状況説明
驚くほど更新遅くなりました。
説明回です
「なんで彗と秋野までいるんだ?」
事情を説明するからと落ち着ける場所
つまりは、飛影の屋敷に全員いた
完全にリタとの闘いに熱中していた飛影は、ダドマ達や彗達がいることに驚きを隠せないでいた
「ダドマに連れてこられたんだよ」
いきなり、視界が変わったと思ったら壮絶すぎるバトルが繰り広げられていたのである
「そりゃ災難だったな!まぁ適当に寛いでいてくれ」
全員は応接間に座りきれないため、必要な者だけ応接間に集まることになった
メンバーは、
飛影、ダドマ、ギルギア、ラインの魔王関係者と
ハルカ、リタ、アンジェレネ、シーレイの神達である
他のメンバーは適当に寛いでいた
「じゃあ、説明しますね」
「ストップ!!」
紅茶を口に含み、軽く潤して話す準備が完了するハルカだが、すぐに飛影によって止められた
「ハルカ、お前は説明役に向いてない!…馬鹿すぎる!!リタは説明に自信があるか?」
「えぇ!っ!?」
「ありますけど…ハルカさんを差し置いて説明するなど私には無理です」
序列としてハルカはかなり上のようで、リタはハルカを立てるように断る
「……ってか飛影ってハルカと知り合いなの?」
「あぁ…それ俺も疑問に思ってたわ」
仲良さげな二人
初対面ではなく、仲の良さそうな二人にラインとダドマは疑問を抱いていた
「…そうだけど?」
何か不思議な言い方をされる
逆に何故ラインとダドマが知っているのかという疑問すら飛影に浮かぶ
「ちなみに、お前はどれくらいハルカの事を知ってるんだ?」
「え~と、神であり神王の部下であり、メリアの従者であり、俺の友達であり、超弩級の馬鹿」
ニヤニヤと笑う飛影
「酷い!!!!?」
飛影の予想通りの反応である
軽く涙目で大きいリアクション
「そして、俺よりも遥かに強い」
「え…と…そんなわけないですよ!!」
ニヤニヤと笑う表情は変わらないが、眼は真剣である
その圧力に一瞬だけ気圧されるが、すぐに笑顔に戻る
「…」
笑顔と笑顔がぶつかり合う
先に折れたのはハルカであった
「なんで解ったんですか!?」
溜め息混じりに笑顔を崩す
呆れと感心が折り混ざっている表情だ
ハルカの隠蔽能力はかなり高い
完全にばれないということはないが、気付かれる可能性もない
ハルカが狙って飛影に伝えていた強さは飛影達、絶対強者級と同程度である
そのため、飛影が自分より強いというのは、バレないはずである
「そうだな…ヒントは三つ…かな。一つ目はメリアの時、ハルカが言った言葉「私の神としての力はもう戻っていたので、絶対強者級が暴走しても御せる程度の実力者しか集められなかったですけどね」…だったよな…あの時の俺にとっての敵は4人、ゴーレム、鏡、影、毒と計画上はミリアを入れて5人だよな…正直に言えば最初の四人だけなら俺でもなんとかなるかもしれない…だが、ミリアの強さは俺とどっこいどっこいって所だ…それがヒント1」
「一言一句間違いなく覚えていられて嬉しいです!!」
飛影の推理よりもハルカはそっちの方に感動する
眼がキラキラと輝いて満面の笑みを浮かべている
「…記憶力は良いからな…ヒント2、これは超簡単さっきリタと手合わせしてた時の最後の一撃…魔法無しとはいえ、俺攻撃力最強だぜ?それを咄嗟にリタの蹴りを避けて俺の一撃を防げるのは驚いた」
「いや~あれ食らったら普通にリタちゃんはかなり痛いですから、咄嗟ですね~確かにあれはやり過ぎましたね~」
「ヒント3…今まで会った誰よりも、アギトよりも静紅よりも、カガリよりもダドマよりも、ギルギアよりもラインよりも、ミリアよりもリタよりも、アンジェレネよりもシーレイよりも、今まで会った絶対強者級の中でハルカ…お前が一番面白そうだからだってかこれが根拠だ」
災厄としての能力
飛影は知らないが、自分のことを殺せる者、または自分のことを殺せる可能性を持つ者に働く感覚
飛影はそれを面白さと解釈している
ハルカは今まで会った誰よりも、飛影にとって面白い者
そして飛影のことを殺せる者である
「あはは~さすが飛影さんですね…」
本人的には上手く隠していたつもりなのである
だが馬鹿なこともあり、所々にボロが出ていた
「んで、これが俺の知ってるハルカだが?」
「じゃあもう一つ情報をやろう、今回の主役は神界の王、神王っていうんだがそいつの懐刀だ」
ニヤニヤと笑うダドマ
「ダドマ…余計なことは言わないでくれるかな?」
そんなダドマに微笑みかけるハルカ
嫌な圧力がダドマに襲いかかり、僅かに冷や汗をかく
「…す…すまん」
咄嗟にハルカから視線を剃らす
そのやり取りを見て、飛影はあることに気付いた
「…あれ?ハルカ」
「はい、なんですか?」
飛影に呼び掛けられて、嫌な圧力も消える
「なんで俺には敬語なんだ!?」
「それは従者でしたし、その…あの…なんですかね…」
短い間であったが、飛影によって拾われて、そしてメリアの従者として過ごしていたため、その間に敬語を使うのは飛影としても理解できる
だが、今はそんなことも関係無い対等とは言い難いが、それに近いのである
基本的に敬語が嫌いな飛影としては、何故ダドマやラインにはタメ口なので、ハルカとの壁を感じる
「ハルカさんは、認めた方にのみ敬語を使います…私が知っている中でハルカさんが敬語を使っていたのは神王ただ一人…です」
ゴニョゴニョと何かを言いたそうだが言えないハルカの代わりにリタが説明をする
「そう!!そうなんですよ飛影さん!!」
リタの説明は間違ってはいないが、本質を捉えていない
しかし、ハルカは頷いて力強く肯定する
「ふーん…へー……まぁいいや…それで?何の件だ?助けてくれってのと、これだけ絶対強者級を集めて…」
どこか釈然としない飛影だが、かなり話が横道に逸れていたことを思い出して軌道修正する
「それはですね!!」
「…」
嬉しそうに説明しようとするハルカを飛影は見た
「…」
馬鹿なことを言わないようにと脳内で必死に考えるハルカ
「…大変なんですよ!!」
「成長してねぇ!!」
コートからハリセンを取り出して、頭を思いきり叩く
バシン!!と派手な音を立てて直撃するハルカ
ただのハリセンと思ってはいけない
今の一撃は一軒家を崩壊できる威力である
「…リタちゃんパス!!」
額を抑えて俯きながら説明役をチェンジする
「…では、完結に完璧に説明させていただきます。神界は神の世界でこの三界と同じように主軸として一人の王を中心に12人の部下がいます。そして事の発端は12人の部下を束ねていた神王が亡くなったことです」
一度言葉を区切るリタ
質問を待つように、全体を見渡す
最初の説明で何が起きたかを大体把握した飛影達は無言のまま
質問は無いと判断したリタは続ける
「さて、12人の部下ですが一枚岩ではありません。二つの派閥に分かれています。片方は革新派、一度三界を滅ぼして新たな世界を構築しようとしています。もう片方は保守派、三界には関与しないようにしています。」
再び言葉を区切る
質問の気配は無いと判断したリタは続ける
「革新派が三界を滅ぼそうとしている理由として、神の増加にあります。神界は神の世界、この人間界の日本では八百万の神というのが有名らしいですが、あらゆる神は神界に生まれます。実力の程度は違いますが神界にいるのは何かしらの神になります。今より500年ほど前から神の出生が増加し神界を圧迫しています。そのため革新派は三界を使ってこの問題を回避しようと考えています。保守派は神として、三界には迷惑を掛けまいと神界の中で問題を回避しようとしています」
今度は質問のためではなく、口の乾きを潤すため紅茶を口に含む
「神王は保守派で神王が生きていた頃は、革新派も大きな動きは無かったのですが、神王という壁が無くなった彼等を止める者はいません。保守派の私達ではどうすることもできないため、貴殿方に協力していただきたいと考えています」
長い長い説明を終えたリタ
「…ってことはここにいるハルカ、リタ、アンジェレネ、シーレイは保守派で残り8人は革新派ってことか?」
飛影からの質問
疑問ではなかったが、確認のためである
「そうですね」
「へぇ…丁度良い」
保守派
ハルカ、リタ、アンジェレネ、シーレイ
+
飛影、ダドマ、ギルギア、ライン
計8名と革新派も8名
丁度全員がサシで戦える
もはや、殺し合うことだけしか考えていない魔王達はニヤリと笑う
「とりあえず、相手の情報が欲しいな…良し!!」
飛影は立ち上がると、いきなり応接間から退室する
「彗~秋野~大人数で集まるとしたらどこが良い~?」
「…ファミレスじゃねぇかな」
「…そうですねファミレスとかはいいかもしれないです」
リビングで大人しく、お茶と羊羮を食べていた彗と秋野
唐突な飛影の質問にも、外食するのかと判断してファミレスを思い付き返答する
「了解!!」
飛影は一つ頷いて、再び応接間へと戻る
「よし、その革新派と対談しよう!!ファミレスで」
話し合いの場ではない
自分の殺すものを実際に見るための場である
『賛成!』
魔王達は意図が伝わり二つ返事で賛同する
「じゃあその場を設けますね~」
ハルカも微笑みながら賛同することで、神達の意思は固まった
そして、保守派と魔王と革新派の対談はファミレスで行われることになった
さぁファミレスで、世界の運命を決める戦いが始まります