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異世界のツカノマ  作者: 結字
第1章 退屈な世界におさらばを
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プロローグ 前編 【退屈な開幕】






「はぁー」



——この世界はなんて退屈なんだろう。



 学校終わりの学生たちが帰路の寄り道をしていくゲームセンターの路地裏。時刻は夕方くらいだろう、辺りは夕暮れの日差しでオレンジ色に染まっていた。


「あぁ゛ん!?」


 そんな場所に、学生服を着た一人の青年と、数人のガラの悪そうな不良達が居た。不良達の中には、目つきが鋭く、がたいの良い、あからさまにリーダー格であろう不良が殺人鬼さながらな眼光を放ちながら少年を睨みつけている。つまり、不良リーダーだ。

 そんな不良リーダーの後ろにも、数人の『喧嘩大好き!! ヒャッハー!!』な不良達がニヤニヤしながら学生服の青年を見ていた。


 もちろん、できることならこんなガラの悪い奴らとは誰も関わり合いたくなんかないだろう。普通の人なら、自ら近付くなんて事はしないと思うのだが…。


 そんなガラの悪い不良達の目の前には、黒髪アシメの長い方の髪で片眼を隠した、いかにもやる気の無さそうな表情を浮かべる制服姿の青年が立っていた。こんな危機的状況すら、面倒だというばかりの溜息までついて。


 そんな面倒事に巻き込まれてしまって、心底嫌な顔を浮かべている青年こそ、この物語の主人公——塚野(つかの) 真夜(しんや)

いつものように、暇潰しがてらゲームセンターに寄ろうと思っていた所を、この不良達に捕まり現在の状況になったという訳だ。


「おいコラ! 痛い目にあいたくなかったら出すもん出せやぁ!!」


 不良リーダーの後方で、相変わらずニヤニヤしている不良の言った出すものとは、この場面では財布の事なのだろう。

 …間違っても、ネタに走ってズボンを脱いだりなんかして"もう一つの真夜君"を召喚なんてしたりしたら…。それはそれで、どうなるのか気になったりはするのだが。

 あいにく、彼、真夜にはそんな露出癖があるわけではない。そもそも恥ずかしいので"もう一つの真夜君"の登場は幾分先なお話だろう。


「おーい! 聞こえてんのか? なんとか言ったらどうなんだぁ? あぁ゛ん?」


 そう声を荒げたのは、先頭に立っていた不良リーダーだった。あまりにも真夜の舐めきった態度に、怒りの限界を迎えたらしい。真夜の胸ぐらを掴み、殺人鬼の様な鋭い目付きを血走らせ、今にも殺人事件が起きそうな雰囲気を漂わせている。

 不良リーダーの背後でニヤニヤしていた不良達も、不良リーダーの雰囲気に呑まれ、緊張した表情へと変わった。それだけこの不良リーダーの逆鱗に触れてはいけなかったらしい。

しかし、そんな事は御構い無しにと、真夜は不良リーダの目の前で欠伸をしてみせた。


——5対1か。なんだか…戦隊モノの悪役にでもなった気分だな。


 ふと、真夜は子供の頃から大好きだった、ヒーローアニメ【爆砕戦隊(ばくさいせんたい) ブッ飛バスンジャー!!】などという、タイトルからしてぶっ飛んだアニメのことを思い出していた。

 内容はいたってシンプル。正義の名の下に集った5人の赤い(自称)リーダー達が、揃いも揃って悪の怪人をリンチするというヒーローにはあるまじき、どちらかというとヒールな内容の物語だった。


 現状、その場合、この不良達が正義のヒーロー…もとい、ヒールになるわけで。ヒールなら間違いはないのだろうが。

 そんな事を考えていた真夜は、現在の状況下で我ながらおかしな事を考えているなと苦笑いを浮かべていた。

 真夜の目の前では不機嫌そうな表情を浮かべている不良のボスが、そんな真夜の態度を不快に感じたようで、再度胸倉を掴んでいた手に力を込める。

 多分、不良達のボスの年齢は20代前半だろうか。特徴としては、やはり頭の上に乗ったこの大きな”金のフランスパン″これがきっと、彼の【リーダー】たる象徴なのかもしれない。


冴島(さえじま)のアニキィー! こいつ、なめた(つら)してますよー!」


冴島(さえじま)のアニキのフラ……リーゼントを見てバカにした(つら)してますぜ!」


——あ、今フランスパンって言いかけた。

 やっぱりこれフランスパンなんだよね?


「あ゛ぁ゛ん゛!! さっきから、なになめた面晒しとんじゃこのガキぃ゛ぃ゛!!」


——いや。そりゃまあ "金のフランスパン″ なんてなかなか拝めませんから。


 どうやら、真夜の視線が先程から彼の頭部にしかいっていないのに気付いたらしく、"金のフランスパン"を乗せた冴島(さえじま)……いや、金の冴島(さえじま)の堪忍袋の尾が切れたらしい。

 真夜の胸ぐらを掴んでいた左手とは反対の、開いていた右手をギュッと拳に変え、真夜の顔目掛けて凄まじい勢いで殴りかかった。


——やっぱり…こうなるよな。


 冴島の拳が真夜の顔を捉えようとした…その刹那!

 彼――塚野(つかの) 真夜(しんや)の左眼の色が”青く”変わった。


グシャッ!!!


「ぐぁぁぁああ!」


「…あ゛?」


 冴島の拳は、間違いなく真夜が居たであろう場所を捉えていた。しかし、その拳は何故か後ろに控えて居た不良の一人の顔面を潰していたのだ。


「冴島のアニキ! どうして亮平(りょうへい)を殴ったんですか!!」


「おて゛のか゛おか゛ぁ゛ぁ!! い゛て゛ぇ゛よ゛ぉ゛…」


 不幸にも、殴られた亮平と呼ばれる男の鼻からは大量の鼻血が溢れ、見るからに鼻は不自然な方向に曲がっている。どうやら折れてしまったようだ。

 他にも、歯が数本折れてしまったらしい。折れた歯のせいで口からもかなりの出血をしている。


「なっ!? 俺は確かにあの生意気なガキを殴ったはずだ!それがどうして!」


 ありえないとばかりに、冴島は辺りを見回してうろたえている。そんなうろたえる冴島と不良たちの背後から、真夜は不敵な笑みを浮かべて声をかけた。



——『ああ、それ幻覚な!』








【異世界のツカノマ】

とうとう始まりました!


まだまだ当分異世界には飛びませんが

どうか気長にお付き合いして頂けると嬉しく思います。

読んでくださった方が笑ったり、思わず胸が熱くなるような作品に出来ればいいなと思ってます。


この後書きの場所では、私、楓希の一言などを書かせて頂きます。

次回予告なども出来たらいいなと考えてもいます!


というわけで、

不慣れな自分ですが

【異世界のツカノマ】

共々よろしくお願い致します!


#2017/06/11 今話の終わり方を変更しました。

#2017/07/06 視点を一人称から三人称視点に変更しました。(※現在更新されてる全話対象です。)


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