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第八話

「はぁー……疲れた」


 僕は自室のベッドに寝て、天井を見上げながら今日一日のことを思い返した。




「―――みなさん、この順番で異論はないですね? それでは、最後に一番くじを引いた『ゲルダーツ』さんから一言いただきましょうかね」


 結局、1番くじを引いたのはRPGゲーム『クエスト×クエスト』出身の『ゲルダーツ』さんだった。


 『クエスト×クエスト』というゲームはかなりマイナーなゲームらしく、僕を含めほとんどの人がゲルダーツさんのことを知らなかった。


「みなさん、すいません。私なんかが一番を引いてしまって……。みなさんの番の時は一生懸命お手伝いさせて頂きます。ですから、今回は少しだけ、私に力を貸していただけるとうれしいです」


 それでも、その言葉から、その姿勢から、ゲルダーツさんが正真正銘のいい人であることがわかったので、僕らは純粋にゲルダーツさんの復讐を応援したいと思った。


「ゲルダーツさん、ありがとうございました。それでは、今日の“復讐の会”はこれにて終了です。次回は、1週間後に再びここに集まりましょう。そこで、最初の復讐の作戦をたてようと思います。ですので、1番に復讐をすることになった『ゲルダーツ』さんは、復讐の内容を考えておいてください。復讐の形は人それぞれです。あなたの気持ちが晴れる、一番の復讐を考えてください。でわみなさん、気を付けて帰ってくださいね」


 ガンモドキさんの締めのあいさつと共に、第1回“復讐の会”は終わり、集まった人々はぞろぞろと会場を出て行った。僕も人波に乗って帰路に着こうと思った時、キャンディーさんに声をかけられた。


「タカシ、アドレス交換しよ!」


「あ、はい」


 僕は携帯電話を取り出して、キャンディーさんとメアド交換をした。


「それじゃ、またね! チュ!」


「え、ええ!?」


 キャンディーさんは無邪気に笑いながら僕の頬にキスをして、走り去って行った。キャンディーさんにとってはただのあいさつだったのだろうけど、僕はもうびっくり。


「あぁ、夕方でよかった」


 僕は世界を赤く染める夕日に真っ赤な顔を隠しながら、ふわふわとした気持ちのまま家路に着いた。そして、風呂に入り、飯を食い、今に至る―――




「はぁ……復讐かぁ」


 僕は“3番”と書かれたくじを見ながら、静かにため息をつき、眠りに着いた。





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