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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
天才編
98/122

ドクター

…皆様

もしかしたら読者の方にも就職活動中の方がいらっしゃるかもしれませんが


絶対にブラック企業に入らないようにした方が良いです

20連勤とかを許す会社は駄目!絶対!!


作者との約束ですよ

2分

それが銃弾が後頭部に突きつけられて硬直している飛影の残り時間である

できることはただ一つ


(とりあえず、どうするか…常に魔力を全開にするようにしても、銃弾を防ぐために必要な魔力まで高めるとすれば、0.05秒程度…だけど微妙だな~なるべく全力で回避しながら魔力を解放すれば脳までは傷付かないのかな…)


高速思考でどうすればよいかを考えるだけ

災厄として生まれた飛影の心臓は機能していない

飛影が生きるのに必要なものは脳だけ


逆に言えば脳が損傷すれば飛影の命は無くなる

再生力も一般人と比較すれば骨折が1日程度で完治するが、さすがに脳が損傷すれば再生は不可能


余裕そうにしてしているが、かなり絶体絶命の大ピンチである。


(しかし、まぁ運任せってとこでいいかな…多分死なないだろ)


ただひたすら飛影は待っていた

他の通行人からはピクリとも動かない飛影は注目の的であるが、誰も飛影が命の危機ということには気付かない


そして、あまりにも短すぎる2分は過ぎていった


「っ!!」


自分の魔力を解放できるようになった瞬間に、止まっていた弾丸が再び動き始める

魔力が展開される前に、次々と突き破られ飛影が頭を逸らしながら回避しているが絶対的な時間が足りない


(くっそ!まじでこの魔力じゃ辛い!!…これはどうしよう…)


時間にして0.01秒程度

脳まで弾丸が突き刺さった


「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ギリギリ脳まで弾丸が届いた瞬間に、魔力が一定ラインを超えた


《炎舞・弾丸消去》


脳という防衛ラインで弾丸を食い止めた飛影は弾丸を焼却

その場でゴロゴロと転がり始めた


当然ながら周囲はどこか冷めた目で飛影を観察し、小さなお子様に対しては親が「見ちゃいけません」と注意されていた

更に当然ながら飛影は一般人という有象無象については興味がないため、自分の世界に入っていた


すぐさま、自身の状況を確認

戦闘するのに不可能な損傷ではない


「いてぇぇぇぇ!!…さすがに死ぬと思った…やばいってこれ…視界がゆがむ…って言ってもそんな余裕は無さそうだけどな」


高速思考で考えていた推測

飛影は自身の影を見る


そこには、アスファルトを貫いている釘があった


(影使い…あの女だな…釘か何かで対象の影を固定することで発動…おそらく効果は固定した影の対象の束縛と変動を禁止する…だから弾丸が止まった。動かすことができなかった…厄介ではあるが敵じゃない…もう一人は身体の硬化…彗の魔法よりも遥かに格下…硬化の程からいってただの反則級、絶対強者級には届かない…全員殺そうかな…面白かったら生かしてやるのもいいかもしれないな)


感覚を広げて咲と杏の魔力を察知


《風華・加速》


その場で跳躍し、風で足場を生成

周囲の目を気にせずに飛影は跳んだ


================================================================


飛影が停止しているころ

咲と杏もピンチであった


3台の車

およそ8人ほどから銃口を向けられている


そして、メルティとゴウライ

飛影を殺しかけた者たちの仲間であるドクターがいる


「まぁ…いい。肉塊に変えてやる」


咲が僅かに首を振る


「!!?」


ドクターが危機を察知して上に跳躍

その瞬間、咲の義眼から高出力のビームが放たれた


車を初めとした8人を真っ二つ

ドクターのみ右足を切断という結果になったが、すでに戦闘力は皆無であろう


自動拡張操作全方位捕捉義眼 K004

杏の作成した兵器の副産物である


およそ、1GJの出力で放たれる一撃

難点として一度放つと10分ほど義眼が使用することができなくなる


「ふぅ…お嬢行きましょう」


全て片付けた咲は杏の手を取り、先に進もうとする


「流石!咲はやっぱり強いわね!!!!」


若干興奮気味な杏


「今のは予想外だったな…死ぬかと思ったよ」


「っ!?」


それは、右足を切断されたはずのドクターの声

銃を構えながら振り向くと、そこには五体満足のドクターが立っていた


「あぁ…倒したと思ったかい?…残念だったね」


ズボンには切断された後がある

しかし、そこから見える生身の箇所には傷が見当たらなかった


(…何が起きた!?あの一瞬で…確かに切断したはずだが再生している…)


「…ヒエーと同じ存在ってことね」


魔法使い

こんな物理法則を完全に無視できるのは天才である杏の知識にも一つしかなかった

ゴウライも飛影と同様に魔法使いであった


ならば、ドクターも同様である


「…なら、再生しなくなるまで殺し続けるだけだ…」


咲は躊躇無く発砲するが、弾丸はドクターに辿り着く前に切り落とされる


「っ!?」


「さて…レガシー博士、今貴方が私たちとともに来るというのならば、二人とも傷付かずに済みますがどうしますか?」


魔法使いという未知の存在

弾丸ですら正面から切り落とすモノ


「…」


一瞬だけ考えてしまう杏

魔法使いとして知っているのは、飛影達だけのため咲では勝ち目など無いことが理解できてしまう


「断る!」


ドクターの要求に対して返事をしたのは咲であった

全ては杏を護るため

自由に好きなことの研究をさせるため


杏に救われた咲にとって、杏は何よりも優先することである

2丁の拳銃を構えてドクターへ向けて回避できる隙間を与えずに、放とうとする


「じゃあ…しょうがないね」


弾丸を放つ直前に、ドクターが指先を僅かに動かす


「…ぇ?」


ただそれだけの動作

高速思考で考えるよりも先に、咲の下腹部が大きく切り裂かれた


「…咲!!!!!?」


「…逃げて…ください…お…じょ…ぅ」


トリガーを引く力さえ残らず、膝から崩れ落ちて倒れる


「咲!!咲!しっかりしてよ!!」


駆けつけて咲を抱き起こす杏

出血を抑えるために、白衣を破いて傷口に当てるが傷が深すぎる


「その護衛を助けたいのであれば、一緒に来てくれませんか?」


悪魔のささやき


「私は少し特殊でして、右足を直したのもそれのおかげですが、それを使えばその子を助けることは可能ですよ?」


「…」


確かにドクターは自身の右足を治している

捕まっても結局はその国の為になるような研究をするだけである


「お…嬢…だめで…す」


呼吸するのも辛い咲の制止


だが、杏の中で選択肢は決まっていた

選択するまでも無かった


「あんた達と行くわ…だから、咲を助けて!!」


「ありがとうございます…」


その一言だけが聞きたかったドクターは、僅かに笑みをこぼし咲に近づく

タイミング良くゴウライとメルティを乗せた車が止まる


ドクターの右手が緑色の光を放ち、咲の傷口をなぞる

ただそれだけであった


いつも通りの手順

それだけで、咲の傷は治る

何も変わらないいつもと同じドクターの魔法


ゴウライが車から降りて杏の腕をつかみ、車へと乗せようとする


「うぁ!!ああぁぁぁぁぁ!!!!」


治療のはずであった

ドクターもそのつもりであった


「咲!!?」


いつも通りであれば、すぐに傷が塞がるはずであった

しかし、咲の傷は塞がることは無く血が噴出した


咲の悲鳴と杏の悲鳴

ドクターですら、驚愕の表情を浮かべ


爆発が生じた


「…殺す」


魔界の魔王

ドクター、ゴウライ、メルティは知る由もない世界を気まぐれで破壊できる実力者である絶対強者級

人から怨み妬まれ誕生した災厄の子供


血に塗れた咲を見て、ゴウライに連れ去られそうな杏を見て飛影の怒りは頂点に達していた


「…雨を降らすな…これ以上……」



残り2話でこの章は終了ですかね

意外と長かった気がします




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