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竜の声  作者: 水仙(スイセン)
溟海ノ使者編
21/43

第20話 激突!溟海の狂鮫!

溟海の狂鮫の本部内。

クッデ達が中に入った頃には、鉄鋼団と溟海の狂鮫の雑魚員による乱戦が始まっていた。

此処に来る途中メインバに聞かされたことだが、溟海の狂鮫に所属している人数は300人近く居ると聞かされていた。

それに対して、此方のほうは、50人と差は歴然だった。

が、敵の数が減るスピードは圧倒的に早かった。

リュウセイ率いる鉄鋼団、彼らはそこらの雑魚よりも強く連携のとれた動きが多い。

その為数の差は簡単に埋めることが出来た。

特にリュウセイと彼の側近の3人の強さは別格だった。


「くたばりやがれ!!」

巨漢の男が、身の丈ほどの大剣を片手の男に対して振り下ろす。

片手の男は、それを右手に持つ、鑢のような武器で余裕な表情で受け止める。

「見かけ倒しか?この剣は?」

「なに!?」

巨漢の男が驚いている隙に、片手の男は大剣を弾き返し、バランスの崩れたところを右手に持つ武器で吹っ飛ばす。

巨漢の男は声が出る間も無く壁に激突し、気絶した。

「俺に勝ちたきゃ、もっと重い武器を使いな」

≪鉄鋼団幹部 "巨塔"のナナシ≫


「ぜぇ……ぜぇ……なんなんだこの女!!」

短剣を持つ二人の男が息を切らしながら、目の前に立つ、桃髪の女を睨みつける。

先程から二人掛かりで何度も斬りつけているのに、短剣が当たる寸前で何故かその場から消えるからだ。

「貴方達の相手も飽きて来たし、そろそろ倒させていただくわよ」

「ぐっ!舐めやがって!!!」

半ばやけくそで、短剣を持つ二人の男は同時に飛びかかる。

が、やはり当たる寸前でその場から消える。

そして、二人が辺りを見渡す前に、桃髪の女はどのようにしてかは分からないが、背後に回り込み、回し蹴りを喰らわす。

「「ガッ!!」」

ゴスッと、鈍い音と共に二人の男は地面に倒れこんだ。

「残念、貴方達の戦いは此処で終了しました♪」

≪鉄鋼団幹部 "瞬速"のミココ≫


「「一斉に攻撃だ!!!」」

杖や本を持った四人の男達が、叫びながら魔法を貯め始める。

そして、先にいる眼鏡をかけた男に対して別々の属性魔法を放つ。

「……"魔法壁"」

眼鏡をかけた男は、手を前にかざすと同時に、目の前に半透明な壁を出現させる。

そして、四人の男たちが放った魔法は全て、魔法壁を突破することなく虚しく散っていく。

「この数の魔法を!!」

「全て防ぎやがった!!」

男達がたじろいでいる間に、眼鏡をかけた男は、右手に青い魔力を貯める。

「"青い弾丸(ブルーピストル)"」

魔法壁を発動した時と同じように手を前にかざし、青い稲妻を四人の男たちに向けて放つ。

「「ギィヤァァァァ!!」」

魔法を喰らった男たちは、体に電流が走り叫ぶ。

そして、電気が収まると、その場にバタリと倒れこむ。

「……はぁ、この程度でやられるようでは、何の情報(データ)も得ることが出来ないですね」

≪鉄鋼団幹部 "蒼雷"のホロア≫


「全く、どいつもこいつも張り切りやがって……俺の出番が来ないじゃないか」

戦闘が行われている場所より後方で、退屈そうに眺めるリュウセイがいた。

「余裕そうだな」

後ろから声が聞こえ、顔だけ動かし後ろを見ると、後から到着したクッデ達がこちらに近づいていた。

「当たり前だろ、こんな雑魚共、元から眼中にもないさ。俺の目的は幹部の首だけさ」

笑顔で答えるリュウセイ。

どうやら幹部に勝つ自信はあるようだ。

3人は、呆れつつも笑顔で返す。

そんな時だった。

ヒュ〜と言う、風を切る音が何処からともなく聞こえた。

その後すぐだった。

叫び声が聞こえたのだ。

その声を聞いた四人は、目つきが一瞬で変わり、全員が叫び声の聞こえた方へと目をやる。

四人の目線の先には、前衛にいた仲間達が、身体中が切り傷だらけの状態で倒れていたのだ。

そして、彼らの周りに一人、他の雑魚兵とは雰囲気が違う者が立っていた。


***


「侵入者じゃと?」

少し薄暗い部屋。

大椅子に腰を下ろしている老人が、目の前で膝をつき、ターバンを巻く男の話を聞いていた。

内容は侵入者が乗り込んできたことに関してだった。

「はい。しかも、人数と組織的行動を見るところ、何処かの傭兵組合(ギルド)だと思われます」

ターバンの男は、顔を下げながら老人に対して話す。

「うぅ〜む……いつかは来ると思っていたが、予想よりも早かったなぁ……して、現在の戦局は?」

「大広間にて部下達が応戦しております。また、現在、"イザキ"を現場に向かわせており、また、"シナナイ"達を解放させる準備を始めてます」

「そうか……報告ご苦労。お主も彼らと合流し、侵入者達の迎撃に当たれ」

「はっ!!」

膝をついていた男は、部屋全体に響く声で返事をするや、素早く立ち上がり、老人に対して一礼をすると、部屋から立ち去っていった。

その姿を確認してから、老人は深いため息を吐く。

「おやおや?何か事件ですかい?」

大椅子の後ろから、黒髪の男がスッと出てき、老人に対して言葉をかける。

「あぁ、どうやら傭兵組合(ギルド)が攻め込んできたらしい」

「おやおや、それは大変!これからどうなさるおつもりで?」

「ふん、んなもん返り討ちにしてやるわ。ワシら"溟海(オーシャン)狂鮫(シャーク)の力を見せてやるわい!!」

老人に声を荒げながら、黒髪の男に対して言う。

「ほらほら、落ち着いて落ち着いて。息が乱れてますよ〜……そうだ、私も侵入者の迎撃に手を貸しましょうか?」

「なんだと?」

「お爺ちゃんに無理はさせれませんしね」

「ふん、変な気遣いはいらんわい……ワシだってまだまだ現役だわい……だが」

「だが……?」

老人は黒髪の男の方をじっと見る。

黒髪の男はニコニコしながら、次の言葉を待っていた。

老人は深く息を吐いてから次の言葉を発した。

「止めたところで、どうせお前の事だ。もう"向かっておる"のじゃろ?」

「おや?よくお判りで♪」

「人の話を全く聞かない事は、よく知っておるからのぉ」

「ははは、それはまた手厳しい事をおっしゃりますね……では、私も向かわせていただきます」

黒髪の男は、軽く例だけすると、大椅子の影の中へと消えていった。

その光景を見届けてから、老人はゆっくりと目を瞑り、一言だけ呟いた。


「さて、お手並み拝見させてもらおうかのぉ。"番犬"のハクセイよ」

その後、部屋の中には静寂が訪れていった。


〜to be continued〜

新年初の小説投稿です(°▽°)

今年も竜の声宜しくお願いします

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