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竜の声  作者: 水仙(スイセン)
序章
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序章 悪夢

「……暗い」

少年は考えたことを口にした。

ついさっきまで寝室のベッドで横になっていただけなのに、ふと気がつくと周りが真っ暗な空間に居た。

しかし、少年は落ち着いていた。

少年はグルっと一回転して、周りを確認してから。

「……此処は何処なんだ?」

と、一言呟いた。

丁度その時だった、今まで真っ暗だった空間に光が差し込んだのだ。

少年はあまりの眩しさに反射的に手で目を隠した。

少し時間が経ち光に慣れてきたのか、少年は上げていた手を下げて光の方を見た。

その光を見た瞬間、少年は驚いた。

目の前に広がる光は、メラメラと燃え盛る"火"だった。

その光景を見た少年は少し後退りした。

しかし、少年は火の中に何か影がうごめいている事に気が付き、後退りした分前にでた。

火の中にうごめく影をジッと見つめると、それは人影だった。

人影は3つあり、1つは自分と同じくらいの人影、2つ目は1つ目の人影の後ろにおり、1つ目とと同じくらいの大きさの人影、そして3つ目は1つ目の前に立ち、1つ目より背丈が大きく、そして右手には何か光る長い物を持っていた。

「……あれは?」

少年が人影がどのような形なのか確認したと同時だった。

ザッ

大きな人影は右手に持つ物を上に振り上げると同時に1つ目の人影を殴りつけた。

いや殴りつけたのではない、斬りつけたのだ。

大きなの人影が持っていたのは"刀"だった。

あまりの急な出来事に少年は絶句してしまい、状況をすぐに飲み込めなかった。

すると、大きな人影は何かに気が付いたのか顔の向きを変える。


少年の方へと

少年はゾッとした。

大きな人影はこちらを見るに口元を開きニッと笑う。

目は見えない、けど此方を睨みつけていることはすぐに理解した。

そして大きな人影はゆっくりと足を前に出すと同時に加速し、物凄い速度で此方に接近してくる。

少年はあまりの恐怖に震え、身動きが取れなかった。

なんとか動こうとしたがまるで石にでもなっているかのようにその体は動かなかった。

その顔は青ざめ、今にも泣きそうな表情だった。

そして、気がついた時には少年の前に大きな人影は刀を振り上げ立っていた。

「……あっ」

少年は身を守る態勢すらも取ることも出来ずその人影を見ることしかできなかった。

大きな人影は少年のそんな姿を見て、ニヤリと笑い口を開く。

「さようならです、小さき光よ」

その言葉が終わると同時に大きな人影は刀を振り下ろした。


・・・


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

少年は目をかっと開き起き上がった。

「はぁ…はぁ………あれ?」

息を荒げながら周りを確認する。

そこには、見慣れた自分の寝室だった。

「はぁ…はぁ……夢……か?」

夢、そう気がつくと彼はほっと安心する。

しかし、本当にあれは夢だったのだろうか?

夢にしては光が眩しく火の熱も感じた……などと考えながら彼は被っていた布団を捲り上げる。

隣の小さな机の上に乗っている時計に目をやる。

"7:45"

時計の針はそう指していた。

「(少し早起きしたか?)」

夢のことを忘れようと、他事を考えるように思った少年。

しかしそう簡単に消えない。

あまりにも衝撃的すぎて頭の中にこびりついている。

もう一度時計の方へと目をやる。

すると、時計の横にメモ用紙が置いてあるのに気が付いた。

そこにはメモ用紙いっぱいに『8:00 待ち合わせ』と書いてあった。

そのメモを最初見た彼は、何のことかさっぱりだった。

しかし、少し考えた彼は急に青ざめ始めた。

その顔は夢の時以上に青ざめていた。

「遅刻だ」

そう呟くと同時に彼はドタドタとパジャマから私服へと着替え始めた。

そして必要な所持品だけを手に持ち寝室の扉を勢いよく開けていった。

少し静かになるとまたガチャと鳴り、「いってきます!!」と大きな声が家全体に響いた。

その後に何処からか小さな声が聞こえた。

別の部屋にいる人だろうか。

その言葉を最後に、家全体がシーンと静かになり、少年のいた寝室にはもう誰もいなかった。


そう……誰もいないように見えた。

彼が家を飛び出したから数秒後、何処から現れたのかフッと白髪の黒いバンダナを付けた少年が部屋の中に現れた。

彼は少し周りを見渡してから、ニコッと笑い、「………もう少し楽しめそうだな」と、一言誰かに聞こえるか聞こえないかな小さな声で呟き、ふっと煙のように消えていった。

不思議な出来事だった。

しかしこの出来事を知るものは誰もいなかった。

部屋の持ち主であり、この物語の主人公である少年"クッデ"ですら、知らない出来事だった。


〜to be continued〜

今回が初めての小説投稿となります。

まだまだ未熟者ですがアドバイスか何かをいただけると嬉しいです。

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