再会と天才の影
ってなわけで、更新遅くなりましたが
投稿です。
…ハチャメチャみたいに年始年末投稿しようか迷いますね~
見てみたいという方は、感想いただければ…と思います。
もし頂くという光栄な大事件が起きましたら執筆させていただきます
『ただいまー』
飛影達が海から帰宅
誰も屋敷にいないことはわかっているが、挨拶は基本だという飛影の意見により例え、いなくても行ってきますやただいまは必要不可欠なのである
「あら?お帰りなさい」
しかし、誰もいない筈の屋敷だったが返事があった
『っ!?』
一斉に声がしたリビングのソファに意識を集中させて臨戦態勢を取る
感じる気配は絶対強者級
そして、友好的とも敵対的とも言えぬ気配に戦闘できない椿と優希は瞬時に絶対強者級の後ろに下がる
しかし、そんな中飛影だけは、特に警戒もせずにソファへと近付く
「おう、久しぶりだな静紅。メリアで会ったとき以来か?」
「そうね。そのくらいかしら?変わってないわね~」
50年以上の月日が経ち、災厄と化物が再会する。
静紅の容姿は飛影と同じく変わっておらず、身長は160cmほどで外見が18歳程
黒く腰まである髪に、着物を着ている
ニコニコと笑う静紅は50年以上前にメリアで再会した時とまるで同じであった
「あっ!!打ち上げでいた人ですよね!?」
「あら?ふふ…お久しぶりね」
神々との戦いに勝利した後の打ち上げで道を聞かれた少女だとアンジェレネが気付いて声をあげる
「え?いたの?気付かなかったぞ」
飛影としては全くの初耳である
いたことにも気付かなかった
「クロイツ使っていたからじゃないかしら?最初は飛影君がいるとは思わなかったもの」
魔力を込めて割ることで、その込められた魔力を隠蔽することができる魔法道具である
効果時間は10分しかなのが特徴だ
「飛影とどのような関係なのですか?」
飛影の補佐となったリタとして、交遊関係は熟知する必要があると考えたリタは飛影に問いかける
『…』
その問いに飛影と静紅は眼を合わせて黙り混む
「友達?」
「確かに仲は良いと思うけどしっくりこないわね…仲間…とかかしら?」
「でも精々俺ら三回しか契約してないぜ…仲間か?」
「そう言われると微妙ね…一心同体的な?」
「大きくずれた気がするな…雇い雇われ関係?」
「それはそれで意味がわからないわ…同業とかかしら?」
「なんか近い気がするな…でもなんか違う気もするな」
「うーん…困ったわね~…やっぱり同族かしらね」
「あ~的を得てる気がする!同族だな~」
ぼそぼそと飛影と静紅だけの会議が終了する
二人してさっぱりとした表情でリタに向き直る
「ってなわけで同族だな」
「同族ね」
「お二人とも種族が同じってことですか?」
リタ的には、確かに身に纏う雰囲気は似ていると感じていた
「極めて近く限りなく遠いってところかしら?」
「ん~そんなもんだな」
よくわからないが、それで納得しろという雰囲気が二人から発せられてリタは口を閉じる
「…飛影君、ちょっと二人きりで話さないかしら?ほら…つもる話もあることだし」
静紅の雰囲気が僅かに変化する
その変化が読み取れたのは飛影だけである
「ん…わかった俺の部屋でいっかな…んじゃあ一旦解散!各自自由行動」
秘め事は誰にでもあることで、絶対強者級にとっての情報とは生死に関わる問題である
そのため、敵でない限り深く追求しないことと、無理強いはしないことは暗黙の掟である
各々返事をして、各々行動をする
「んで…?」
《風華・情報セキュリティ強化》
飛影の部屋に入り、盗聴防止のための風を部屋に纏わせる
「ここに来た理由なのだけど、情報屋からここにデスパラシリーズがあるって情報を買ったのよ」
「まぁ、確かに持ってるな」
「それで私は、その持ち主の情報も同じく買ったのよ」
「まぁそれは俺だな」
ここに、というこの飛影の屋敷にあるわけではなく、正確には飛影のコートの中にある
持ち主としては飛影だ
「それがなんだけどね~持ち主は成金で戦闘能力が、皆無って言われたのよ」
「へぇ」
それが確かであれば、それは情報屋の過失である
情報屋はとにかく信頼が命である
そのため、虚偽の情報を売ることは信用問題になるためあり得ないのである
それが正しく商品として取り扱いできるものでなければ噂として話すことすらしない
「まぁ簡単に言ってしまえば、情報屋が私を始末したかったのでしょうね~悪戯遊戯としての私が邪魔だったのかはわからないのだけど、確かなのは私と飛影君を戦わせて私を殺させたいってところかしら?」
「さぁ?もしかしたら逆かも知れんぞ…」
「まぁどちらにせよ私と飛影君が知り合いって情報は知らなかったみたいだから、目論見は破綻ってところね」
くすくすと笑う静紅
「それでね、ちょっと飛影君にお願いがあるんだけど…」
「どうした?」
「デスパラを譲ってくれないか」
「やだよ」
即答
静紅のアホな発言を飛影は一蹴する
それも当然で盗賊同士の取引に無償はありえないのである
せめて等価交換
それか、あくまでも取引を求めたものが損になるかのどちらかである
飛影としては等価交換であれば問題ないのであるが、譲れは当然拒否するものである
静紅としても冗談で言ったため、およよ…と嘘泣きを取る程度のリアクションしかない
「じゃあ、しばらくこの屋敷に住んでいいかしら?」
取引の基本である
一度無茶苦茶な要求をした後で、本題を出すことにより相手にそれぐらいならと思わせることを狙う
静紅としては、飛影が所持しているデスパラシリーズは欲しいが等価交換できるような代物は持っていない
魔剣の一刀でもあれば話は別だったろうが、無い物ねだりをしてもしょうがない
「別に構わん」
「ほんと?ありがとね飛影君」
(さすが私!上手くいったわ~)
取引が成功して表面上は、微笑みレベルであったが心の中では、万歳を10回くらいしていた
お姉さんとしては余裕を見せたいのである
どっちにしろ、飛影は最初に無茶な要求をせずとも即答でOKであるが静紅は私ったら取引上手ね~とアホな勘違いをしていた
「助かるわ~ちょっと安全な宿を探していたから渡りに船だったわ」
「安全な宿?」
「ちょっと先日に神界でデスパラシリーズを盗みに行ったら神王と会っちゃって…命からがら逃げてきたっていう状況なのよ~」
神王と聞くと飛影としてはある一人の人物しか思い浮かばなかった
そう、ハルカである
「お前…よく生きてたな」
素直にそう言葉を放ってしまう
ハルカの実力は知らない飛影だが、飛影の会った誰よりもハルカは強いと感じている
最低でも自分よりも強いと感じているため、そのハルカと戦ってほぼ無傷でこの屋敷に帰ってきたことが驚愕である
「想像を絶する戦いだったわ」
珍しく真剣な表情の静紅
だが、実際のところは
静紅デスパラ盗む
↓
ハルカに見つかる
↓
鬼ごっこ開始
↓
開始2秒、着物の裾を踏んで静紅大転倒
↓
ハルカもその静紅に足が引っ掛かり大転倒
↓
静紅、次元破壊を使用して逃げる
以上
「…なんとなく想像できたからいい…まぁ部屋は空いているのを好きに使ってくれ、詳しくは優希に聞いといてくれ」
「わかったわ~」
飛影は静紅のその表情から何が起きたかを大体察することができた
大きな溜息を吐いて飛影は部屋から出ようとする
だが、その前に釘をさすことを忘れない
「ちなみに、魔力が込めてある宝は全部俺のコートの中だから家探ししても無駄だからな」
「…な…なんのことかしら?」
目が泳いで冷や汗を掻いている静紅、飛影の釘は見事に刺さった
取引が駄目なら実力行使、それが盗賊としての行動である。
盗まれたモノが悪いので、それを知っている飛影としても行動の先読みは可能であった
「まぁ俺はこの後、スペシャルイベントがあるから行くな」
ニヤニヤと笑う飛影
その様子に静紅は僅かに眼を見開いた
「行ってらっしゃい飛影君」
飛影が退出する
(飛影君があんな風に笑うなんて…成長したわね~お姉さんとしても嬉しいわ~)
最初に会った時には、超絶無愛想で殺し合いの時だけ発狂したかのように笑う少年
次に会った時には、名前ができたが無愛想で言葉が足らない少年
その次に会った時には、何かにかなりキレていた
でも今ではキチンと楽しそうに笑っている
その成長を静紅は嬉しく感じて一人、飛影の部屋で笑みを零す
飛影の言うスペシャルイベントとは、リタの転入である
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「着いたわ!!」
飛影達が通っている東東高校がある街にある二人の少女がやってきた
14歳ほどの年齢で腰までは届いていない金髪のカールした髪でダボダボの白衣を着ていて、身長は150cmと小柄な少女でブルーアイが特徴であった
手には何やら小型の機械が握られており、その機械のディスプレイに表示されている数値を見てニコニコと笑っている
「着きましたねお嬢」
その隣に佇むのは、金髪の少女よりも少し年上の少女である
16歳ほどの年齢で短髪の黒髪、キッチリとスーツを着こなしていて頭には唯一その少女のお洒落として見える花飾りが横髪に付いている
身長は160cm程で右目が黒色、左目が金色のオッドアイが特徴である
直立姿勢で立っており、金髪の少女をお嬢と呼んでいる
見るものが見れば、訓練された人間であることが分かりその懐に銃が仕舞われていることがわかる
「ここにいるんですかね?」
「いるわ!世界中をターゲットに探知したけど、ここが一番強力だったからね!必ず見つけ出すわよ覚醒者を!!まずは、東東高校に行きましょ。そこが一番反応強いし数が多いわ」
興奮を抑えきれないというように少女は走りだす
「ちょっと待ってくださいお嬢!」
その後を追うオッドアイの少女
少女等は飛影、ダドマ、ギルギア、そして今日からはリタが通うことになり4人の絶対強者級がいる東東高校へと走り出した
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5分後
「…はぁはぁ…やっぱ…り…たくし…ー…使…うわ」
「そうなることはわかっていましたよ」
力尽きた金髪の少女と息一つ切らしていないオッドアイの少女がタクシーを使って東東高校へと向かった
次は、リクエスト話で飛影とハルカの話になります。
ちょっと時系列が飛びますが、ハチャメチャではハルカを出す気はないので災厄で投稿しますので、よろしくお願いします。