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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
神々の戦い編
80/122

確知の闘い

14連勤が終了

ようやく更新できました…

本当に申し訳ありません



二組目


未来を読む闘い

保守派シーレイと革新派キリは、向かい合っていた


神々しい神の翼を双方ともに生やし、シーレイは眠そうにだらけたいつものスタイルに巨大な鍵を抱き締めていた

一方のキリは素手で特に構えもせずに、立っている


シーレイはやはり眠そうに、キリは笑みを浮かべながら睨み合う


「俺の言いたいことはわかるよな?」


「未来確知…二人…いらない…」


「正解だ!!ひゃっはぁ!!おいシーレイ!!お前に未来は見えてるか!?」


「私…勝つ…お前…死ぬ」


「真逆の未来を確知したな!?」


シーレイとキリの共通の能力

未来確知


未来予知ではなく、確定した未来を読む能力である

必ず当たるのが未来確知である


そしてシーレイは自分が勝つ確知

キリは自分が勝つ確知をした


真逆の確知を行うのは、キリの狙い通りである

即ち、この殺し合いに勝利した方が未来確知として正しいのだ


ただ、未来確知は必ずしも一つの未来を読むのではない

日常では起こり得ないことであるが、絶対強者級の闘いには複数の未来が確知される


この殺し合いはいわば、詰み将棋である

確知した未来通りに行動して、確知した内容を再現する

相手の未来を確知しながら、相手の未来の再現をさせないように行動しなければならない


「詰めたかシーレイ!!?俺の準備はできたぞ!!」


キリは拳を握りしめて魔力を解放する


「準備…できた」


シーレイも魔力を解放

抱き締めていた巨大な鍵を片手に持ち変える


「…」

「しっ!!」


《スロウス》

《カルバリ・百射》


シーレイとキリは同時に距離を詰める

先手を取ったのは武器を所持していないキリである


シーレイの懐に潜り込むと同時に当てることを優先させたキリの拳の連射が放たれる

ダメージは度外視

ボクシングでいうジャブの嵐


「…」


秒間百を優に越える拳による攻撃を、シーレイはヒラヒラと揺れながらすべて避けきっている

未来を確知して当たらないようにしているのだ

逆にシーレイに攻撃を当てるための確知をしているキリ


僅かにキリの拳がシーレイに掠り始めた


「面じゃなきゃ発動しねえっての!!」


押しているはずのキリだが、舌打ちをすると大きく後方に跳躍する

その僅か一瞬後、シーレイが巨大な鍵を振り落とした


シーレイはパワー型ではなく、バランス型のスピードよりであるが、この闘いでは完全にパワー型で闘う

シーレイの魔法は未来確知も含め、キリのように接近戦で相手に触れることを主軸である

だが、そんなシーレイの魔法もキリ相手では相性が悪いのである


「…」


シーレイの攻撃は地面を粉々に粉砕

巨大なクレータが出来上がりながら、礫がキリへと襲いかかる


魔力の通っていない礫ごときでは、キリ達絶対強者級にダメージを与えることはできない

だが、目眩ましには充分である


「…死ね」


礫と同時にシーレイは上空に羽ばたいてキリへと、巨大な鍵を投げ放つ


《カルバリ・百射》


下手をすれば頭が弾けとぶような一撃に対して、キリは魔法を構築

未来確知によってタイミングを完璧に見極めて、裏拳を鍵へと放つ


一撃程度では軌道は変えられず、身体の半身を抉る一撃はキリに直撃する前に吹き飛んだ

全く別の方向からの衝撃であらぬ方向にである


鍵が吹き飛ぶ方向を知っているシーレイとシーレイが鍵を取りに行くことを知っているキリが再接近


《カルバリ・千射》


交差する瞬間に、キリの拳がシーレイに襲い掛かる


「…」


避けきれないシーレイは鍵を盾にするように軌道へ放る

再びキリの拳はシーレイの鍵を捉え、殴った方向ではなく垂直に吹き飛ばされる


「こんだけやっても壊れねえか…」


キリの魔法を二発食らった、シーレイの武器である巨大な鍵であるが、傷もへこみも見つからない

キリがぼやいている間にシーレイは武器を回収する


「これ…硬い…お前…壊せない」


自分の身の丈もある鍵を、片手で玩ぶシーレイ

キリの魔法、カルバリは回数倍増の魔法である


例として、キリが鍵を攻撃した時、

キリは自身の拳で一回裏拳を当てた

そしてカルバリによって、その裏拳一回の衝撃を倍増させたのである

最初は百倍

今は千倍である


あくまでも衝撃を倍増させるのではなく、回数を倍増させているだけのため、あまり力が無いキリの裏拳が100倍の威力になったのではなく、100回当てたことになっているのである

威力は低くても、数でカバーする


シーレイがパワー型の闘いをしているのは、これが原因である

一発食らえば畳み掛けられる


更にキリの一撃は大振りの一撃ではなく、連打を優先させたもの

仮にシーレイとキリが打ち合って互いに10発当てたとしても実質的なダメージはその百倍以上

ハイリスクノーリターンなのである


「お前…鍵…二回触れた…ちょっと遅くなる」


対するシーレイの魔法スロウスは速度減少の魔法である

シーレイに触れることで、発動する魔法である

触れれば触れるだけ、触れた対象の速度が減少する


だが、一~二発程度ではあまり効力はない

数や時間をかけることで、より速度が減少する


「あぁ?鍵に触れてもアウトだっけか!!?」


キリの知識ではあくまでもシーレイに触れた対象である


「…言ってない…だけ…この鍵…特別」


「あぁそうかい!!なら最小数で最大数ぶつけりゃいいんだろ!!?」


《カルバリ・万射》


キリは魔法を発動

一撃が万倍となる


「…」


シーレイも眠そうな表情は相変わらずであるが、警戒心を高める


『…』


シーレイとキリは同時に飛び出し、打ち合いを開始する

超至近距離での乱打戦


絶対強者級でも僅か、一メートル以内での乱打戦で無傷でいるのはそれが絶対強者級同士なら不可能であるが、未来確知を持っているシーレイとキリは桁が違っていた


回避と攻撃が同時に行われ更にその回避先への攻撃とその攻撃に対する回避

無限のように拡がる一挙一動を二人は未来を読み続けることで、無傷の乱打戦を可能としている


(シナリオ通り!!)


笑みを浮かべたのはキリである

キリが見た未来通りにことは進んでいた


《カルバリ・空の衝撃》


無傷の乱打戦の最中、キリはカルバリを込めた脚で空を蹴り上げた


「…!?」


その蹴りはシーレイに当てるつもりではないようで、軌道は大きく外れている

しかし、シーレイは咄嗟に乱打戦を止めて、全力でキリから距離を離すが遅かった


「おせえよ」


キリの蹴りの衝撃が、周囲に解き放たれる

空を切っただけの蹴りは、カルバリの魔法により、それが直撃した時の衝撃として一万回に増殖し、周囲を無尽蔵に襲う


「…!」


あらゆる角度からあらゆるタイミングで放たれている衝撃をシーレイは空を飛び回避しようとする


しかし、必ず当たってしまう攻撃を未来確知しても意味は無い


「っ!?」


一回分の衝撃がシーレイの背中に直撃する


「これが俺の切り札だ…」


動きを止めたシーレイに衝撃が嵐となって蹂躙する


キリの切り札

絶対強者級ならば誰もが持っている奥の手

キリの切り札は空の衝撃である


本来であれば、当てることによって衝撃の回数が生まれるが、空振りでもそれが当たった場合と仮定させて、衝撃の回数を倍増させる

当たった対象は空であり、同じ空であれば衝撃は伝達される


当てるためにてはなく、殺すために放った蹴りは一撃が重い

それを数万という回数の衝撃に増やしたため、シーレイの身体は骨すら残っていない


「…私…勝ち…お前…負け」


《スロウス・空を削るモノ》


「…!!?」


確実に、未来確知でも避けきれないほどの量、生き残れない程の攻撃力のキリの切り札をまともに直撃した筈なのであるが、シーレイは無傷であった


キリは咄嗟に、魔法を構築しようとするが、身体は動かなかった

正確には動きたいが、あまりにも遅いのである


(これは…まさか!!?…おれと同じ…!!?)


「空気」


驚愕の表情すら作ることができないキリへ、シーレイは呟きかける


「私…触れる…遅くなる…お前…空気…触れる…私…空気…触れる…遅くなる…空気…遅延…伝達」


(…そんなことが…)


「お前…未来確知…ここまで…だから…負ける」


シーレイは遅すぎて止まっているようにも見えるキリの衝撃波を避けながらキリへと近付く


シーレイの魔法は触れているもの、また遅くなったものに触れても同じ効果が得られる

シーレイは周りの空気をすべて遅くさせた

その空気に触れているキリも遅くなったのである


「これ…内緒…奥の手」


シーレイはゆっくりと鍵を振りかぶる

未来確知を行っていたキリは、シーレイに奥の手が直撃する未来を確知した

シーレイはその未来を確知して、更にこの奥の手を直撃させるための未来を確知したのである


「…死ね」


(くっそがぁぁぁぁ!!)


断末魔すらあげることすらできずに、シーレイの一撃はキリの上半身を抉りとった


「…眠い…」


生きているものが一人になったため、世界から出るための扉が出現する

シーレイは瞼を擦り、欠伸をしながら扉を潜って眠りについた


眠っているシーレイを心配して騒いだアンジェレネがシーレイに殴られたのは余談である


シーレイVSキリ


シーレイの勝利


シーレイの勝利

はぁ…書きにくい

シーレイは書きにくい


それ以上にキリが書きにくい


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