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第3話 西の賢者

あらすじ変えてみました。

 まずは、状況確認だ。


 「一夜、ここが何処だか分かるか?。」

「分からないけど、何かの儀式で使う場所みたいだね。」


 見渡すとそこは、祭壇のような教会のような、そんな神秘性を感じさせる部屋だった。

 大理石のような床には、複雑な幾何学模様が幾重にも重なって描かれている。

 俺達がここに飛ばされてきた事から、召喚の儀式等を行う部屋と考えるのが無難だろう。


 「この部屋からは出れないのか?。」

「入口のドアは、試してみたら開いたけど……」


 と、その瞬間まさに入口のドアが開いた。

 ギギギと重苦しい音がしたので思わず身構えてしまったが、入ってきたのは豪華なマントやら装飾具やらを身に着けた年配の男と、その配下らしき者達が数人だった。

 男は、頭上に輝く王冠と立派にカールした白ヒゲを見て、何となく王様系統の人間だと推測する。

 そして、俺の予想は見事に当たる事となる。


 「ようこそ我が国へ!。強大なる異世界の住人達よ!。」


 そうか。向こうから見たら俺達は異世界の人間なのか。


 「我は国王のエイドス。このグランデイル王国を治めておる。先程は手荒な真似をして済まなかったな。」


 多分、あの手榴弾(ry)の事だろう。あれのお蔭で俺達はここにトリップしたという訳か。


 「君達をここに召喚したのは他でもない。我が王国を救ってほしいのじゃ!。」


 やはり、ここまで来るとこの展開が定石となるのか。

恐らく、さっき「強大なる」とか言っていたから俺と一夜には、何らかの力を秘めているはずだ。


 「分かりました。で、僕たちの能力はどんなものなのか説明してくれますか。」


「そうじゃな……って、何でそんな冷静なんじゃ!?。」


 国王が驚くのも当然だろう。


「いえ、このルートだと僕達がチート能力の一つや二つ持っていても不思議では無いなと。」


「ルートって……。異世界では別の世界に来てしまう事が日常茶飯事なのか!?。」


「いやまあ、僕達が少し知っているだけで、誰しもがそうという訳ではありませんよ。」


「そうか、我は当たりくじを引いたのか!」


「そういう見解で良いと思います。」


 流石俺の弟。俺に負けず劣らずの様だ。んで、こいつ本当に小学五年生か?。


 「では、君達の力に関しては彼女から話してもらおう。」


 国王が指をパチンと鳴らすと、付き添いの一団の間を掻き分けるようにして一人の男が現れる。

 ブカブカのローブに、厳めしく摩訶不思議な装飾具の数々。そして――


 その彼女は、ロリだった。


 俺も一瞬目を疑った。しかし、一夜と同じくらいの身長に、あどけない童顔とつぶらな瞳。

 どこからどう見ても、ロリであった。

 そして!更に金髪ツインテ―ルである。

 くんくん、ツンデレ属性のニオイしかしない!。


 「紹介しよう。『西ウエスト賢者セイジ』のエリス・アーガナだ。」


「エリスだ。宜しく頼む。」


「異世界人の英堂一夜と、兄の千夜です。」


「よろしく。気軽にセンヤで構わないぜ!。」


 弟の前であろうと、俺は狙った獲物は逃さないのである。

 エリスには、今後形成されるであろうセンヤハーレムの一員となってもらうのだ!。やっぱり異世界はこうじゃないとな!。

 再び開かれしハーレムルートへの希望で小躍りする俺を、弟はやはり温かい眼差しで見つめる。

 ブラコンなのは嬉しいけど、もうちょっとツッコミしてくれても良いんだぞ?。


 「彼女は君達と同じような能力者でな。この世界における不思議な能力を我らは『役職ロール』と呼んでおるのじゃ。」


「ロール……?。」


 王に代わり、先程のエリスが説明を引き継ぐ。


 「役職ロールとは、この世界の者或は異世界人の持つ、魔法とはまた違った不思議な力の総称だ。何年かのスラングを経て周期的に役職保持者は姿を現し、血で引き継がれる事は無い。……まぁ、二つの役職を除くがな。」


「二つの役職とは?。」


「『勇者ブレイブ』と、『魔王ベルゼブブ』だ。」


 勇者と魔王。成程確かに特別そうだ。てか強そう。


「この二つの力は余りにも強大過ぎる為、そのスラングは他と比べとても長く、周期は極めて正確で緻密だ。だから次にいつ現れるのかというのもハッキリ分かる。そしてこの二つの役職保持者が現れるのは、『全く同じ』なのだ。」


「最強が一気に二人現れる……。」


「つまり、その二つを主軸にした戦争が必ずや起こってしまう。この戦争は、どんなに望まなくとも絶対に起きてしまうのだ。」


 弟は興味深そうだったが、ぶっちゃけ俺はどうでも良かった。

 いや、この世界に召喚されてしまったからにはそういった背景等は知らなければならないのだろう。

 だが、今の俺にとっては背景より自分の役職が優先事項だ。

 これだけ焦らされたら、誰だって知りたくなるハズだ。え、俺だけ?。

 ともかく勇者や魔王の話は後にしてもらいたい。

 俺は我が有能なる弟に軽く目配せをする。

 弟は俺のさり気ないアクションを見逃さず、すかさずウインクを返してくれる。


 「で、僕達異世界人には勇者や魔王の様に強い役職が備わっているのですか?。」


「おっと、そうだな。まずは君達の役職の診断が先だな。」


流石俺の弟!。話題の路線をさり気なく誘導しやがった!。そこにシビれる憧れ(ry


「では、二人はそこに並んでくれ。」


言われた通り、俺達はエリスの前に並ぶ。


「よし。じゃあ始めよう。」



 そう言って彼女は両手を構えた。

長くなってしまったので、これからってとこでカットになっちゃいました。

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