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竜の声  作者: 水仙(スイセン)
溟海ノ使者編
24/43

第23話 "鉄剛"のリュウセイ

〜ニィアサイド〜


「みんな大丈夫かな?」


溟海(オーシャン)狂鮫(シャーク)の本部近くの丘にて、メインバ達と共に戦況を見守るニィアが、心配になってか隣に立つキャンサーに話しかける。


「彼らが強いってことはよく知ってるでしょ?」

「まぁ……」

「なら安心して待ってなさい。あんたはお休み中の彼女(フューチェ)の側に居てあげなさい」


キャンサーに言われて、隣の木にもたれかかり眠るフューチェの方を見る。


「……zzz」

「……はぁ、分かりました。信じて此処で待ってます」


その言葉を聞いて、キャンサーは微笑みを浮かべ、また本部の方へと目を向ける。






〜ゾイサイド〜

「なぁおじさん、あんた此処の幹部だろ?他の奴らとは雰囲気がまるっきり違うからな」


先程まで問答無用で凍らせてた雑魚兵とは違い、口悪くも親切に話しかけるゾイ。

それに対して、ターバンの男は無言でゾイを睨みつける。


「俺さぁ〜、此処のボスに用があるんだけどさ?何処にいるか案内してくれないか?」

「……」

「おじさん?聞こえてるか?」

「黙れ小僧」


ターバンの男は、急に喋り出したかと思えば、右手に橙色のオーラを纏い出したかと思えば、返事を聞く間も無く魔法を放つ。


「なっ!? "氷大盾(アイスビックシールド)"!!!」


咄嗟にゾイは、目の前に、身の丈ほどの巨大な氷の壁を作り出す。

そして、ターバンの男の魔法攻撃を防ぐ。

が、防いだ拍子に、視界を覆うほどの砂埃が舞う。

いや、砂埃ではない、"砂そのものだ"。


「砂の魔法か…!? 厄介な魔法を……」


目に砂が入らないように、腕で覆いながら敵の方を見る。

が、無論敵の姿を確認する事は出来ない。


「畜生!! 此処から攻撃したところで、この砂風に吹き飛ばされるがオチだし……それに」


ゾイは、顔を動かさず後ろにある階段の方へと目をやる。


「多分だが、数分もしないうちに、仲間がこの階へと降りてくるはずだ。こんな所で戦ってたら巻き込んじまう!!! それだけは回避しないと!!!」


ゾイは、腕を真横に伸ばす。

それに続いて、氷の壁も横へ真っ直ぐ伸び広がっていき、横の廊下の突き当たりの壁にぶち当たる。

それを確認したゾイは走り出し、その場から逃げ出す。


「!? 待て!!!!」


ゾイが逃げたのを見たターバンを巻いた男は、砂の魔法による攻撃を止め、すぐさま後を追いかける。


「(よし、俺を追いかけてきた。さてと、どうやって彼奴を撃退しようかね)」


頭の中で色々と作戦を立てながら、ゾイは真っ直ぐ走り出す。






〜リュウセイサイド〜

場所が変わって一階の大広間。

数分前から状況変わらず、イザキの放つ鎌鼬の嵐が、敵味方関係なく切り裂いている。


「あのオカマ……もう私が倒しに言って来ていい?」


痺れを切らしたのか、鎌鼬を避け続けながら、敵を蹴り倒していくミココは、隣で余裕な表情で魔法壁を張って守りに入っているホロアに提案する。


「やめとけ、前に敵の大将の首取って、手柄奪ったアホがどうなったか覚えてるだろ」

「そのアホってのは俺の事言ってるのかガリ勉野郎」


ホロアの魔法壁の後ろにて、くつろいでたナナシが睨む。


「それに、痺れを切らしたのは君だけじゃないさ」


ナナシの睨みは無視して、ホロアはジッと敵の姿を見ていた。




「さてと……そろそろお遊びもここまでにして、あの生意気なガキの始末にでも移ろうかしら」


そう考えていたイザキは、頭上に上げていた手を下げようとした時だった。

目先にある床壁から、黒いオーラを纏った人影が、一人飛び出して来たのだ。

イザキはそれに気がつき、すぐさまその人影に向けて鎌鼬を集中させて放つ。

しかし、遅かったのか、運悪くか、鎌鼬は標的に当たらなかったのか此方への進攻を止めず、すぐに自分の懐まで近づいて来ていた。


「オラァァァ!!!!」


近づいてきた人影は、叫び声と共にイザキの腹に向けて、黒いオーラを纏った拳を入れる。

イザキは叫び声を発するも前に、遥か後方へと吹き飛び、壁に衝突する。

その際、イザキの口からは口紅と同じ色、血が吹き出ていた。


「ガッ……グッ……ギィィィ!!!」


激しい痛みが身体中を襲っているのか、腹を抑えながら、言葉にならない声を発している。

そして、自分を殴った人影を確認する為に、充血した目で睨む。

そこには、自分を侮辱してきた赤髪の男が、涼しい顔をしながら立っていた。

リュウセイだ。

が、先程まで纏っていた黒いオーラはもうなかった。


「やりたい放題やってくれたなぁ…えぇ〜と、おばさんでいいか? だが、そろそろお前を倒して先に進まないと、手柄をブラック達に全部奪われそうだからな。やられてもらうぜ」


そう言うと、もう一度体全体に黒いオーラを纏い始める。

その言葉を聞いてか、イザキは荒い息を吐きながら、ゆっくりと立ち上がる。


「お…ま…え…ぶっ殺す!!!!」


メイクは薄れ、女の要素が無くなったイザキは、両腕を正面に突き出し、魔力を溜め始める。


「細切れになりやがれ!!!」


目をカッと開くと同時に、溜め込んだ魔力を一気に解き放つ。

放った魔法……鎌鼬は、先程全体に振りまいて居たものよりも鋭く、また飛ばす方向を一箇所に集中させたため、数も比べ物にならない量だった。

しかし、リュウセイはそれを見ても、避けるところが、ポケットに手を突っ込むほどの余裕を見せ始める。

そして、リュウセイは鎌鼬の嵐を、正面から喰らっていった。

その衝撃で砂埃が舞い、リュウセイの姿は確認できなくなった。

リュウセイの部下達は、その光景を何も言わずに眺めていた。

中には、笑みを浮かべる者までいた。

そして、魔力が無くなったのか、徐々に鎌鼬の数が減っていき、最後には消えていった。


「はぁ…はぁ……どうよ!!! 死んだか!!?…ゲホゲホ」


魔法発動前より、息を荒げ言葉を発するイザキ。

相当体に来ているのか、咳き込む始末だ。

時間が経ち、砂埃が収まり始めた。


「……え?……嘘でしょ…」


イザキは目を丸くした。

砂埃の中に、人影が立っていたのだ。

そして、砂埃が晴れて、その姿をはっきりと確認することが出来た。

リュウセイだ。

しかし、先程とは様子が違っていた。

衣類を含めた全身全てが、黒く輝きを放ち、あの数の鎌鼬を受けたのにも関わらず、何処にも傷が無かった。


「何…その姿……?」

「"装鋼鉄(フルメタル)"。俺は、魔法"鉄化(アイアン)"によって、体を鉄同等の硬度を得ることが出来るだぜ」




「それに加え、生まれながらの丈夫さ」

「無駄に鍛え上げられた筋肉」

「そして、持ち前の鋼のメンタル♪」

安全地帯で、リュウセイの言葉に続き、ホロア、ナナシ、ミココが言葉を続ける。

その言葉続きを占めるかのようにホロアが言葉を発する。

「結果、総帥(マスター)からいただいた異名は"鉄剛"。それが、俺達のリーダー、リュウセイの力だ」





「どうやら、おばさんの鎌鼬は、俺の鉄の体をを切断する力は無かったようだな?さて、この後どうする?」


リュウセイは、体を鉄化した手の骨を鳴らしながら、イザキへと近づいていく。


「ぐぅぅ……わ、私は……私は……」

「どうすんだ?まだ戦うか?」

「私は……こんな所でやられる訳にはいかないのだよ!!!」


イザキは、よろつきながら、最後の力を振り絞ってか、片手で魔力を溜め、鎌鼬を作り出し地面に向けて放つ。

その拍子に、砂埃が舞う。


「何!?」


リュウセイは一直線にダッシュし、イザキが居た場所に鉄の拳を撃ち込む。

しかし、それはイザキには当たらず、彼の後ろにあった壁に当たる。

一瞬のうちに消えたのだ。


「チッ、逃したか!!」

「標的を切り裂くだけ切り裂いて、気が付かれる前に煙のように消える。まるで本物の鎌鼬のようですね」


悔しそうにするリュウセイに、ホロアは、冷静に近づき感想を述べる。

それに続いて、ナナシとミココも歩み寄って来る。

リュウセイは、その場でジッとしていたが、装鋼鉄(フルメタル)を解き、部下に対して命令を出す。


「ミココのチームは怪我人を安全な場所まで運べ、ホロアのチームはこのままこの階の制圧を続けろ、ナナシのチームは俺について来い、このまま下の階まで行くぞ」

「はぁ〜い♪」

「了解しました」

「うぃっす」


3人は、リュウセイの命令に対し各々の返事をする。

その後ろにいた他の部下達も頷くもしくは返事をする。

そして、リュウセイが動きだすと同時に、それぞれの命令通りに動き出す。


〜to be continued〜

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