第40話 総帥会議
クロイバルと呼ばれた男の一喝後、会議室にいた全員が指定された席へと静かに座りだした。
無論座っているだけで、未だに睨み合ってる2人がいるが…。
モノクルを付けた男「いい加減喧嘩はよしませんか?厄介事になっても僕は知りませんよ」
≪傭兵組合 隠者の迷宮総帥 ミロン≫
ニット帽の男「…」
≪傭兵組合 隠者の迷宮所属者 ラスロット≫
モノクルをつけた男のミロンがモトザカと濃い髭を持つ男に対して止めるように告げる。
それを隣に座るニット帽を被った男、ラスロットが静かに聞いていた。
黒髭の男「俺に指図してんじゃねぇ。俺は俺のやりたいようにやる。だからこのパーマ野郎は後で必ずぶっ飛ばすんだよ」
≪傭兵組合 冥府の心臓総帥 グレイ≫
モトザカ「おおその通りじゃきぃ。但しやられるんわおまんじゃがなぁ!!!」
ロダン「そこら辺にしねぇかモトザカ。もう会議は始まってんだぞ」
リーゼントの男「ロダンさんの言う通りっすよ。問題起こしてもいいことねぇっすよ」
≪傭兵組合 夜狼の狩人所属者 フリョウ≫
機嫌の悪いモトザカに対し、ロダンとその隣に座るフリョウが止めに入る。
それを遠目に見ていた青髪の女と黒髪の女がヒソヒソと話し始める。
青髪の女「いいラミ? あぁ言うのには絶対に関わっちゃ駄目だからね?後々面倒なことになるから」
≪傭兵組合 雪女の思い出総帥 ソフィ≫
黒髭の女「それくらいわかってるわよソフィア姉さん。と言うか興味ないしね」
≪傭兵組合 雪女の思い出所属者 ラミ≫
ティケイ「いちち…まだ腰が痛む」
貴族の男「今回はお前さんが悪い。しっかりと反省せい」
≪傭兵組合 白銀の王子総帥 ケンディア≫
クロイバル「その通りだ。これだからお主らのような野蛮な奴らを我が城に招きたくなかったんじゃ」
≪傭兵組合総指揮官 セント王国大臣 クロイバル≫
ワール「…ボソ(みなさん物凄く強そうですね)」
ニィア「…ボソ(それだけならまだいいんだけどね)」
ワール「…ボソ(…? どう言う事ですか?)」
ニィア「…ボソ(後でこっそり教えてあげるわ)」
メインバとドランクに挟まれる感じで席に座り会議室内を見渡し小声で話す2人。
その間に白の兵士なのか、会議室に入るや否かクロイバルが持ってきた紙…否資料を全員に配り始めた。
ニィアを始め殆どの人がその紙を手に取ったら机に並べたりして、資料に書かれている文字などを読み始める。
ワール「…? これは…」
クロイバル「今お主らに配った資料に書かれているのは、この国で異名を持つ指名手配者総勢50人の犯罪者達だ。だがこれはまだ一部で異名を持ってない者達を含めると約10万はいるわけだが、それに対して我々の人数は1万にも満たない…そう犯罪者達の数に対して我々の人数が圧倒的に少ないのだ!!! その数の溝を埋めるために我々は互いに協力し合い、この驚異的な敵達に立ち向かわなければならぬと言うのに…貴様らと言えば、やれ喧嘩やれ喧嘩と何故そう争ってばかりなのだ」
ルサジ「…」
ティケイ「…」
クロイバルの指摘に、先程まで喧嘩してたルサジとティケイはサッと目線を外す。
他の人たちも思い当たることがあるのか苦い顔をしていた。
クロイバル「はぁ…取り敢えずこのことに関してはまた後で話すとしよう。それよりも今回の会議の課題だがとある犯罪集団についてじゃ。お主らに渡した資料の三枚目と四枚目を見てくれ」
ワール「(三枚目と四枚目……)」
クロイバルの指示通りに全員が指定された資料を見る。
そこには8人の顔写真とその者達に着いての情報が載っていた。
ソフィ「へぇまだ捕まってないんだ此奴ら」
ラミ「(綺麗に誰も見たことないや)」
フリョウ「んで此奴らがどうしたん?」
クロイバル「本題に入る前にこの者達を知らぬ者の為に今一度説明をしておこう。まずは三枚目の一番上の男とその下の女からだ」
一同指示された箇所へ目をやると、ガタイがよく髭なのか毛深い男とその下には細目で綺麗な黒髪の褐色の濃い女の写真が載っていた。
どちらも歴戦をくぐり抜けたような強者のオーラが写真越しでも伝わった。
クロイバル「男の名は"ガンロン"。主に裏社会の要人などの護衛を仕事とする犯罪集団"奇妙な訪問者"の首領だ。そしてその下の女は彼の右腕の"マンダ"だ。どちらもA級の犯罪者だ。次にその下の2人の男達だ」
クロイバルが指して箇所には、青髪で右目に眼帯をつけた40代近くの男、そしてその下には後ろ姿なのか黄緑色髪で何かを顔に巻き付けている男の姿が確認できた。
クロイバル「この青髪の男の名は"アオニキ"。主に違法な武器の密輸などを行う犯罪集団"混沌の渦"の首領…だと思われる人物だ」
ガイナス「……思われる…か…曖昧な言い方ですね」
クロイバル「あぁ、実際のところ彼が首領なのかよく分かっていない。相手との交渉時には基本この男が出迎えるため我々がそう思っているだけだ。それよりも肝心なのはもう1人の男だ。名前は不明なのだが、彼らを捕らえようとした者達がこの男によって全て返り討ちにあったと言う話だ。もしかしたらこの男が首領なのではと我々は考えているのだ…まぁ分からぬ曖昧な情報は切り捨てて起きたまえ。今必要なのは確かな情報だけだ」
と、クロイバルはガイナスにだけでなく全員に向けて話すと同時に三枚目の資料を机に置き、代わりに4枚目の資料へと目をやり始めた。
四枚目の資料の一番上には、そこには眼鏡をかけた胡散臭そうな男が写っていたが、何故かこれだけ白黒な為髪色などは分からなかった。
クロイバル「次の資料の男だが。この者の名も分からぬ。分かるのは機密情報などの窃盗を行う犯罪集団"盗賊の案内人"の首領だと言うことだけだ。つい先日も我が国のある機密情報が此奴らに盗まれたばかりじゃ…まぁ何の情報は言わぬがな」
ミロン「…この者名なら知ってますよ。少し前からでですが、我々の傭兵組合が探している犯罪集団の1つですから」
クロイバル「何だと?して名は」
ミロン「名前は"ハーヴェス"。詳しい事はまだ調査中ですが確かです」
クロイバル「うむそうか…では皆今の名を片隅でも良いから記憶して起きたまえ。そして最後にこの三人についてだ」
次にクロイバルが指した箇所には、サングラスかけた金髪の男、赤い縁取りの眼鏡をかけた紫色の女、そして右目に長い刀傷を持つ灰髪の男の写真…ではなくイラストが掲載されていた。
クロイバル「この3人については写真を入手する事が出来なかったが、主に要人暗殺を仕事とする犯罪集団"血劔"に所属している"ムスカ"・"クミナ"・そして首領の"キク"だ。全員A級の犯罪者達だ」
メインバ「どいつも此奴も凶悪そうね…んで、此奴らがどうしたのよ」
クロイバル「あぁ…今紹介した8名は中心メンバーなだけで無論彼らには手駒となる部下が数十人いると思われる。そして今回の会議の本題はここからだ。この目的も仕事内容もバラバラな4つの犯罪集団が、つい最近密会をし何やら不穏な動きをしていると報告があった」
メインバ「不穏って…一体何をしようってのよ」
クロイバル「何をしたいのかは分からぬ。だが近い未来何かとてつもないことをしでかすことは確かだ。今回はその何かが何かなのと、それを事前に阻止するために真剣に話し合いをしたいのだ」
クロイバルが少し声を荒げて言う。
その声がスイッチとなったのか、室内にいる殆どの顔つきが変わり真剣なものへと変わっていった。
ワール「…ボソ(何やらおおごとになってきましたね…毎年こんな空気なんですかね………?先輩?)」
会議の邪魔にならないよう最小限の小声で話しかけるワールだったが、何故か先程まですぐに返答してくれたニィアからの返事が返ってこなかった。
チラッと横目で見ると、ニィアはジッと資料のある箇所を一心不乱に見つめていた。
角度などのせいでどちらの資料で何処を見ていたのかは分からなかったが、確実に分かった事はこの時のニィアは微かにだが震えていたことだった…。
〜to be contenued〜




