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~プロローグ~
よく、ドラマを見ていると、凄くいい人なんだけど、主人公に振り向いてもらえずに、最後にはライバルと主人公の恋を祝福してしまう。そんなおバカさんっていますよね。そのいい人に焦点を当てた小説です。
~プロローグ~
『幸せに、なってね……』
これが、僕の最後のセリフだった。
『ありがとう』
彼女はそう言うと、父の仇であったはずの男と手を繋ぎ、走り去っていった。
涙で滲む彼女の後姿はぼやけていて、やけに綺麗で、一枚の写真のように僕の心に残っていた。思い出になんかしたくなかったのに……もうそれは、思い出だった。
涙が視界を塞いだ次の瞬間、僕はこの”世界”に生まれた。そう、ここは終焉を迎えた物語達が集う世界、通称『ぶっくおふ』
本当の物語は、終わってから始まる。作者の意思の届かない、僕の第二の人生が今、産声を上げた。




