革新派
更新がすいません
キャラがいっぱいです
そして長いです
某ファミレス
極一般的なファミレスに飛影達魔王やハルカ達神の合計8人がいた
そして飛影達は合計16人が八人ずつ並んで座れる席に案内されたが、立っていた
事の発端が、飛影が言った座り順は強い順にしようぜという一言であった
「右から順に強い順だな」
最初に並び順をダドマが決めて、バトルが始まった
「じゃあ私が一番右だな」
颯爽と一番右の席に座ろうとするライン
『待て腐れチート』
座ろうとするラインの肩と腕を掴む
飛影、ダドマ、ギルギア
「…何かな?」
涼しげな表情のライン
飛影とギルギアが肩を掴んでおり、いや、正確には握り潰そうと万力を込めている
泣きそうな程痛いがせめてもの抵抗である
「私は殺し合い最強だよ?だから私がここに座るのは当然だろ…」
ぐっと苦虫を咬んだような表情をするダドマとギルギア
「お前、俺に負けたんだから俺のが強いだろ?どけやチート」
ラインをどかして、一番右の席に座ろうとする飛影
今度はギルギアとダドマが飛影の肩を掴んだ
「お前俺にぼろ敗けだろ?」
「貴様は我にもボロ敗けじゃろうが」
飛影が子供のころ、ダドマとギルギアに蹴散らされたことを思い出す飛影
「ガキの頃の話だろ…」
今度は飛影が苦虫を咬み潰したような表情に変化する
「最近でも我の勝ち越しじゃろ?」
勝ち誇るギルギア
日常的に喧嘩をしているギルギアと飛影
勝ち越しているのはギルギアの方である
「ということじゃ…退け」
「ぬぐぅ…」
「ギルギアより俺のが強いから俺が一番ってことだな」
ギルギアが飛影を押し退けて、座ろうとする前にダドマが口を挟む
「むぅ…」
ギルギアは反論することができず、黙ったままダドマに席を譲る
「それなら私のがダドマより強いだろう」
ここにきて口を挟むのは空気が読めない腐れチートの粗大ごみのラインである
『メンドクセェぇぇぇぇ!!』
飛影とダドマが頭を抱える
関係は以下の通り
自分→勝てる相手
飛影 → ライン
↑ ↓
ギルギア ← ダドマ
飛影VSダドマは実施されていないため、無関係とする
また、ライン→ギルギアとする
「あ~もうわかった!!贔屓目無しに俺が決める!!異論があったら言え」
このままでは埒があかないと判断した飛影
仕方がないと舌打ちをする
「しょうがない…それで行くか…」
「異論があったら言えばいいんだよね」
「面倒じゃがそれで良い」
飛影の提案にどうにか三人の意見がまとまった
「んじゃ右から順に…ハルカ、………ライン?…ダドマ…ギルギア…アンジェレネ…シーレイ…リタ…俺かな」
ハルカとラインの間が少しかかったが、淀みなく振り分けて、最後に自分を持っていく
つまり、この中で最弱であると認めたのである
「異論あり…私より飛影さんの方が強いでしょう」
先日に戦ったばかりのリタからの異論である
勝者は飛影であり、リタが敗者でこの順番はおかしいとの最もな意見である
「却下」
リタが座る前に即答して、一番左の席に座る飛影
「やっぱり、私が一番右なのか…」
どこか複雑そうな表情のハルカ
「まぁ…こればっかりは異論は無いね…」
飛影の意見に賛同するのはハルカの隣に座るラインである
「相手方はいつ来るんだ?」
「えっと…五分後くらいですかね?シーレイちゃん何分後?」
「…三分…」
飛影の問いをハルカはシーレイに丸投げ
大きく舟を漕いで今にも眠りそうなシーレイは会話を全く聞いてるように見えないが、返信は速かった
まるでその問いかけが来ることをわかっていたかのようである
「んじゃ適当になんか頼むか…」
飛影はメニューをめくりながら、店員呼び足しボタンを押す
朝御飯と昼御飯の境目のため、店員は数秒で接客スマイルを浮かべながら注文を取りに来る
「メニュー全部」
一言だけ告げると、要件は済んだようでだらけ始める飛影
三分後である
少しずつドリンクがテーブルを侵食していて、適当に目についたものを飲むようにしている八人
そんな八人に近付く集団が一組現れる
革新派達であった
「左から強い順な」
ニヤリと笑う飛影
喧嘩が起きれば面白いとだけ考えていた
しかし飛影の予想と反して革新派の神達はすんなりと座る
全員が全員黙っていた
保守派+魔王と革新派の睨み合いが始まっていた
「それで…?わざわざ俺らを呼び出すってことは降伏か?」
ハルカの目の前、
つまり革新派の中で一番強い人物が口を開いた
自分の実力に自信があるのかハルカしか見ていない
殺気混じりの視線を直接向けられているハルカは苦笑いを浮かべる
「そんな訳ないでしょ、…本当に馬鹿だね~」
「あぁ?」
野獣のような目付きでハルカを睨み付ける
「対談の理由は簡単だ…」
横から口を出したのは飛影である
三分の間で誰が喋るのかを決めていて、文句無しに飛影が選ばれたのである
「自分を殺すやつの面を拝ませてやるための対談だよ…ありがたく思え」
テーブルに脚を置いて高圧的な態度である
喋る人選は一番相手を怒らせることができそうな人物である
「あぁ!?」
「あれ?聞こえなかったか?なんだ…理解力も無ければ聴力も無いのか…はぁ」
わざとらしく大きな溜め息を吐く飛影に対してこめかみに血管を浮き上がらせる
「…そうだな…自己紹介でもするか…殺されるやつの名前くらい覚えておきたいだろ?」
飛影はそれを完全に無視して更に煽る
何故相手を怒らせようとしているのか、理由は面白いからである
保守派側の表情は無表情であるが、約数名は今にも吹き出しそうであった
「お前は必ず殺す…革新派、序列一位闘神…神の牙、ライザ」
闘いの神であるライザ
高身長に野獣のような雰囲気
オールバックにした髪に黒のスーツの男
神の牙 戦闘力最強
「私の相手はリタが良いですね…翼と矛どちらが強いか試したいもの…序列第二位…神の矛、クリス」
優雅に微笑みかける女性
妖艶に微笑む姿に黒のスーツは違和感がある
女神であるクリスは人を越えた美しさであった
神の矛 貫通力最強
「俺は誰でもいいが、攻撃力に自信があるやつがいいな…プライドをへし折って殺す…序列第三位…神の盾、ガイア」
爽やかに笑いながら、眼は飛影達を値踏みしている男性
どこぞのアイドルのような容姿のガイア
神の盾 防御力最強
「おい矛…リタは俺が殺る…速度が自慢のやつに速度で勝る、一番絶望だろ?…序列第四位…神の脚、エギル」
サゾスティックな笑みを浮かべる男
神の武器の一種である大型のナイフを手で遊んでいる
神の脚 走力最強
「…私はユイチって言うわ…こんな成りだけど、序列第五位、神の力よ」
他の神よりも一際幼く見える少女
ユイチは140㎝程度でその外見に似合った細い腕である
神の力 攻撃力最強
「俺はキリ!!神の眼、序列は第六位だ!…俺の能力は未来確知!!目当てはシーレイだ!!いい加減決着つけなきゃならねえよなぁ!!?」
猿のような少年
キリはシーレイにのみ注視しており、他には眼も向けない
神の眼 未来確知
「ウチはベルだよ!!盲目だけどそんなの関係ナッシング!!序列第七位、神の耳だ!!」
元気いっぱい少女
ユイチよりも一回り大きな、17歳程の少女
ベルは包帯を眼に巻いている
神の耳 気配完全察知
「皆さん元気ですね~…元気なことは良いことです…僕は序列第八位、神の頭のソロです。お見知りおきを」
一際胡散臭い笑みを表情に張り付けたように感じるその男
スーツを着て営業マンのようにも見えるソロ
神の頭 魔法最強
革新派の自己紹介が終わる
「そっち側が終わったな…さて、こっちの自己紹介を始める前に、こっちで相手を決めるわ」
「はっ!!好きにしろ!!」
ライザの返答に、飛影は内心で笑みを作る
面白いからという理由で相手を怒らせていた飛影だが、革新派のことを舐めている訳ではない
寧ろ、必要以上に警戒している
ただ闘ったのでは、負ける気は無いのだが、犠牲は大きい
飛影達側が全滅も十分にあり得る
そのため、飛影はこの対談において意見を通せる立場を必要以上に意識していた
怒らせたのも、面白いからと場を掌握するためでもある
「そうか…そっちから指定はあるか?タッグ戦じゃなきゃやらないとか」
少しの妥協
これから先の意見を通しやすくするために、相手の意見を聞き入れる
「それなら私と、エギルはタッグで」
手を挙げたのは、神の力である少女のユイチである
タッグ戦のパートナーは神の脚であるエギル
「わかった…んじゃとりあえず起立」
飛影は椅子から立ち上がると一歩下がる
何をしたいのか理解したダドマ達も立ち上がり集まる
「こっちでなんか意見あるか?無ければ俺が決めていいか?気に入らなければ言ってくれ」
「えっと~私、今回戦えないんですけど」
恐る恐ると手を挙げたのはアンジェレネであった
「なんで?」
「この面子で全面戦争するなら、場所が必要になりますからね」
神の宝物庫
アンジェレネの別名である
世界を造り出せるアンジェレネの魔法は、絶対強者級の中でも、外れた存在ばかりのこの闘いで必要な場所を造るために必要なのである
「…なるほどな…まぁしゃあないか…」
飛影も場所のことは考えていなかったので、頷いて了承する
ついでにハルカを一瞥する
ハルカが微笑むのを見て、飛影は考えをまとめた
「反対派はいないみたいだから言うぞ!!ライン行け」
顎で示すのは、序列一位のライザである
「おっ…いいのかい!?序列一位をくれるなんて」
そのことに嫌がるのではなく、楽しそうな笑みを作るライン
「ちょ!?待ってください!!ライザにはハルカさんをあてるべきです!それしか勝ち目はありませんよ!!」
それに猛反対するのはリタであった
ライザの実力を知っているリタ
魔王達の強さは知らないが、自身とほぼ互角だと予想してのことである
しかし、リタの制止も聞かず、ラインはライザの目の前の椅子に座る
「天界の魔王、殺し合い最強のラインだ。よろしく」
「おもしれえ!!俺と殺って五体満足にいれると思うなよ」
一組目
戦闘力最強VS殺し合い最強
「次は、ギルギア」
「ほう…貴様の命令を聞くのはあれじゃが…丁度我も戦いたいと思っておったわ!!」
嬉しそうに頬を吊り上げて、ギルギアは序列第二位のクリスの対面に着席
「我は人間界の魔王補佐…接近戦最強じゃ…貴様の矛が我の鎧を貫けるか試してみるが良い」
「へぇ…貴女も面白そうね」
二組目
貫通力最強VS接近戦最強
「次はダドマ」
「第三位か…ものたんねえがまぁいい」
口ではそう言いながらも、笑いが抑えきれないダドマ
「人間界の魔王、この言い方は好きじゃねえが、遠距離戦最強」
「ほぉ…遠距離型か…面白い」
三組目
防御力最強VS遠距離戦最強
「次はリタ」
「…まぁ良いでしょう…ハルカさんを出さないのは訳あってだと認識しました…ですが…相手はタッグですよ?相方はシーレイですか?」
「いや、俺」
「…それはいささか無茶なような」
リタの言い分はもっともである
一度闘ったとはいえ、あって間もない人物とタッグはリタでなくても、表情はひきつる
「大丈夫だ」
「良いでしょう…貴方のことを信頼します」
リタは飛影に一礼し、エギルの正面に座る
「どちらが最速か…決着をつけましょう」
「上等…殺してやるよ」
そして飛影もユイチの正面に座る
「魔界の魔王、飛影…攻撃力最強だ…勝負しようぜ神の力!!」
「ふふ…面白いわね…どっちが上か決めましょう…」
四組目
走力最強VS最速
攻撃力最強VS攻撃力最強
「次はシーレイな」
「ん」
眠そうにしながらも飛影の言葉に素直に頷いてキリの目の前に座る
「眠い…」
「確知通りになったな!!さぁてどっちが上か勝負しようじゃねぇか」
五組目
未来確知VS未来確知
「最後頼んだぞハルカ」
「たのまれました!!」
微笑みながら、飛影に敬礼してハルカはベルとソロの正面に座る
「神の懐刀、ハルカ…アンジェレネちゃんが闘えないから、私が二人を相手にするよ」
絶対強者級にも序列は存在する
ハルカは、飛影の言った通りにメリア城での事件の際に依頼したミリアを含めた五人の絶対強者級を止める程の実力はある
「なに?ハルカ舐めてるの?殺すよ?」
ベルが怒りを剥き出しにするのは当然のことである
あくまでも、絶対強者級の中でも弱い部類なら纏めて相手にすることができるだけであり、序列が七位と八位とはいえ神である
飛影達と同等レベルの実力はあるのだ
「まぁ…大方、回復を利用しての時間稼ぎってところでしょうか…相手が貴女で、相手をするのは僕とベルとなると…精々一時間ってところですかね~…魔界の魔王は中々に馬鹿のようだ…」
ベルとは違い、ソロは冷静に状況の整理と相手の狙いを予測する
「さぁ…どうかな?」
笑みを崩すことは無いハルカ
「はっ!…気配完全察知を舐めないでよハルカ…アンタ今動揺したわね」
目が見えない代わりに、気配や雰囲気などを察知する能力に長けているベル
笑みを崩さないハルカの僅かな感情の揺れを察知する
「さて…組み合わせも決まったと思うが異論はないな?」
全員が黙って笑みを作っていることを確認した飛影は立ち上がる
「それじゃあ、明日同じ時間から始めるとしよう」
場所は言わなくてもわかっていると理解しているため、それだけを告げる
《方舟》
「それでは、対談はお開き…次会うときは殺し合いだ」
最後に飛影はとびきりの殺意を放つと方舟で保守派側の姿が消えた
ようやく、顔合わせです
長かった(作者的に)