、この件はリンシアに丸投げしたとも取れる選択ではあるが……。



「俺からも謝罪させてください」



 すると、先程まで黙って聞いていたフレンスが前に出てくる。【超・気配遮断(シャドウ)】の効果はとっくに切れているので、ふたりに驚く様子はない。

 フレンスはリオンと同じように膝を付き、おでこを床に擦り付ける勢いで頭を下げて謝罪する。



「申し訳ありませんでした、聖女様。私は今回の作戦を知りながら、無知を装ってました。この命で償わせてください」


「フレンス、頭を上げてください。私はあなたが命を落とすほどの罰は考えていません」


「ですが……」


「償いの心があるのであれば、今後の法国の繁栄――私の理想とする政策に尽力してください。あなたのような実力ある兵が必要なのですから」


「……」



 フレンスもこれまた納得していない。

 まだ経験が浅いマリアは人を裁くということに対して優しすぎるところがあるようだ。それはこれから色々な経験を積んで学んでいくことだろう。




「有り難きお言葉です。聖女様……」



 聖女の間に頭を下げるふたり。

 しばしの沈黙が気まづい雰囲気を漂わせる。

 俺はそんな空気をばっさりと切り捨てるように口を開く。



「取り込み中のところすまんが時間がない。そろそろ行くとしようか」



 俺の声に、マリアが意を決したかのように肩に力を入れる。

 フレンスとリオンは同時に頭を上げた。



「何処に行くんすか?」


「今回の首謀者、ダグラスの元へだ」



――



 俺たちは聖女の間がある45層から40層までの螺旋階段を一気に急降下した。

 そこは層全体がダグラスの拠点となっているらしい。

 階段から続く広い通路にたどり着くと、目の前には4人が同時に通れるぐらいの大きな扉があった。



「お前はついてこなくてもいいんだぞ?」


「いや、俺も行かせてくれ。ダグラスさんならわかってくれるはずだ」



 そう言うフレンスの表情は固い。それは自分が慕っている者に対して、反抗するという意志を改めて認識したからである。


 これからダグラスは断罪され、法国の法の元で裁きにかけることになるだろう。

 そこから先はマリアの判断ではあるが、おそらく死罪にすることはしないのではないかと俺は考えている。

 それはダグラスの心が何らかの形で改心するという希望を抱いているからだ。


 しかし、それは甘い考えだと思う。

 話し合いが通じない相手は少なからずいるし、争いがこの世から無くならないのはそういった事情があるからにほかならない。


 俺はマリアが国のトップとして影響力を持ち直し、法国が王国ではなくリンシア個人を支持するような流れを作れればそれでいいと思っている。

 その驚異になり得るのであれば、俺は容赦しない考えだ。そうジルムンクから学んだのだからな。



「話し合いが通じればいいがな」


「ダグラスさんは何も独裁者になりたいわけじゃない。やり方は違えど法国の民を思っているのは違いないんだ」


「それなら話は早いんだがな」



 そう願いつつも俺は扉を力強く押した。

 ドーム状になった開けた空間。まず視界に入ったのは無数の書籍である。壁いっぱいに幾多もの書架が設置されていた。そのいずれもが中心に向かって参列している。

 中央には立派な執務机。そこには白い豪奢な修道服を纏った高身長でオールバックの男の姿があった。



「ここは関係者以外は立ち入り禁止のはずなんだけどね」



 遠くから俺の姿を確認するも、落ち着いた様子で男は笑う。



「そうか? ここにいるメンバーは全員、今回の件の関係者のはずだぞ」



 俺がそう言うと、後ろに隠れていたマリアとリオンが前に出る。


 ダグラスはその姿を見てから、他の面々を確認するように視線を動かしていった。



「おやおや、なるほど。どうやら暗殺には失敗したようだね」



 何らかの理由を付けてとぼけるかと思いきや、ダグラスはあっさりと主防犯であることを認める。

 潔がいいだけなのか、それとも何かを企んでいるのか……。



「フレンス。君がここにいるのも意外だね。私を裏切るつもりかい?」



 笑いかけるダグラスにフレンスは一歩前に出た。



「裏切るというのは少し違います。俺はダグラスさんへの恩義は忘れていません。しかし、この件についてはどうしても賛同できなかったんです」


「やはり、君を拾ったのは間違いだったみたいだね」


「……」



 心底どうでもいいという様子で吐き捨てるダグラスに対して、フレンスは顔をしかめる。

 慕っていた上官にばっさりと切り捨てられたその姿を見ると心にくるものがあった。


 ダグラスはそんなフレンスに目もくれず、興味深そうな視線を俺に向ける。



「君がこの状況の立役者か。参考までに聞かせてくれないかい。どうやってここまでたどり着いた?」



 それはこの場所ではなく、今の状況を指しているのだろう。



「教えてやる義理はない」


「ふっ……大方、最高司祭の中に裏切り者がいたのだろう。そこのフレンスのように」



 その口ぶりはフレンス以外から情報が漏れたいう考察であった。

 思い当たる節があるのだろう。



「個人的にはそこの聖女――マリアがどうして君たちといるのかも知りたいところだ」


「マリアはこう見えて意外と友達が多いんだよ。うちの王女様もそのひとりだ。知らなかったのか?」


「それは興味深い。いつ、どうやって接点を持てたのかが気になるよ。しかし、今となってはどうでもいい話だね」



 追求することはしない。自分の置かれた状況を理解して諦めたのだろうか。



「それでお前はどうする。この件が全て明るみになるのは時間の問題だ。ルシフェルはおそらくお前を切るだろうな。そういう男だ」



 俺がそう言うと、ダグラスの眉間を少し寄せた。そしてうっすらと眼光が灯り始める。同時に、魔力が体を覆っていった。それは静謐で流動的、無駄の一切ないその流れは"魔神(ましん)"と呼ばれているのも頷ける練度である。



「ふふ……簡単な質問だね。君はその答えを知っているんじゃないのかい?」


「あんたは利己的な男だと思ったんだがな」



 それに倣って、俺も魔力を纏う。ダグラスはそれを見て口元を綻ばせた。



「その隆々とした魔力……なるほど、これは手強い。だが、私に勝てないよ。魔法の深淵は私にこそあるのだから」



 そしてさらに魔力を肥大させていった。紫色の魔力が徐々に形を変え、鎧のように体を取り囲んでいく。

 ちかちかと微かな光を乱雑させながら、ダグラスは虚構の空間へと手を伸ばす。そこから取り出されたのはそれぞれ違う色の12の宝石がついた煌びやかなロッドであった。間違いなくあれは神器だろう。



「お前たち、この者達を殺すんだ」



 ダグラスは声をスピーカーのように塔全体に響かせる。



「言っておくが、お前の部屋を取り囲むように待機していた兵たちは先に片付けさせてもらったぞ。上にも下にも、動ける兵士はいないはずだ」


「ははは、なるほど。こちらの思考は既に読まれているようだね。だが――ぐっ……」



 突然、ダグラスが頭を抑えて苦しみ出した。纏う魔力も、ゆらゆらと乱れていき、霧散しそうになる。

 あの神器には何か副作用があるのか、それとも別の理由か。

 しばらくして落ち着きを取り戻したダグラスは何かを悟ったように静かに口を開いた。



「いや、もう遅い。この国には滅びてもらう」


「どういう心境の変化だ?」



 直後、ダグラスの内側から室内いっぱいに膨大な魔力が広がっていく。それと連動するように参列する書庫が光りを帯びた。

 これは魔力を起点とした魔法式のトラップだ。魔力は留まることなく部屋を飛び出していき、やがて部屋が――否、塔全体がぐらぐらと上下に揺れだした。



「では始めようか。せいぜい抗ってくれ。友達くん」



 俺の質問には答えることなく、ダグラスはそう言い残しして姿を消した。次元属性魔法をノータイムで発動させたのだ。

 おそらくあの神器の影響だろう。魔法制御速度を上げる効果があるようだ。



「いったい何が起こっているのですか?」



 俺は【サーチ】を発動させてトラップに組み込まれている魔法を分析。その結果をマリアに告げた。



「塔の中枢を爆破させる魔法のようだ」


「爆破……?」


「それってこの塔が崩れるってことか?」


「そのようだ。緊急時用のものなのか、あと20分ほど猶予があるようだ」



 すると、塔の外側から肥大していく魔力を感じ取った。

 俺はすぐに塔の外へと3人を【転移】させる。



「フレンス、リオンとマリアを任せるぞ」


「おいおい、お前さんは何処へ――」



 フレンスの言葉を最後まで聞く前に再び【転移】を発動させた。

 転移先は塔の上空にいるダグラスの元。



「幾多もの流星よ、彼の地より来たれ。火属性10級魔法、【(メテオ)(ダスト)(ストリーム)】」



 しかし、ダグラスは魔法を既に完成させていた。

 雲の隙間から、直径10メートルはある無数の巨岩の固まりが、街全体へと降り注ぐ。真っ赤に燃えている巨岩はまるで隕石――流星群を連想させる規模である。



「ちっ――」



 俺は舌打ちをしながらも防御魔法を展開させようとする。

 たが、それよりも先に魔法の発動を確認した。


 落下する全ての巨岩の少し先に、光の魔法陣が出現した。とてつもない衝突音。その魔法陣はいずれも盾となり、巨岩の落下を遅らせているようだ。

 これはリンシアの放った光属性9級魔法【プリズミティック・シルド】であった。

 何が起こってもいいようにと、魔法を発動させる直前で止めていたようだ。


 しかし、隕石の落下を防ぐことが出来ても、隕石が消えるわけではない。



「【ディメンション・フォールズ】」



 だから俺はリンシアの魔法に被せて発動させた。【ディメンション・フォールズ】は魔法で創造された物を虚無の彼方へ霧散させる。



「神器なしでその規模の魔法を使うとはね【(アンチ)次元(ディメンション)魔法(フィールド)】」


「なるほど、対抗も持っているわけか」


「ちょこちょこと回られるのも好きじゃないんだ【重力波動(グラビティーノックス)】」



 見えない衝撃が俺の体全体を打ち付ける。

 あの神器は魔力的な全てを大幅に上げる効果があるらしい。

 巨大なバットで打ちつけられたかのように俺は都市部へと吹き飛ばされた。

 凄まじい衝撃が体を襲う。落下した地面はクレーターのように円形にへこんだ。



「パパ、だいじょうぶー?」



 沈下した先で俺を出迎えてくれたのは精霊のキサラであった。久しぶりに声を聞いた気がする。



「ちょっと転んだだけだ。リンシアもそばにいるようだな」


「うんーママいるよー!」


「クレイ、大丈夫ですか?」



 数秒としないうちにリンシアが姿を見せる。後ろからマッシュを初めとしたラグナレス騎士団の面々。それにマルクスの姿も目に入った。



「俺は問題ない。それよりもあの塔がもうすぐ崩れる。この場から避難しろ」



 立ち上がり、服を叩きながら告げるとリンシアは顔を青ざめさせた。



「それって……街はどうなるんですか?」


「半壊だろうな」


「そんな……」



 淡々とした俺の口調に反して、リンシア眉を下げて悲しむような表情を見せる。

 街の半壊。その意味するところは民たちの死に繋がるからだ。 

 しかし、すぐさまリンシアは瞳に炎を灯した。



「……止める手段はありますか?」



 それはまだ諦めていないという目でもった。

 俺はどうするか迷った挙句、素直に伝えることにする。



「あることにはある」


「教えてください」



 この方法は防御魔法が得意なリンシアといえど、危険がつきまとう方法である。

 素直に街の外へ避難させたいところではあるが……俺はリンシアの決意を汲み取ることにした。



「塔を取り崩す核となる部分に張られた魔力の回路を切断すればいい。リンシアの魔法制御ならそれも可能だ」


「場所はわかりますか?」


「失礼ながら横から口を出させていただきます。リンシア様はいち早くこの場から撤退するべきです。貴方様は王族なのですよ。何かあってからでは遅い!」



 俺が先ほど考えたことを、マルクスが代弁して告げた。



「私の行動は王族として間違えているのかもしれません。でも、止める手段を知っていてそれを行使しないというのは嫌なんです。沢山の命を救えるのに、その選択を選ばない、守られてばかりの王族にはなりたくない。そんな王族になるぐらいなら、私は王族の地位を捨てます!」



 そう語るリンシアの眼光は真剣そのものを示していた。こうなったリンシアはテコでも動かない。

 マルクスはそんな凛とした態度のリンシアに一瞬たじろいでしまう。



「それが危険なことであってもですか?」


「それが危険なことであってもです」



 二年前の誘拐事件、涙を流すリンシアの姿が浮かんだ。そしてミロードの死を受け入れたときのことの情景も。リンシアは前に進もうとしている。他の王族が歩めない自分だけの道。他者を想える優しすぎる王女、それがリンシアとしての王族なのだろう。


 俺は懐から紙を取り出し、【念写】の魔法を発動させた。



「回路の場所は全部で12箇所。これがその場所だ。制限時間はあと10分もない。もしものときは指輪を使え。キサラ、リンシアを頼むぞ」


「キサラがママまもるー!」



 マルクスは拳の力を緩めて、リンシアの前へ膝まずいた。



「失礼ながら私も同行致します。何かあっても私は全力で盾になります。この命に代えても」


「マルクス、くれぐれもリンシアに変な虫を付けるなよ。死んでも守れ」


「言われなくてもわかっている」



 そうは言ったものの、今となってはリンシアの防御魔法は王国一であることは間違いないだろう。何かあった際に守られるのはマルクスのような気もする。



「それで、貴様はどうするのだ」


「俺はあいつを止める」



 目線を上げると宙を漂うダグラスの姿が見える。またしても頭を抱えてなにやら口元を動かしている様子であった。



「事情は大方聞いている。だが、あれはあの"魔神"だぞ? 貴様なんかに止められるわけないだろ。止めるどころか時間稼ぎにすら――」



 俺は爆発的に魔力を纏う。それこそ、この場が凍りつくぐらいの量を――。



「貴様、一体……」


「倒してしまってもいいんだろ? だっけか。時間がないんだ。早くいけ」


「……後でその魔力について説明をしろよ」



 俺はリンシアたちを見送ったあと、ダグラスを止める算段を考えながら、再び【フライ】で宙に飛び立った。



「どうしたんだ? さっきまでとは違い、大人しいじゃないか」


「私は、この力を……私は、なんのために……」



 俺の言葉が耳に入っていない。近寄っていくと、弾くように魔法が肥大した。



「この国を滅ぼす。これこそが私の望む結末なのだよ」


「……なるほど、そういうことか」



 そんなダグラスの様子に、ある仮説がすとんと落ちてくる。

 それはティアラと神の使徒の加護について話し合っていたときのものだ。

 魔法と違って、加護は能力に近い。それは今後の脅威となり得る加護がどんなものなのかを予想して対策するという話し合いであった。

 そこであがったあるひとつの能力……。



「お前は既に操られていたのだな」

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