束の間の一時
ちょっと海外行ってて更新できませんでした。
本当に申し訳ありません。
本当に久しぶりな更新で申し訳ありません。
今回は休憩話です
ファミレスで対談しようと決定した次の日
ハルカが革新派にネゴシエーションしにいき、学校が休みな飛影達は暇をもて余していた
「…」
飛影が暇そうにリビングで転がっている横で
ニコニコと笑いながら、アンジェレネがお茶を啜っていた
「アンジェレネだっけか?」
「?」
飛影に話しかけられて笑顔を崩さないで向き合うアンジェレネ
「お前、喋れないのか?」
会ってから一度も言葉を発していないアンジェレネ
飛影の問いに首を勢いよく横に振りながら喉を指差す
「そうか」
恐らく、生まれながらに喉に障害があり話せないのだろうと飛影はそのジェスチャーで認識した
あまり深く突っ込むにはいかまいと飛影は話題を変えようと思考する
「そういえば飯も食ってないな…腹減ってないのか?」
昨日の夕飯時にアンジェレネは一口も食べずにいた
神のため餓死することはないとリタが飛影に説明していたため、あまり気にしなかった飛影だが、話題を変えようと浮かんだ一言はそれであった
「っ!!?」
恐ろしい程
残像が生まれるほど、頷いて先程よりも力強く頷くアンジェレネ
飛影の問いはお腹すかないのか?であり、アンジェレネはその問いに力強く頷いた
神だからそんなものだろうと、飛影は一つ頷いて伸びをする
「…眠い…寝るぅ…枕…極上…やっと」
飛影が変わらず転がっているとシーレイが瞼を擦りながら、飛影に接近する
「おはよう」
「ん」
飛影の挨拶に頷くことで答えるとシーレイはその場に座り込んで、飛影の腹を枕に寝始める
「…お休み?」
さすがの状況に思わず疑問系になってしまう飛影
「!!?」
その様子に、驚愕の表情で口を開閉するアンジェレネ
「…起きろ~」
飛影は寝ているシーレイの頬を軽く叩こうとして、腕をアンジェレネに抑えられる
必死になって首を横に振る
まるで起こしてはいけないというように
「…まぁいいが…」
飛影が諦めて力を弱めるとアンジェレネは安堵のため息を吐く
「…おはようございます。部屋を割り当てていただきありがとうございま…シーレイ…?」
リタも起きてきて、飛影に挨拶をしてアンジェレネと同じようにシーレイの行動に驚いていた
(…触れられることを良しとしないシーレイが?)
それは驚天動地のことである
マイマクラでなければ、寝ないシーレイ
今回も手ぶらだったが枕だけは持ってきていたシーレイが人を枕にする
それはリタもアンジェレネも初めて見ることであった
「おはよ~」
眠そうに瞼を擦り椿もやってくる
すぐに飛影と枕にしているシーレイを見る
「…お休み~」
だらんと力無く横たわる飛影の腕を枕に椿も睡眠を再開する
「…暖かい~」
椿の最後の一言であった
「…なんでしょうか…この現象は…」
「知らん!!」
魔法のように次々に眠りにつかせる飛影
「…」
野生の猫のように、恐る恐ると近付くアンジェレネ
残りの飛影の腕を掴むと寝ようと頭を置く
「…アンまで何を?」
容赦無くアンジェレネの腹を踏むリタ
「!!?」
へぶはぁ!!と言いたいように口を動かして、ごろごろとのたうち回るアンジェレネ
そこで、偶然飛影は発見した
「お前、なんか喉に詰まってんの?」
口の置くの方に白い何かが詰まっているように見えたのである
「!!?」
勢いよく立ち上がり、何度も頷く
まるでとってほしいと言うような表情
「とっていいの?」
「!!」
再び頷くアンジェレネ
《炎舞・除去》
飛影は魔法を発動
アンジェレネの喉に詰まっている何かを焼き付くす
「あ…あ~あ~……治ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「アンが喋った!!?」
大きく万歳するアンジェレネとアンジェレネが喋ったことに驚くリタ
リタはアンジェレネの声を聞いたことが無かったのである
「長かった…長かったです…子供の頃に餅を喉に詰まらせて以来…何百年経ったか…喋れないし…食べることも…飲むこともできず…呼吸は僅かな隙間から出来ましたけど…死ぬかと思いました!!飛影さん!!本当に感謝です!!そしてご飯ください!!」
餅を喉に詰まらせて喋れなかった少女アンジェレネ
飛影のなかでアンジェレネの印象は馬鹿になった
「馬鹿だろお前…しかもさっきお茶飲んでただろ…」
「空っぽです!!雰囲気だけ味わってました!!」
使用していたコップを飛影に見せるアンジェレネ
水滴は付いておらず何も注がれていないことは明白であった
「………まぁ優希に頼めば作ってくれるぞ」
「ありがとうございます!!!!ごっは~ん!!」
あまりにも悲惨だと思った飛影は、優しい言葉を掛けると食堂へ神の速度で移動するアンジェレネ
「…何か…申し訳ありません」
「まぁ気にしなくていいぞ…」
シーレイといい、アンジェレネといい、ハルカといい、完全に飛影へ迷惑を掛けてしまっている
リタは本当に申し訳なさそうに謝罪する
「お邪魔します」
恐る恐ると屋敷に入るのは秋野であった
「おう、邪魔しろ」
「…先輩、その状況は?」
やはり秋野も飛影の状況にツッコミを入れてしまう
「…まぁ気にすんな」
「彼女は?昨日も見ましたが」
「名前はあきのん、魔法使いだ」
飛影の軽い冗談
「なるほど、あきのんさんですか…よろしくお願いします。リタと申します」
しかし、それが嘘だと知りもしないリタは真面目な表情で一礼する
「誰があきのんですか!!?」
「へぶ!?」
怒れる乙女は飛影の顔面を思いきり蹴飛ばす
動けない飛影に対しての一撃は魔力によってダメージは無かった
「…佐藤秋野です!!よろしくお願いしますリタさん!!」
名前を訂正して改めて自己紹介をする
「名前を間違えて失礼しました。秋野さんですね、よろしくお願いします」
やんわりと微笑むリタ
穏やかで優しげな女神の笑みに秋野も自然と微笑む
「秋野、パンツ」
そんな雰囲気を壊す飛影の一言
「?」
状況は
飛影は寝転がっている状態
顔面を思いきり蹴飛ばした秋野
短めのフレアスカート着用の秋野
飛影の角度からだとパンツが見える
少し大人っぽさを目指したパンツが見える
「っ!!?死ねぇぇぇ!!!!」
顔を真っ赤に染め上げて、魔力を全解放
秋野が出せる最大の強さで飛影の顔面を踏みつける
「へぶ!?」
しかし、やはりその一撃も飛影の魔力に防がれる
「何ですか!?反則ですよそんなの!!?大人しく踏み潰されてください!!」
何度も踏みつけるがダメージが通ることは無い
「残念だが、絶対強者級だ」
うははと笑う飛影
「不思議なコミュニケーションですね」
そのやり取りをコミュニケーションだと思ったリタ
飛影にとってはその意味で通じるが、乙女のパンツを見られた秋野としては飛影の記憶からどう消そうかしか考えていない
ちなみにであるが、何度も踏みつけているためその回数分パンツは見られている
さすがに可哀想だと判断している飛影は二発目からは眼を閉じている
「だろ?これが俺と秋野の触れ合いだ!!」
「いいから死んでください…」
諦めた秋野は大きなため息を吐いて、ソファに座る
位置はリタの正面である
「秋野さんは反則級なんですね。見たところ若そうに見えますが魔法使いとは凄いですね」
生まれながらに魔法使いであるリタであるが、本心から感心していた
魔法使いは簡単になれるものではないのだ
「色々ありまして…」
照れ臭そうに笑う秋野
「飛影先輩、要件は何ですか?メールだと意図がわからないですけど」
携帯を取り出してメールの文章を表示させる秋野
その画面には
щ(゜▽゜щ)カモン
とだけ書いてあった
少し前に携帯をGETした飛影
魔法使いの王が俗人化していた
原因は、飛影ではなく暇な時にメールのやり取りをする優希である
基本的な彼女のメールは言葉+顔文字のため、飛影もそれが当たり前だと思ってメールの文章には顔文字は入っている
「あぁそうそう、魔法についての話がしたかったんだ、魔法名付いてないだろ?」
「そうですね、なかなか名前が浮かばなくて」
魔法名
それは魔法にとって重要なものである
魔法はイメージ
名前は重要な意味を持つ
魔法の内容に沿ったモノをつけることで威力は増大する
主な例としては
飛影の炎舞・風華
ギルギアのグラビティ
まさにその魔法の意味を表す名前である
余談であるが、飛影のヘリオトロープにも意味はある
ヘリオトロープは花の名前で意味は太陽に向かう
その花は太陽に向かって向きを変えるという特徴を持つ
ヘリオトロープには決まった方向性は無い
様々な向きに変わるという名前である
「魔法の名前は重要ですからね…魔法の本質を理解して適した名前にするのが良いですよ」
「まぁ大体は、魔法を使えるようになったらすぐに決まるけどな」
「なんか二種類あって決めかねてるというか…」
む~と悩んでいる秋野
これとくる名前が浮かばないのである
「二種類?嘘つけ…見せてみろ」
魔法は一つに一種類
基本であり、本質でもある
飛影はそれを本質が見極められていないからと推測する
「はい!!…ただジャージとかありますか?スカートはちょっと」
秋野の魔法は脚から発動する
現在、フレアスカートの秋野としてはパンツが丸見えとなるためジャージを所望した
着替え終わった秋野は、二人の絶対強者級という別次元の存在に魔法を披露するという緊張があるが、一人は寝転がって、一人はソファに座ってお茶を啜っているという自然体である
「いきます…まず一つ目が」
秋野は上に跳躍
《》
半回転して魔法を発動
ピタリとその場に着地する
地上から3メートル付近
秋野は逆さまに立っていた
重力の向きすら操っているのか、髪も服も秋野の身体の向きに合わさっていた
「こういう風に足場を形成します。どこにでも展開できます」
そのままの体制から歩く
逆さまで空中で前に足を進めると、その場からその分だけ移動する
魔法を解除して地面に着地する
「それで二つ目なんですけど…先輩の魔法をちょっと私に向けて発動してくれませんか?すんごい弱いやつで量があるやつ」
「いいぞ~」
《炎舞・弱火》
紅い炎が火炎放射器のように飛影の手から秋野へと放たれた
《》
秋野は右足を垂直に上げる
飛影の放った炎が、秋野の右足に集められ球体へと形作られる
「…これで、後は放つだけなんですけど…どこに放てば良いですかね?」
「飛影さんはあの状態なので、私に放って構いませんよ」
ソファに座ってお茶を啜っているリタ
構えも無いが、絶対強者級のリタにとっては構える必要もないものだと、秋野は判断して放つと、その判断は正しくリタは炎球を片手で掴むとそのまま握り潰した
「つまり、秋野さんの魔法は二つの性質があり、一つが空中に足場を展開すること、二つ目が相手の攻撃を球状にして返すことがあるということでしょうか?確かに一括りにできないかもしれないですね」
リタが秋野の考えを簡潔にまとめる
秋野は相違無いので頷くことで答える
「じゃあ答え合わせだな…秋野の魔法がやっていることは単純で集めて固めるだけ…足場を形成したのは足の下に空間を固めて秋野自身を集めているだけ、相手の攻撃を球状にして返すのは、相手の攻撃を集めて固めているだけ…ってことで説明はできる…だから、相手の攻撃だけじゃなくて風を集めて固めて放つこともできるし…空間を固めることに慣れれば秋野以外も空中で着地できるようになる。まぁ将来的なことは置いておいて、結論としては、秋野の魔法は集めて固める性質があることだな」
「なるほど!!」
飛影の説明を聞いて納得できた秋野
これで名前を付けやすくなると考えて、ふと止まる
「先輩ならどんな名前にしますか?」
秋野の問いに対して、飛影は再び即答する
「そうだな…漢字二文字で集固、読みはつどいかたまれ…かな」
「じゃあそれにします!!」
即決であった
魔法名は変更することができない
名前と魔法が結びつけられるため、違う名前にすることができないのである
「即決ですね…こういうのは自分で気に入った」
《集固》
リタが秋野に名前について説明をしようとする前に、発動してしまう
「おぉ…本当に集められる…」
風を集めて固めた秋野
興奮していてリタの言葉が聞こえていないようである
「いや~飛影先輩、名前をつけてもらってありがとうございます」
魔法を解除して脚を下ろす秋野
ニコニコと笑顔であった
「まぁ…本人が良ければ良いのでしょう…」
どこか諦めたリタであった
「ってかそろそろ動きたいんだが…」
身動きできない飛影の本音が溢れた
腕を枕にしている椿は無理矢理起こすことは可能であるが、お腹を枕にしているシーレイは起こしてはならないということで、退屈であった
「本当に申し訳ありません!!!!」
そんな飛影に土下座して詫びるリタであった
秋野の魔法に名前がつきました
それとお気付きだと思うのですが、アギト戦後やカガリ戦後に現れた少女はシーレイです。
飛影という枕のために頑張った健気な子です
ちなみにアンジェレネは馬鹿です
ハルカと良い勝負の馬鹿です