魔法×天才×高速思考
なんとか2週間以内?に投稿できました!!!
「炎・風・光・翼・水・空間跳躍・重力・壁・大気に亀裂・速度停止・強化・集めて固める・そして世界創造…」
杏に片っ端から魔法を見せた結果である
顎に手を当ててぶつぶつと呟き始めてかれこれ三時間が経過していた
見せ終わった後は各自勝手に行動している
基本フリーダムな面子である
今飛影の屋敷にいるのは、
突っ立って呟いている杏
飛影達にと作成している煎餅を作った瞬間に食べられている優希
作った瞬間に食べているダドマ
作った瞬間に食べている静紅
ソファに座り黙って前方を睨みながらお茶を飲んでいる咲
ソファに座って睨まれながらお茶を飲んでいる飛影
そして、高速思考について教えているギルギアとリタ
教わっているが、ギルギアもリタも感覚派なためさっぱり理解できていない彗と秋野がいた
他は優希の代わりに買い出しに行っている者や、ショッピングしている者、日向があり気持ちよく眠れそうな場所を開拓している者など、飛影の屋敷には自由人が多かった
「そういえばなんで咲は義眼なんだ?」
さすがに睨まれるだけでは居たたまれなくなった飛影は咲と会話しようと声をかける
「…何故お前に言わなければならない」
「それもそうか」
会話終了
「全然理解できないわね」
集中が解けたのか、杏はため息混じりに咲の隣に座るとお茶を啜る
「休憩か?まぁ根を詰めすぎてもよくないからなー」
お茶菓子を勧める飛影
「?まだ考えてるわよ?…私は基本的にマルチタスクだから」
「マルチタスク?なんだそれ?」
アホで馬鹿な飛影であるが、頭は悪いわけでもなく、実際のところ記憶力に関していえば興味があることに関しては良すぎると言っても過言ではない
しかし、そんな飛影でも知らないことは知らない
魔法に関してであれば、大体のことは知っているが科学のことはさっぱりである
人間界であれば、当然の言葉である携帯電話ですら知らなかったのである
当然のことながらマルチタスクなどは知らない
「…そうね、言葉の意味としては、1台のコンピュータで同時に複数の処理を並行して行うOSの機能のことを言うんだけど…」
杏は説明を止めた
飛影の表情がコンピュータ?オーエス?という表情になったからである
「…コンピューターは計算機、OSは…」
杏の説明が始まった
「理解できた?」
30分後
あらかたマルチタスクから関連した用語の意味を説明した杏
「…バッチリだ」
興味のあることに関してであれば、記憶力が良すぎる飛影は一言一句記憶した
「まぁ統括すると、普段使ってるのが大体200くらいの思考で考えてるんだけど、199くらいの思考で魔法について考えてて、残りの1は今使ってるから問題ないってことよ」
同時思考
純粋に高速で考える高速思考とは違う思考法である
同時思考は同時に複数考えることができる
杏の言う200とは、200種類を同時に思考できるのである
簡単に説明すると、杏の脳内には200人の杏がいてそれぞれが別々に思考することができるのである
(話で聞いてたレベルだが、本当に使えるのがいるとはなー)
飛影の読み通りに天才である杏
しかし、飛影の読み以上に天才である
「それでヒエーが気になってる、その義眼なんだけど名前は自動拡張操作全方位捕捉義眼でK004よ!!五年くらい前に作ったやつで、人の生体電流を使用して動作して、通常の視界を脳に届けられるし、意思ひとつで衛星を使用した全方位を認識もできる優れもの!!…更に眼からビームも放てるわ!!出力は1Gジュールだから物足りないけど」
ウヘヘヘと満面の笑みを浮かべる杏
1Gジュールは雷よりは少し弱い程度の威力である
眼球程度の大きさでどこまで高性能なのかは天才のみが知る
「…杏って今幾つ?」
外見は完全に子供で13~14歳程である
「14歳よ!」
9歳の頃に作ったということである
「いやー規格外だわ」
さすがの飛影でも予想外である。
だが、何故秋野の位置が見切れたかの謎は解けた。
飛影としては気配を察知したのかと考えていたのであるが、全方位を認識できるのであれば目潰しの意味がない
「う~ん、私としてはなんでヒエーがそんな無知なのかが気になるんだけど…今時コンピュータもわからないなんて」
この人間界の中で杏よりも頭が良い生物は存在しないであろう。
しかし、それでも人間界で生きてきたモノであれば常識レベルの用語が理解できていないのはおかしい。
ということが杏の判断である。
もう少し飛影と会話していれば、おのずと異世界の存在を認識できてであろう
「だって俺この世界の出身じゃないし」
「はい?」
杏としては耳を疑うような言葉が聞こえる。
だが、詳しく聞こうと詰め寄ろうとしたところで、玄関の扉が開く
「飛影、彗さんと秋野さんに高速思考の叩き込みが終わりました」
良い笑顔でリタが入ってきたのである。
その後ろにはギルギアもいてちらりと飛影の視界に入ったのは外で地面に倒れている彗と秋野の姿があった。
「もう習得できたのか!?」
ものの数時間で習得できるほど高速思考は簡単ではない。
飛影達はもともと習得していたが、本来であれば1年2年の月日は必要である
「基礎は叩き込んだつもりです。後は彼等次第ですね」
ニッコリと笑うリタであるが、外にいる彗と秋野との温度差がありすぎている。
しかし飛影としても彗と秋野の成長は興味があるものでふらふら~と外へと飛び出す
「ちょっ!?この世界出身じゃないってどういうことよ!!?」
科学者として知らないことは全て知りたいと考えている杏は詳細を聞こうとするも、既に飛影の中では彗と秋野のことしか考えられていない。
しかし、杏も無視するわけにはいかないため、飛影は立ち止まりリタに対して親指を上げてグーサインを向ける
要約すると、リタよろしく!である。
「了解しました」
丸投げされたにも関わらず、リタは考えもせずに即答で頷いた。
飛影が外に出るのと同時に、咲も立ち上がり後をつける
「ん?咲はどこ行くの?」
珍しく杏から自身の意思で離れる咲に声をかける
「少し興味がありまして…」
グラウンドで飛影が見せた一撃
魔法などよくわかっていない咲であるが、あの力の元は知りたいと考えていた。
「へ~!」
咲のその言葉に驚きつつ笑顔を見せて咲を見送る。
杏としてもリタから受ける他の世界の説明を聞かないという選択肢はありえない。
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「良し!!!さぁ彗と秋野!!さっそく組み手だ!!!!」
地面に突っ伏している彗と秋野の目の前に飛影が移動してコートを脱ぐ
「…」
「…」
しかし、返事はない
そもそもとしてピクリとも動かない
「…彗~?あきのーん?」
再び呼びかけるが返事はない
「…」
飛影は彗と秋野をよく観察する
魔力は何も変わらない
呼吸も安定している
目を瞑っている
(あれ?これもしかして気絶してないか?)
何が起こったのかまでは把握していない飛影
試しに彗の目の前で手を振ってみるが反応はない
「…」
秋野にも同じことをするが反応も同じである
《風華・搬入》
飛影は風を使って彗と秋野の体を運び、とりあえずで念のため用意していた彗と秋野の部屋まで吹き飛ばす。
無言のまま、咲を避けて玄関の扉を開けてキッチンを目指す
「おいこらババア!!」
キッチンには目的の人物であるギルギアが煎餅を食べながら、お茶を啜っていた。
NGワードであるババア呼ばわりで、一瞬にして沸点まで達するギルギア
「なんじゃクソチビ?殺されたいのかのう?」
「あぁ!?どっちが死ぬか試してみるかオイ!!」
殺気が溢れ出し、魔力を同時に解放する
「ここでやるな!!許可寄越せ!!」
《方舟》
屋敷の中でバトルが始まると手がつけられない為、ダドマは二人を壊しても良い世界へと飛ばす
「今日も平和ですね~」
「そうね~」
そんな様子を横目に煎餅と緑茶で和んでいる優希と静紅
彼女らにとっては、誰が来ようともこの程度はハプニングではなく日常茶飯事であった。
彗と秋野は悲惨な目にあいましたが一応は無事です