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第6話 ステータス

 「ふっ…くっくっくッ……!」


「あはっ、あはははははははっ!」


 別に兄弟揃って公衆の面前で高笑いしてるからって、断じて気が狂った訳では無い。

 では何故こんな高笑いを二人揃ってしているのか。

 理由は、俺の手に握られたモノを見れば分かるだろう。


 そう、ジョブカードである!俺のジョブカードだ!


 「センヤ」と刻まれたそのカードには、現在の俺のステータスが事細かに記されていた。

 素晴らしい!やっとだよ!やっとステータス確認まで進んだよ!

 誰だってこういうアイテムを手にすれば、嬉しくて全裸で踊りたくなるはずだ。はいそこ、お前だけだよとか言わないの。てか言わないで。

 何せ、ステータスを確認出来るんだぞ!?嬉しくないはずがない!!



 と、ちなみに俺のステータスは……


【センヤ】Lv.1

職業:冒険者

最大HP:10

最大MP:5

攻撃力:40

防御力:3

素早さ:3

魔力:3

運:3

習得スキル:0

習得魔法:0


 待って?これじゃ俺が脳筋みたいじゃん。いやまあ脳筋プレイは得意だけどさ。STR至高。でも最大HPより攻撃力が高いのは…ねぇ。


 参考に、弟のジョブカードも覗いてみる事にしよう。


【イチヤ】Lv.1

職業:冒険者

最大HP:50

最大MP:30

攻撃力:20

防御力:30

素早さ:20

魔力:20

運:20

習得スキル:0

習得魔法:0


 ほっほっほっ!こりゃまた愉快じゃ!愉快じゃねえ!


 おい待て。待つんだ。これは流石に酷いぞ、何だこの安定性は!

 しかも攻撃力以外兄より上ってどういう事?普通は逆じゃない?


 まあ、俺は攻撃力のみ桁外れていたからまあ良いとしよう。

 要は敵が攻撃してくる前に先手必勝の一撃必殺を決めれば良いのだ。簡単な話である。

 それにしてもこのジョブカード、俺達の『闇騎士ダークナイト』や『聖騎士パラディン』が記載されていないことから、どうやら役職(ロ―ル)については書かれないようだ。

 まあこのカードは様々な時に提示する、余計な事が書かれていると困る物なので良かった。


 一通り喜んだ後は、早速行動に移る。そう、一週間だもの。


 俺は、瞬時にこれまでのMMORPGを思い出しそれらの統合結果として、今の現状に最も必要なモノを叩き出した。

 まずは、装備だ。

 俺達はここ、異世界に来る前の服装そのまんまだ。白Tシャツとジーパンが戦闘向きでは無いことは一目見れば分かるであろう。

 さあ、装備屋では何に重点を置いて品を買おうか。攻撃力の異常に高い俺はいっそアタッカーとして武器にひたすら金を積むという選択肢がある。で、弟は壁として重装備を……


 トントン。弟に肩を叩かれる。


 「兄さん、金はどうするの?」


「言うなああああああああああああああ!」


 俺は一気に現実へと引き戻される。そう、金である。金が無ければ元も子もクソもない。

 結果論、金さえあれば何でも出来る。無ければ何も出来ないのだ。


「詰んだ……」


 もうどうすれば良いのだろうか。あのおっさん、俺達は強大なる異世界の使徒さんなんだから金の詰まった麻袋の一つや二つ分けてもバチは当たらないはずだぞ。それをさり気なく誘導して城から叩き出しやがって!


 「仕方ない。都合の良いバイト探して最低限の金だけ手に入れるぞ。」


「りょーかい!」


 俺とイチヤは光沢の煌めく鎧が立ち並ぶ装備屋を後にする。

 と、その時だった。


 「待ちたまえ、異世界の来訪者達よ。」


「「ん?」」


 その声は、ついさっきどこかで聞いたような声だった。あれ、どこだっけ…


 「どうやら、何かに困っているようだな。」


 俺達はゆっくりと、静かに後ろを振り向く。声の主の顔を見る為に。


 「王の試練は少し君達には厳しいと思ってな。この私が一週間、君達を手伝ってやろう。」


 金髪、ツインテ―ル、まな板。間違いない。


 俺達の後ろで、無い胸を張りながらそこに堂々と立っていたのは



――『西ウエスト賢者セイジ』のエリス・アーガナであった。


はしょりましたけど、組合登録しましたよ。

ジョブカは登録後貰えます。

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