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街に立ち寄る

僕はとあるナンバー歩兵連隊の上等兵を務めていた。最近とある女の子と仲良くなったんだ。それは行進訓練で立ち寄った小さな田舎町でのこと。駐屯にあたり100キロ行軍の合間だからか自由時間が与えられた。今回も中々ハードなものに感じるがこうして息抜きができるあたりまだまだいい方だ。それはさておきそこで僕は出会うこととなる。最初は街の風景を見るために辺りをぶらついていたんだ。そこで数人の男に囲まれる少女がいた。

「おいアリス、たまにはいいだろう?」

「無理、気持ち悪い」

えらく下品な笑顔を浮かべる無精髭を生やした大柄な男は少女に言い寄っていた。対する少女はかなり嫌そうだ。他の男たちもみな似たり寄ったりな風貌で品がないのは、まあ僕が言えたことでもないがそれ以上に気になることがあり彼らが民兵の戦闘服を着装していることだ。彼らは一応兵隊なのか?ならなぜこのようなことを。

「俺たちのおかげでこの街は何度も助けられてるんだ。そうだろう?お前らの店がこの前も参加に呑まれて潰されそうになった時も、なあ?」

そう言われるとアリスと呼ばれた少女はなんとも言えない表情をした。顔は整っていた。強気な瞳は切れ長でどんな困難にも立ち向かう、そんなオーラを感じる。髪は少し茶色が掛かっていて瞳の色は青。僕とおんなじだなあ。

アリスは怒ったような顔をして怒鳴った。

「うるさい!あんたのせいで、あんたのせいでクリスだって死んじゃったじゃない!よくあれだけ嵌めておいてそんなこと言えるわね!?」

かなりの逆鱗に触れたようで少女は警戒心を高ぶらせる猫のように吠えた。そうこうしてるうちに後ろの方から見ていた僕と目があってしまった。

「あんたもなんか言いなさいよ!」

え!?

いや、止めようとは思ってたんだけどまさかいきなりそう来るとは思っても見なかった。僕は確かに正規の軍人で一応は強靭な歩兵連隊の一員なんだが(別に他の兵種を蔑ろにしているつもりはない。工兵にしろ砲兵、戦車兵、偵察兵その他諸々みな強靭だ)、いきなり喧嘩沙汰にされてしかも数人を相手取り素手でやりあうスキルなんか、たぶん持ち合わせてないぞ。

「ぼ、僕が?でも待って。僕は今君と出会ったばっかりだし話も話半分にしか聴けてない。とりあえず落ち着いてここは」

そうやって、覚悟も決めてないで中途半端な決断をしたあまり、

「うるせえこの野郎、やるならやってやんぞ!」

思い切り大柄な男が警棒を伸ばし僕の後頭部めがけて思いっきり振りかぶって殴りつけたようだ。なんて、運のない奴なんだ…!



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