第3話 竜鱗のクッデ
「オラァァァ!!」
「ふん!!」
ガイナスの右手拳とクッデの右手拳がぶつかり合う。
ぶつかった際に衝撃波が出た。
互いに力は五分であると同時に力が常人より上だと言う証拠だ。
「くっ!」
ガイナスが右手を後ろに下がると同時にクッデの顔めがけて左足の蹴りを入れる。
クッデはそれを反射的に右手を下げて受け止める。
「ぐっ!!」
重い一撃だった。
鍛え方次第で変わるが、通常人間は殴るよりも蹴った方が遥かに威力が高いのだ。
「オラァァァ!!」
一瞬怯んだクッデの腹に、もう一度右ストレートを決める。
今度のは防げず、まともに食らってしまった。
「ガッ!!」
後方へと吹っ飛ぶ。
が、足で踏ん張り倒れるまではいかなかった。
「ほぉ、今の一撃で倒れないとは、やはりそこいらの雑魚ではなさそうだな」
余裕の笑みを浮かべながら、ガイナスが言う。
「そう言うお前こそ、朝戦った奴より遥かに強いな」
ニコニコしながら、クッデが言う。
どうやらそこまでこたえてないようだ。
「(あぁ〜あ、完全に楽しんじゃってるよ)」
少し遠くのベンチで荷物を置きながら、観戦するニィア。
チラッと周りを見る。
「おうおう何だ何だ喧嘩!?」
「おいあの黒髪の男ガイナスじゃねぇか!!」
「黄金の歯車のNO.3じゃねぇか!!」
野次馬が集まって来た。
どうやらあの男、ニィア達が知らなかっただけで知名度は高い方らしい。
「(そしてNO.3…成る程、あの自信はそこから来てるのね)」
クッデの方へと顔を戻す。
「(まぁ、それだけでクッデ君に勝つ事は不可能ね)」
そう考えながら退屈そうな目をしながら勝負を見守る。
「さぁ〜てと、生半端な攻撃が効かないお前に良いもん見せてやるよ」
ガイナスはそう言うと右手を平行に肩の高さまで上げた。
「(何をするきだ?)」
クッデは防御態勢を作り、身構える。
その姿を見てガイナスは笑う。
「そんな守りで大丈夫なのか? 喰らった後に後悔すんじゃねぇぞ!!」
そう言うと一気に右手に力を入れる。
すると彼の右腕全体に風のようなものが回転しながら舞う。
「な、なんだありゃ!?」
流石のクッデも驚いた。
「喰らいやがれ!!"ドリルブレイク"!!」
ガイナスは真っ直ぐクッデの方へと突っ込んでいく。
クッデはそれを確認すると両腕でガードする態勢とる……が。
「なっ!!」
ガードが破かれた、いや外された。
両腕は左右に分かれ無防備となった顔面にガイナスの渾身の一撃がぶつかった。
「ぐがっ!!」
クッデはそのまま後方へと吹っ飛ぶ。
さっきのパンチとは違い足で踏ん張る暇もなく地面に激突、そのまま倒れ込んだ。
「クッデ君!!」
思わずニィアは立ち上がった。
「あはは、馬鹿なやつだぜ」
男Bが笑いながらいう。
「ガイナスさんの魔法"回転"は、風を掘削機のように纏い、それを回転することにより相手のどんな守りもぶち抜く完全無欠の攻撃よ!!」
男Cさん解説ありがとうございます。
しかし、残念ながらニィア達には聞こえてない。
何故か、戦闘に巻き込まれるのが嫌で遥か後方にまで下がって隠れているからだ。
そんな彼らの事なんて無視し、戦闘は続く。
「おぉ〜い、生きてっか〜」
ガイナスは右に風を纏い笑いながらクッデへと近づく。
するとその声に反応したのか、クッデは上半身だけ起こし痛そうに顔をさする。
「あぁ〜いってぇなぁ……」
これにはガイナスも少し驚き、足を止めた。
あの一撃を喰らって痛いだけ。
普通なら骨砕かれたっておかしくないのに。
「(こいつ……どんだけ丈夫な身体してんだよ……そう言えばこいつの名前聞いてなかったなぁ…何処かで見たことがあるんだが……)」
首を少し傾げ考える。
そんな彼を他所にクッデは。
「んじゃ、お前が魔法使うってんなら俺も魔法使用しても良いんだよな」
クッデは体を起こし少し力を入れる。
するとどうだろう、クッデの両腕は形を変形していく。
肌の色は少しずつ紅くなり鱗のようなものが表面上に現れ、指は棘のように鋭く尖り始めた。
その光景を見、ガイナスは思い出したのかハッと、目を見開く。
「ま、まさかお前……橙色の髪、左頬の傷、そしてその赤い鱗腕!?ま、間違いない!!クッデ!?」
顔が青ざめていく。
「さぁ〜て」
クッデは豹変した手をゴキゴキ鳴らしながらガイナスへと近づいてくる。
「う、嘘だろおい、傭兵組合 自由な旅人に突如現れたって言う化け物四人組……四季の一人の!?」
ガイナスは後ろへと後退りする。
「(やっぱり、彼ら誰か知らなくて喧嘩売ったのかぁ)」
ニィアはクッデが魔法を発動し始めたあたりからベンチに座りなおして観戦に戻った。
「(にしてもいつ見ても凄いよね……幻の生物竜の技を使用することが可能になる魔法……"竜化"。これがクッデ君の魔法、これが"竜鱗"の異名を持つクッデ君の力)」
ニィアは誇らしげな顔をしながら見守る。
「くっ、だ、だがまだだ!!まだ負けたわけではない!!現に俺はまだあいつの攻撃を一度も喰らってないのだから」
後退りしていた足を止めて、さっきと同じ体勢に戻す。
「もう一度……今度はフルパワーでぶち込んでやる!!!」
さっきよりも風の回転が速くなった。
そして一気にクッデへと突っ込んでいく。
「喰らえ!! "ドリルブレイク"!!」
ガシ
「なにぃ!!?」
受け止めた。
渾身のドリルブレイクを左手で止めた。
ガイナスは愕然とした。
通常でも両腕で防げなかったのに、フルパワーをだったドリルブレイクを片手で止めた。
「さて、次はこちらから行きますよ」
ズゥン!!
「グハッ!!」
クッデの右手拳がガイナスの腹に入る。
「(な、なんて重い一撃だ!??)」
ガイナスは大きく後ろへと吹っ飛ぶ。
「「ガイナスさん!!」」
ドサァ
隠れていた二人が出てきてガイナスの方へと歩み寄る。
ドシッ
「ひっ!!」
3人は同時にクッデの方へと向く。
そこには何やら力を溜めているクッデの姿があった。
そして彼の周りには赤いオーラのようなものな浮かび上がっていた。
「嘘だろ……鱗だけじゃねぇのか!!」
「これでトドメだ!!」
クッデは口を膨らまし、息を吐き出すように出す。
しかしそれは息ではない。
"炎"だ。
竜の炎だ。
「竜技"炎吹"!!!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガイナス等目掛けて放ったら炎はぶつかった瞬間爆破、炎上した。
それを確認したクッデはニカッと笑いガイナス達目掛けて言葉を発する。
「ガキだからって舐めるなよ、おっさん!」
〜to be continued〜
初の戦闘シーンですけど……表現が難しかったです




