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総合評価の変動要因

 過去2回は小説の数と総合評価のポイントを使って色々と分析してみました。ジャンル別かつポイント層別に分類することで、『小説家になろう』全体に投稿された小説がどのように分布しているのかがある程度おわかりになったかと思います。


 さて、今回はAPIで提供されている他の項目を更に加えて『小説家になろう』を分析していきたいと思います。使用する項目は、総合得点(総合評価のこと。APIではこういう名称になってました)・ブックマーク数・評価点・評価者数です。


挿絵(By みてみん)


 最初は総合評価(総合得点)のグラフです。全体で8646万ポイント近くあるんですけど、そのうち60%くらいをファンタジーが占めてます。まさしく圧倒的ですよね。次点で恋愛なんですけど、こちらは21%くらいです。他のジャンルと比べると健闘していると言えるんですが、それでもファンタジーの3分の1くらいしかありません。

 そしてそれ以外ですが、うーん、ちょっと悲しい結果ですね。小説の数ですと頑張っていた文学は、総合評価という面から見ると中堅どころと言ったところでしょうか。ファンタジーと恋愛の2強っぷりがよくわかります。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 続けて、ブックマーク数・評価点・評価者数のグラフです。いっぺんに3つのグラフを表示しましたが、どれもほぼ同じような形をしていますね。ファンタジーと恋愛の2ジャンルが強いということがよくわかります。




 ただ、これだけですと単に各ジャンルの盛衰がわかっただけでしかないので、今度は別の表を見ながらもう少しお話をしていきたいと思います。

 今度は各種合計数比較(割合)という表を用意しました。これは「全体」行の数値を100%ととして、各ジャンルの数値が全体の中でどの程度の割合を占めているのかということを示しています(各ジャンルの数値÷全体の数値)。今からお話するのは、総合得点・ブックマーク数・評価点・評価者数の各項目をこれらの数値(割合)を使って比較した結果です。



挿絵(By みてみん)


 最初は、評価点と評価者数の関係から見ていきたいと思います。この評価点というのは皆さんご存じの通り、小説に対してつけてもらえる文章評価とストーリー評価の合計値です。どちらも1~5点の範囲で採点することができますよね。一方、評価者数というのは小説を評価した人の数です。ですから、評価者数の割合よりも評価点が高ければそのジャンルの評価者は高評価を与えてくれる傾向があり、評価点が低ければ厳しい採点をすると考えられます。

 ということで改めて評価点と評価者数の割合を比較してみますと、ほぼ差異はないですね。ある意味当たり前の結果とも言えます。この表を見る限り、ジャンルによって評価が優しかったり厳しかったりすることはないようです。


 次にブックマーク数と評価点を見てみましょう。ジャンル毎の割合は千差万別ですが、ブックマーク数と評価点の項目を見比べてみると、たまにブックマーク数の割合が評価点の割合の半分以下になっているジャンルがあります。具体的なジャンル名を言いますと、文学・ホラー・童話・詩・エッセイですね。特に詩は22分の1と極端です。

 理由を考えたところ、思い当たる節がありました。そもそも、小説をブックマーク登録することと評価することは違います。ブックマーク登録しかしない読者もいれば、評価しかしない読者もいるでしょうし、両方する読者もいるはずです。つまり、数値の変動に直接関連性がない項目同士なのですから、差異があって当然ということです。


 それならば、どうして関連性の薄いブックマーク数と評価点についてわざわざ説明したのかと言いますと、どちらも総合評価のポイントを算出するために使うからです。具体的には、「ブックマーク数×2+評価点=総合評価(総合得点)」でしたよね。ですから、お互いの数値の変動に関連性はなくても、無関係ではないんです。

 そんな微妙な関係の両項目ですが、ブックマーク数と評価点のうち、どちらが総合評価のポイントへの影響が強いのでしょうか? それはブックマークの方が強いです。表の総合得点の割合とブックマーク数および評価点の割合を比較してもらえたらわかりますが、どのジャンルも明らかにブックマーク数の数値に総合得点の数値が引きずられていますよね。そのため、高ポイントを狙うならば、どうしても多くの読者にブックマーク登録をしてもらう必要があります。


 ちなみに、評価点の割合に比べてブックマーク数の割合が低い原因は、ある程度推測できます。恐らく、小説1つにおける話数が多いほどブックマーク数が増え、少ないほど減るのではないでしょうか? 先ほど上げた文学・ホラー・童話・詩・エッセイは、私の完全な印象でしかないんですけど、ひとりの作者が短編小説を多数発表してるんじゃないのかなと考えています。そうしますと、お気に入りの作者がいた場合、多数の短編小説をひとつずつブックマークするよりも、作者をお気に入り登録してしまえばいつでも好きな小説(あるいは詩)を見ることができます。逆にファンタジーと冒険のジャンルはブックマーク数の割合が高いです。こちらは先ほどの4ジャンルに比べて小説1つあたりの話数が多そうですので、直接ブックマーク登録した方が見やすそうですよね。

 そうなりますと、実はブックマーク数の割合が低調な4ジャンルの評価は正しくないのかもしれません。作者がお気に入りされた場合も点数化されたら、意外に総合評価のポイントに大きな変動があるかもしれませんね。




 今回は、総合評価・ブックマーク数・評価点・評価者数の4項目を中心に分析してみました。何かと気になる総合評価のポイントですが、ブックマーク数の影響を強く受けているということがわかりました。何となく気付いていた人もいらっしゃるでしょうが、私としては数値で裏付けられたので満足しています。

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