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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
神々の戦い編
79/122

殺し合い最強VS戦闘力最強


まずは第一戦目



飛影の屋敷の庭に、魔王、保守派、革新派が揃っていた

誰も口を開かない中、アンジェレネだけがぶつぶつ言いながら眼を瞑っていた

世界を構成中である


絶対強者級の闘いに堪えられる複数の世界を構成するのには、アンジェレネであっても直ぐに出来るわけではない

10分程この状態が続いていた


「よいしょ!!っと出来ました!!…各世界のルールはキチンと要望通りにしましたよ」


しかし、たったの10分で世界を6つ創造したアンジェレネ

各世界のルールは、双方の同意の元に生成されたものである


1、闘いに堪えられる世界

2、アンジェレネであっても闘いの様子は見れない世界

3、飛影達とハルカ達は二人以下、他は生存者が一人になったら世界から出られる

4、世界の広さは100キロ程度とする


これが、双方の同意の元に生成されたルールである


「それでは、世界に転送するんで、動かないでくださいね」


《アンビリルワールド》


アンジェレネはぞんざいに手早く、肩を叩いていく

アンジェレネに肩を叩かれたものは、各世界へと転送されていく


合計、15人

自分以外の者を転送し終わったアンジェレネは一息つく


「飛影さん達は大丈夫ですかね…」


神々の闘い

事情は知っているがいまいち実感が湧かない優希がポツリと溢した


「大丈夫かはわからないですけど…私ができることは、もう一つしか無いですね…優希さんも一緒にどうですか?」


「私にも出来ることですか?」


「はい!!…簡単なことですよ…昔から誰もがやっていました…信じること…今出来ることは皆さんが帰ってくるように祈ることです」


アンジェレネは手を合わせて指を絡める

静かに眼を瞑り、集中しているその姿は神々しく女神に見える

優希もアンジェレネの真似をして祈る


神々が闘っているため、何に祈るかを迷ったが優希は全員が帰ってくるように、飛影達へ祈った


人間界

魔界

天界


三界の存亡を賭けた闘いが、人知れず始まる


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


ラインとライザが転送された世界は一面荒野の世界であった

注文通りに半径100キロピッタリ


ラインとライザ

対峙する二人の距離は300メートル


「もう一度自己紹介でもしようか?」


「必要ねぇ」


「そうか…残念だね」


ラインとライザは魔力を解放

魔力の純粋な総量でいえば、魔王の中で一番高いのはラインであるが、ライザはそのラインより一回り高かった


(戦闘力最強…どの程度かな)


《ナルカミ・纏》


ラインは魔法を発動

雷の光が世界を照らす


ラインの身体に雷が纏う

ライザが接近戦が得意レンジだと判断したラインは雷を纏って身体能力を強化する


「へぇ…雷か…それじゃあ殺り合おうぜ!!殺し合い最強!!」


《闘神・牙》


ライザの右腕に半透明の巨大な龍の顋が展開される


(まずは…様子見かな)


《ナルカミ・雷の槍》


様子見として、ラインは雷の槍を放つ

雷速で放たれた、槍としては巨大すぎる50メートル程の大きさの一撃


「はっ!!」


ラインの放った一撃を鼻で笑うライザ

右腕を振ると龍の顎が巨大化して雷の槍を食い破った


(…なんか厄介そうだな)


相手の出方がわからない

ラインの雷と違い、一見で本質までを理解しにくい


《ナルカミ・雷針》


もう少し様子見とラインの背後に幾万もの雷の針が出現する


「質より量ならどうでるのかな」


幾万の針が展開しライザを囲う

線ではなく円の多重攻撃


「今からお前の右腕を喰らう…」


避ける隙間は見当たらない

ライザの攻撃宣言


「やれるもんなら!!」


臆することなくラインは笑い、針を収縮させていく

無数の雷の針が雷の速度でライザへと降り注ぐ


この時、ラインに油断はなかった

自身の攻撃中であったこと、雷を纏って身体能力を強化していたラインは多少苦手な接近戦でも堪えられると考えていた


《闘神・光牙》


「まず、一本だなぁ!!」


ラインの背後にライザはいた

右腕の龍の顋がラインの右腕を喰らっていた


「なっ!?」


全く気付かなかったライン

自身の腕が吹き飛ぶほどの一撃を受けてもラインは攻撃の瞬間を察知できなかったのである


「次は左腕だなぁ!!」


「っ!!?」


(…こいつ…やばい!?)


《ナルカミ・雷光玉》


《闘神・水牙》


ラインの纏っていた雷が爆発したかのように周囲に轟く

雷の一撃は、まともに喰らえばかなりダメージは通る


ライザの一撃を防ぐほどの魔力は込めていた


「二本目だ!!」


龍の顎は半透明から水色の液体に変わっていた

ラインの左腕が顎に食いちぎられる


「っ!!?」


(なるほど…ね!!ようやく理解した!!)


両腕が無くなったラインだが、冷静に状況を整理していた


《ナルカミ・雷速》

《ナルカミ・天を穿つ破壊の光》

《ナルカミ・雷雷》


三つの魔法を平行発動

雷の速度で後退しながら、巨大な雷をライザへと放つ

巨大な雷は飛影の無炎での防御をも貫いた二撃仕様の攻撃である


《闘神・双牙》


ライザは避けるそぶりも見せず、左腕にも龍を宿らせる


「喰らえ…」


両腕の龍の顎が大きく開き、ラインの雷を喰らう

同時にライザの周囲を雷の球体が埋め尽くす


「この程度か…」


いとも簡単に巨大な雷の一撃をライザの龍の顎が蹴散らす

ダメージはまるでなく、ライザは無傷である


「それ…二撃目の方が強いから」


打ち勝った気でいるライザにラインは笑う

同時に本命の一撃が降り注いだ


一撃目よりも、遥かに強力な雷

そして、ライザの周囲の雷の球体が震える


雷の球体のそれ自体には威力は無いが、雷を強化する球体である


「ほら死ねよ」


正真正銘の全力の一撃


《闘神・爆牙》


ライザの腕の双龍が紅蓮の色に変化する


「調子に乗るんじゃねぇよ!!」


額に血管を浮き上がらせながら、ライザは両の龍を全力で打ち付け合う

その瞬間


「ぐっ!!?」


余裕の笑みを浮かべていたラインを襲ったのは、爆発である

ただの爆発ではない、ラインの本気の一撃を消し去っているのだが、世界を爆発の衝撃で破壊する


(…なんつ~馬鹿げた威力!?)


身体が吹き飛ばされながらも、翼で羽ばたいて態勢を立て直す


「おせぇ!!!!」


《闘神・光牙》


「しまっ…」


空中で態勢を立て直したラインは一瞬硬直した

その一瞬は、絶対強者級の闘いでは致命的な時間である


回避する間も無くライザの牙は、ラインの首を食い千切った


「はっ…殺し合い最強だが知らねぇが…闘神に勝てると思ったか…雑魚が」


無傷のライザ

魔力も半分すら消費していない


アンジェレネの用意した荒野の世界は、ライザの一撃で地盤が破壊されすでに崩壊を始めていた


「さて…出るか」


退屈な時間だったと大きく欠伸をするライザ


「普通に闘ったら、ここまで差があるとは思わなかったよ」


両腕がもがれ、首が無くなったラインの死体が起き上がる


「回復魔法か、再生能力か?何度やっても無駄だ」


そのことに驚くことはない

吸血鬼を代表とする再生能力や、強力な回復魔法であれば可能な芸当だからである


《闘神・牙》


振り返りながら、龍を右腕に宿す

ライザの視界に入った時には既にラインは戦う前の姿になっていた


「君の魔法は、その龍の顎…牙を中心とした属性付与の魔法だね…いや~ビックリしたよ」


構えもせずに、笑うライン


「殺しきるまで殺す」


その余裕の笑みがライザの癇に障った

一瞬でラインに接近し、反応すらしないラインを食らいつくす


ラインの上半身を丸ごと食い千切ったライザ

更に牙を振り、残りの身体も食い千切った


「さて…君に勝つにはどうしようかな…楽に勝てそうだけど…君みたいな自信家は圧倒的に殺したいからね…どうせ、見えないなら奥の手を一つ使おうかな…」


何も無い空間からラインは現れる

痛くも痒くもないようで、ライザの目の前にいるが構えもしない


今、ライザの目の前にいるライン

先程まで闘っていたライン

両方とも、ラインの魔法、幻想魔境で造られた幻覚である


発動は試合時

ナルカミによる雷の光を放ったついでに、幻想魔境を発動したのである


再びライザがラインを喰らうが、それも幻覚である


「ってなわけで、奥の手」


ライザの真正面に現れて、不敵な笑みを浮かべた


《幻想魔境・殺戮を行うモノ》


「いっえぇぇい!!飛影だ!!」

「めんどくせぇなダドマだ」


ラインの両隣に、飛影とダドマが突如として現れる


「転送?…いや、幻覚か…下らねぇ小細工しやがって!!」


《闘神・光牙》


飛影とダドマの幻覚を蹴散らそうと、一歩踏み出す

龍が輝くと同時に、飛影とダドマの幻覚の首を跳ねるために光速で接近


「どっせい!!」


《炎舞・無炎防御》


ラインが反応できなかった一撃を幻覚である飛影は反応する

龍の牙と飛影の拳が激突する


「ほい…隙だらけ」


《天変地異・無限一手》


光牙の属性は、速度である

パワーファイターではなくバランス型のライザ

幻覚を弾けとばそうと、速度を上げた一撃は飛影に止められた


そして激突後の拮抗勝負は力で決まる

力を上げていないライザは飛影に僅かに圧されていた


その隙だらけのライザに、ダドマの幻覚は容赦無く全魔力を消費した一撃を叩き込んだ


「がっ!!?」


(ダメージ…に、俺の攻撃を止めただと!?)


咄嗟に身体を捻ったライザであるが、ダドマの一撃はライザの左腕を抉りとった


「これは幻覚だったモノだ…君が認識した時点で実体になったけどね…因みに私はこういう魔法もあるんだよ」


ラインが指を鳴らす

鈴の音が響くと同時にライザの魔法が解除されていく


「魔法無効化だよ」


ニヤリと笑うライン


「っ!!?」


《闘神・牙》


魔法を発動

再び牙をその腕に宿らせようとしたライザだが、魔法は発動しない


正確には魔法は発動しているが、解除されているのである


「あ~あ、魔法無効化って認識しちゃったね」


やれやれと溜め息を吐くライン


「…どういうことだ!?」


「…私の魔法の幻想魔境は、幻覚を見せて怪我したら、その怪我を身体にフィードバックすることって、説明してるけど…本当は幻覚を見せて認識したことを現実にする魔法なんだよ」


「…は…?」


にこやかに笑いながら、説明するラインの言葉がライザには理解できなかった


「つまり、この飛影とダドマも君が認識したから現実になった。魔法の無効化も君が認識したから現実になった…」


「…なんだそれは!?」


ありえない

魔法は万能であるが、万能ではない

しかし、ラインの幻想魔境はその括りを大きく逸脱している


「…まぁ、闘神よ…君が理解できないことは当然だよ…君と私では格が違うからね」


「ふざけてんじゃねぇゃ!!」


魔法が発動できないライザ

片腕だろうと関係無く、拳を握る


「…あ?」


握った筈であったが、右肩より先が消失していた

あからさまな幻覚

だが、ライザは右腕が無いことを認識してしまった


その瞬間にライザの右腕は消滅する


「はい、終わり」


身体が硬直したライザの首を跳ねるライン

幻想魔境を解除した


無傷のラインが姿を現す

そして勝者のための、扉が出現する


「さて、私が一番かな…」


大きく延びをしながら、扉をくぐるライン

闘神・ライザを相手にただ勝っただけでなく、無傷での勝利にアンジェレネが驚いたことは言うまでも無い


ラインVSライザ


ラインの圧勝


はいはい…チートチート

強すぎてなんでもありなラインの闘いです


ライザは本当に強いです

飛影でもダドマでもギルギアでも闘ったら、確実に負ける程に強いのです


ただ相手が悪かったということです


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