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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
天才編
91/122

天才科学者


更新がホントに最近遅いですね。

いったいどうなってるんですかね。


はい、誠に申し訳ありません。



「…お前、何人殺した?…臭いぞ」


咲は最初に見たときには、

何かおかしいという感覚を覚えた

飛影の発言でガキだと判断した

対峙すると、何人、何十人と殺してきたかのような血の臭いを感じた


「あれ?俺臭いする?」


感じたのは嗅覚ではなく、第六感である

飛影は自分のコートの匂いを嗅ぐが、常に炎による殺菌消毒をしているため、そんな匂いはしない


「…まぁ、質問に答えると5(百万人)は超えてるかなー」


国をいくつか滅ぼした飛影として、具体的な数は覚えていないが大体その程度だと考えた飛影


「5(十人)か…今まで以上に本気でいかせてもらう」


咲も50人ほどは殺しているため、自分と同程度殺していると勘違いをしているがその間違いには誰も気づかない

咲はおおよそ魔力を扱えない人間の中でも最速で無駄な動きを一切せず、飛影に向けて狙いをつけて発砲


「おっと!」


飛影は魔力を解放せず、普通の人間と同程度の魔力である

だがそれでも問題はない

胸の中心部を狙った弾だが、咲が発砲する前に左にずれていため、銃弾がかすることすらない


「いやーその歳で高速思考ができるとは…関心関心!」


飛影の動きにあわせて照準を変化させて放つが飛影は一定の距離を保ちながらゆるりと回避する


「…そういえば、飛影が言ってた無鉄砲ってどういうことだ?」


彗も秋野もただ突っ込んだのではなく、きちんと考えて隙をついての攻撃をしたはずである

秋野は目潰しからの攻撃であるため無鉄砲というのは表現が違う。そんな気がした彗は隣にいるリタへと声をかける


「それは言葉通りだと思いますよ?」


何を当たり前なことをとリタはあっけらかんと答える


(あっ…リタは教えるのが苦手なタイプだな)


説明や解説は得意なリタであるが、教えるのには向いていない

理由としてはなぜわからないかがわからないからである

俗に言う天才型である


「ようは、行動しながら考えていないんじゃよ」


ギルギアが珍しく助け船を出す


「…口で説明するのは難しいの」


「そんな時はこいつを使え」


銃弾を避けながら飛影はポケットからイヤリングを五つほどダドマに投げる


「なんだこれ?」


「マジックアイテム!受信用だから付けといて」


テレパシーの能力をもつマジックアイテム

送信用のイヤリングをつけた者の思考が受信用のイヤリングをつけた者に伝わる効果を持つ


言われた通りにイヤリングを付けて、全員が付けたことを確認した飛影は送信用のイヤリングを付ける


(はろー)


「っ!?」


頭のなかに直接飛影の思考が届く


(感度良好!したらば戦闘開始)


飛影は笑みを浮かべて、真っ直ぐ突撃する

それに反応した咲も構えて発砲する

今まで撃った弾は全てかわされたため、直撃するとは考えていないが、威嚇の意味を込めている


(さてと…彗と秋野のために反射じゃなくて、しっかりと思考して動こうかなっと、視線を確認、肩の筋肉はさっきと同じ動き指先動いて…よし、斜線から外れるように移動してからはい、撃った!高速思考なんて用はこんな風に高速で思考して相手の一挙一動を読むだけなんだよねー、だから彗と秋野も慣れれば簡単簡単!あとは反射で戦うことも接近戦タイプだったら必要だし、まぁそこら辺はおいおいかな、とりあえず今は高速思考がどんなものかを知るだけでいいよ、はい銃弾が通り抜けた)


咲が構えて銃弾を発射して飛影に届くまでの1秒にも満たない時間で飛影が思考した声は彗達の脳裏に直接届いていた


「なにあいつ…今までこんな考えてたのか!?」


「さりげなく説明までされましたね!」


(へ~、このマジックアイテム便利だな…高速思考も翻訳されるのか)


彗と秋野の反応を見たダドマは物欲しそうにイヤリングを見る

普通であれば、飛影の思考は高速になっているため同じく高速思考ができるものにしか理解できない言語になる筈であるが、受信用のイヤリングには理解できるようにして受信しているのである


(ちなみにだけど、この咲って子も高速思考は使えてるし、秋野の目潰しが聞かなかったのは、多分左の金の眼は義眼だな…とりあえず、覚醒者とかなんか面白そうな言葉が聞こえたし、後ろの金髪も面白そうだし終わらせるかな~)


飛影は一メートル以内まで接近

遠距離では当たらないが、近距離なら当てることは可能であると考えた咲は二丁を両手に持って近距離戦を受け入れる


(…)


思考を伝える送信用のイヤリングを付けているが思考は送信されていない

側面に回り込んだ飛影の迎撃に咲が腕を僅かに動かした瞬間に咲の視界が反転した


「なっ!?」


そのことに気付けたのは飛影に脚を掴まれてからである

飛影はそのまま咲を投げる


「くっ!?」


ダメージはあまり無いが、衝撃で一瞬硬直する


「はい、終わり」


その上に馬乗りになった飛影は僅かに魔力を解放して、思いきり殴り付けた


>>>>>>>>>>>>>>>>>>


「さて…あんたの話を聞こうか、とりあえずは覚醒者ってのとあんなことしてた理由かな」


飛影の僅かに魔力を解放して放った拳は半径30メートル程の範囲にクレーターができた程度の威力であった

ダドマに受信用のイヤリングと引き換えに修正してもらい、今は全員が飛影の屋敷にいた


「思考を絶やさなければ良いんじゃ」


「意味がわからないんだが」


「…物思いに耽ってると時間がいつの間にか経っている時のような感覚です」


「え?え?どういうことですか!?」


彗と秋野は、高速思考の練習方法をギルギアとリタから学んでいる

だがギルギアもリタも感覚派なため、上手く説明ができていなかった


「…ふむ、どうしたものかの…」


「実践あるのみだと思いますね」


《グラビティ・連行》


「うぇ!?」


「だからなんでお前らは強制的にやらせるんだよ!!」


秋野と彗の身体が浮いて、外へと飛んでいく

その後ろを悠々とギルギアとリタが追いかける


「その前に自己紹介ね…私は杏・フランブレジ・レガシー、(きょう)でいいわよ。それで後ろにいるのが(さき)私の護衛よ」


何やら上機嫌そうに笑っている杏と飛影を睨み付けている咲

飛影の面白探知に引っ掛かったため、最後の一撃は咲の身体を避けて地面を殴り付けたのである


「俺は飛影だ、んでこっちがダドマ…ってあれ?いない」


先程までは飛影の隣にいたダドマであるが、忽然と姿を消していた

理由としては優希がお菓子用に作成していた煎餅の匂いを察知したためである

既にダドマはキッチンに乗り込んでおり、同じく察知した静紅と並んで緑茶と煎餅を満喫していた

まぁいいかと、飛影は切り替えて杏に向き直る


「んで覚醒者ってのは?」


「簡単に言えば、人知を越えた者かしらね。私は科学者なんだけど、色々と実験してたら全く同じクローンであるにも関わらず、強度が違う個体になることを発見したわ、それでその違いはなんなのかを追求してたら今まで発見されたことのない力?っていうのかしら、それが違うのよ…それでその力を察知する機械を作ってみたら人間でも力の強弱があるみたいだから、一定水準を越えた力を持つものを覚醒者って名付けたわ」


(ん?)


「…なんであの高校に来たんだ?」


「その機械を取り付けて衛生飛ばしたら、ここが一番多かったのよ」


(ちょっと待てよ)


「その力ってこれのことか?」


飛影は再び魔力を僅かに解放

杏の手にある機械がまた音を鳴らす


「そうそれ!!」


「…」


(こいつ、魔力を探知する機械を造ったのか!!?)


杏の魔力はそこまで高くは無い、一般人よりは少し上程度である

そして年齢もまだ見かけ通りであろう

それにも関わらず、全く別の回路を持つ存在である科学で魔法の源である魔力を探知することを可能とした


「…天才だな」


「でしょ?当然よ」


あっけらかんと笑う杏


「それで、俺らとかを見つけてどうするんだ?」


「新しい技術のために協力をお願いするわ!」


「いいぞ」


やはり即答する飛影

利害は完全に一致している

杏は新しい技術のために、飛影は面白そうだから


「えっ!?ほんと!?そういうのって秘匿な技術とかだと思ってたからお金は持ってきたんだけど…」


「見返りはいらない…あーでも秘匿なのは本当だから公表とかはあんまり」


飛影としては別に問題はないが、ここは魔界でなく人間界である

決定権はダドマにある


「そんだけでいいの!?」


「逆に公表できないけどいいのか?」


飛影の言葉にふふんと笑い指を一本立てて左右に振る


「私は科学者よ!!自分の知的好奇心が満たされれば充分!!というよりわからないことがあると、凄いキモチワルイのよね!」


「ふむ…理解した。…じゃあ宜しく杏」


眼を見ればその言葉に嘘偽りが無いことの確信を得た

立ち上がり右手を差し出す


「こっちこそよろしく!ヒエー!!」


魔界の魔王と人間界の天才科学者

二人の手が固く結ばれる


ようやく杏と知り合えました

気持ち長かったです


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