表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
天才編
94/122

生放送開始


いつも通りに更新が遅くなると思われた方、恐らく大半いらっしゃると思いますが、

読者の方の斜め上を目指す作者は常に予想外になりましょう!!


作者もテレビに出てみたいものです。



飛影達がいる大陸ではない場所

海外のどこかにある落ち着いた雰囲気の喫茶店


普段は常連客で席が埋まるのであるが、今は貸し切りと看板に出しているため、店主一人しかいなかった

店主は、白髪に眼鏡を掛けていて30代前半、店の雰囲気と似たように落ち着いた雰囲気がある

顔は整っており、高身長にやや痩せていて線が細い

店主がカップを拭いていると、来訪者を告げるベルの音が店に響く


「うぉっすドクター」

「元気してるー?」


そんな貸し切り状態の店に二人の男女が馴れた様子で扉を開いてカウンター席に座る

男は私はゴリラに育てられたと言われたら納得してしまう程の巨漢である

身長は二メートルを越えており、腕はドクターと呼ばれた店主の腕と比較すると二回り以上太い

20代後半といったところであろう


女は、モデルよと言われたら納得してしまう程に、170センチ程の高身長でブロンドの髪と美しいという形容詞が似合うであろう。顔も整っている


男と女が並ぶと美女と野獣という表現が似合っていた


「久しぶりだね、調子はどうだい?ゴウライ、メルティ」


巨漢の男は、ゴウライ

モデルの様な女は、メルティ

そして店主はドクターと呼ばれている


来る時間はわかっていたので、二人が席についてから30秒程度でコーヒーが注がれる


「調子もなにも、仕事がねぇ!!」


「私も同じー、でもドクターが私達を呼んだってことは仕事よね?」


国家特戦部隊

国が非公式で作った特殊部隊

それに三人は所属している


国からの依頼がこない限りは、プライベートは自由である

そのため、仕事が無ければニートなのだ

ドクターと呼ばれている男は趣味で喫茶店を経営しているため、何も問題ないが、ゴウライとメルティはニートである


「さすがに察しが良くて助かるよ、今回の任務は要人の拉致だ」


一枚の写真を懐から取り出して、二人の間に置く


「んだよ!拉致かよ…護衛とかいねぇのか?」


「子供じゃん…」


文句は言いつつも、仕事として写真を確認して人相を記憶する


「護衛は一人いるそうだ」


ドクターはもう一枚写真を取り出して見せる


「今回の任務は、要人の拉致…要人に傷ひとつ付けることは許されない…世界最高峰の天才だ…扱いには気を付けろ」


「了解だ!」


「んじゃまー日本に行こうかー」


立ち上がり、準備を始める

最後に証拠となる満面の笑みでピースしてる杏の写真と呆れた表情の咲が写っている写真を燃やす


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


「おい杏」


「なにー?」


飛影がテレビ出演のことを即答でOKと答えてすぐである

ちょっと待てとさすがに止めたダドマ

安全に無事に終わるとは思えないのである


ダドマが呼び止め、飛影がOKしたことにニコニコと満面の笑みで振り返る


「そのテレビ出演について、洗いざらい情報を吐け!じゃなければ絶対に飛影を出すつもりはない!」


生放送でなければ、まだ記憶の改変は楽であり、更にローカルであれば幾らでもダドマであれば揉み消せる


「フジテ◯ビの19:00からやる生放送の番組で、オカルトvs科学な対決番組かな、それで余興として私の護衛がK1の世界王者と戦うんだけど武器なしだしリングだから咲に不利だし、ヒエーなら楽勝かなって!あとは私が公に出るのは初めてだから護衛の強化ってところね」


一通り説明を終えた杏

ダドマは今の説明を反復する

フジテ◯ビ

19:00のゴールデン

生放送

K1王者との戦い

一つ頷いた


「一つとして許容できねぇことばっかりだよ!!!」


まさしく最悪である


「えー!いーじゃん減るもんじゃないし!」


「そーだぞ!テレビに出てみたいんだ!!」


我が儘な天才と我が儘なアホの発言

ダドマとしても、恐らくそれは楽しいであろう

だが、天秤にかけると面倒ごとになりそうだという<予勘>の方が勝っている


「…そうだな…今から言う条件を守れるならいいぞ」


だが、やはり魔王としての性か、面白そうなイベントは見逃せない

そのため妥協案である


「どんなだ?」


「一つ、絶対に顔を晒すな、二つ、声を出すな、三つ、殺すな、四つ、常に方舟の許可を出してろ、五つ、魔力は使いすぎるな…これがその日一日守れるなら許可してやろう」


顔と声を出さなければ、記憶を消すときに楽であるし、殺しはそもそも論外、最悪方舟を使えば良いし、魔力は使いすぎなければ問題ない。逆に魔力は使えなければダドマ的にも面白くないのである


「了解だ!」


それなりに縛られるわけであるが、やると決めた飛影の返事は勿論速かった


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


そして当日である

飛影の屋敷は軽く宴会のような雰囲気であり、優希が飛影に頼み込み100インチの超巨大テレビを購入

ブルーレイディスクによる録画準備は万端である


開始10分前


メンバーは、

椿、

黒鋼、

優希、

リタ、

アンジェレネ、

シーレイ、

静紅、

といういつもの面々に

ダドマ、

ギルギア、

彗、

秋野とやはりいつもの面々が揃っていた

彗と秋野が以外は当然ながら既に飲酒済みである


今回のイベントに重要なファクターは椿であり、その手にはマイクが握られている


「しかし、あれね……君…なんて」


緑茶ハイを緑茶のように湯飲みで飲んでいる静紅

ふとぽつりと呟く


「どうしたんですかぁ?」


たまたま隣にいた優希の耳に呟きは微妙に届く


「なんか…ちょっと嬉しいわね~って思っただけ」


飛影が生放送に出るということだけで、集まって宴会が開かれているのである

昔を考えると想像できないことである


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


本番三分前

出演者が位置について準備する中、カメラの裏側である観客席の近くに飛影と咲が並んで立っていて、杏が色々と飛影に教えていた


既に飛影はいつもの黒いコートを着用し、深々とフードを被っている。

顔は出ないが自分も見えないだろうレベルである


その隣の咲はいつもの様に黒のスーツを着て、周囲を警戒している


「よし!!さすがね!!私と咲しかわからないハンドサインをこの15分でマスターするなんて!」


話せないのであれば、意思の疎通ができるようにと、杏が暇潰しに開発したハンドサインを教えていた

興味があることにはアホな位の記憶力を発揮する飛影

日常会話レベルは既にマスターしていた


「よし!それじゃ行くわよ!!」


残り一分

杏は所定の席について、その左後ろに咲が、右後ろに飛影が立ったまま待機する


他の者も準備は万端である

そして時刻は18:59:57


18:59:58

杏は満面の笑み


18:59:59

咲は周囲を警戒しながら飛影を睨み


19:00:00

表情は見えないが、飛影はニヤリと笑い


放送が開始される



さて

次話はまるまる一話テレビの予定です。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ