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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
神々の戦い編
74/122

力の最強VS最速


今回の話は顔見せのようなものです。



リタと飛影の戦い

ダドマを始めとする絶対強者級が面白そうに見学していた


「おっと観客は多い方がいいな…」


神VS魔王の闘いは珍しいで片付けれるものではない

ダドマはニヤリと笑う


《方舟》


「へ?」

「は?」

「ほぇ!?」


ダドマが方舟を発動して治療を終えて一息ついた椿、休み時間に伸びをした彗、友達に宿題の範囲を教えてもらおうとしていた秋野が強制的に移動させられる

ダドマの正体を知っている彗は何をしたいのか、聞こうとしたところで


「ふっ!!」


始まった

リタと飛影の姿が一瞬で消える


『っ!?』


魔法無しとはいえ、全力の身体能力で移動する二人を視界に捉えることができるのは、絶対強者級だけであるが、飛影の拳、リタの金槌が激突した衝撃波と爆音で彗と秋野は縮み上がる


(速さは互角…じゃないな)


同じように音を置き去りにして高速で移動する飛影とリタ

だが、飛影の速さでは徐々に追い付けなくなる


完全に速度で負けていた


屋敷の壁を利用して急遽方向を変えたリタは飛影の反応が間に合わないほどの速度で接近

飛影の顔面を狙って金槌を降り下ろす


「っ!!?」


反射的に手甲で金槌を弾く飛影

僅かに隙ができたリタへと、拳を振るった


「遅い」


だがそれよりも速くリタの蹴りが飛影の腹へ突き刺さり吹き飛ばす


(防がれた…それにあの不意をついた一撃を軽くいなされましたね…力は私よりも遥かに高いようですね…)


えぐり込むような一撃を飛影はギリギリのところでコートで受けて衝撃を吸収して直撃を防いだ

地面に激突する前に体制を変えて跳ねるように着地


「攻撃、反撃されるのは危険だと判断しました」


「っはや!!?」


飛影が吹き飛ばされながらも、リタを視界から外すようなことはしなかったつもりであるが、飛影の予想を上回りリタは背後に接近

蹴りを放っていた


屈むことでそれを回避して、即座に離脱

飛影としては全力の跳躍


だがリタから逃れるには遅かった

既に接近して攻撃モーションに入っているリタ


少しは引き剥がせるかと考えていた飛影は反射でも防ぐことは叶わない


「っ!!」


飛影は咄嗟に黒鋼を変形

無理矢理に金槌の軌道まで棒状に伸ばし防ぐ


「甘い…名のある武器であることは理解していますが、そんな無茶な態勢で粉砕を防ぎきれませんよ」


ピシリと

金槌の面が当たった箇所にヒビが入る


「まずっ!!」


粉々にくだけ散るまでの刹那の時間

飛影は魔力を放出


黒鋼とかち合った時間と魔力をぶつけることにより、僅かにリタの攻撃の軌道がずれて頭を捻った飛影はギリギリ直撃を回避

お返しにとリタの腕に蹴りを放ち金槌を吹き飛ばす


「ちっ!!」


軽く舌打ちをするリタ

飛影は既に蹴りの反動を利用して態勢を完全に立て直していた


「めっちゃ痛い!!なにあの武器!!?硬性を持つ僕を砕くなんてあり得ないって!!」


既に掛けた部分の質量は伸性による能力で補っていた


「まぁ神の武器だから普通じゃねえだろ」


金槌の直撃を回避できなかった飛影はこめかみの部分が裂かれていて血が溢れていた

負傷を負ったのは飛影であるが、リタも蹴られた右腕は僅かに痺れていた


(…強いですね…それに発想とセンスが半端ではないですね)


確実に頭蓋にヒビをいれることが確信できた一撃だったが、こめかみを抉ったのみ


(武器の特徴よりも魔力の扱いが厄介そうです…)


僅かに軌道をずらされたのである

正確無比な操作で的確な箇所に一撃を当てられた

神でもそこまでの精密操作を行えるものはいない


飛影は軽くコートの袖で血を拭う

災厄としての治癒が働いており既に出血が止まりかけていた


(速いし、力もある…)


飛影は既に速度でリタに勝つのは諦めていた

魔王の中で一番速いのは、接近戦タイプの飛影であるが、遥かに速い


武器の性能もあるが、硬性の黒鋼を破壊したのは飛影としても驚きである

頬がつり上がる


(…面白い!!…違う意味で本気だすか…)


飛影の構えが変わる

攻撃を全面的に表現していた身体を傾け重心を前に集中させた構えから、棒立ちとも言える身体の中心に重心を置いている

僅かに膝を曲げて、両手は変わらず上げないで無造作に垂らすだけ


(…雰囲気が変わりましたね…何をするのかはわからないですが…まぁ良いでしょう…)


リタも笑みを浮かべると同時に接近した

互いの距離はたったの50メートル


あまりにも近すぎる距離であり、リタは容易く飛影の背後を取る

手には再び金槌が握られており、今度こそ飛影の頭部を粉砕しようと振るった


だが飛影もリタの行動を読んでいて、振り向きながら裏拳を放つ

飛影の裏拳は完全にリタを捉えて空振る


(残像!?)


裏拳を放った飛影の更に背後にリタは移動していた

攻撃の勢いをそのままに、態勢も崩さずに一閃


防ぐ時間も避ける時間も与えない一撃

裏拳を放った逆の腕が僅かにリタの腕に触れるが遅すぎる


強力な一撃は、飛影の頭上を通りすぎた


「なっ!!」


手加減や情けなどではない

完全に当てる気の一撃が空を切ったのである


僅かに態勢が崩れたリタに裏拳の勢いで一周回った飛影の裏拳が襲いかかるが、再びリタの姿は消える


飛影の裏に回り込むのではなく、一度飛影の視界から離れて再び元の位置へと戻り隙だらけの胴体めがけて、金槌を振り払う


「っ!!」


再び飛影が腕に触れると空振る

あらぬ方向に腕が挙がっていた


(受け流した!?)


種を理解したリタ

態勢を崩したが、その勢いで蹴りを放つ


飛影の顎を跳ねあげる一撃を再び受け流されたリタ


(…最大速)


インファイト

更に高速で動き回り、拳や蹴りを飛影に浴びせ続ける

だが直撃打は皆無であった


かわして、いなして、受け流す

リタの猛攻を受け流し続ける飛影の表情も焦りが生じていた


(速っ!!少しはこっちに攻撃させて欲しいもんだ…)


反撃をしないのではなく、できない飛影

リタが速すぎて、反撃の暇がなく受け流すだけで精一杯であった


実力を確認したかっただけのリタだが、当初の目的はすっかり忘れていた


「はは!!」


嬉しそうに笑いながら、猛攻は休まること無く飛影を攻め続ける


「ちっ!!」


そして、リタの一撃を飛影は流しきれずに直撃する

粉砕の金槌はコートの防御を突き抜けて飛影の肋骨を砕く


(捉えた!!)


金槌を持ち変えて、飛影の顔面に放つ

連打ではなく、倒す一撃


僅かに力が込められた一撃は飛影の狙い通りであった

飛影の手が金槌の先に触れると、リタの身体が宙に浮く


「!!?」


一瞬の判断ミス

吹き飛ばされれば再び、一撃を食らわせるにはかなり消耗してしまう

だが、リタの心配は関係無く空中で静止した


吹き飛ばされそうになったリタを支えたのは、飛影の右腕であった

しっかりと、リタの右手を掴む飛影の右手


「捕まえたぁ!!」


「っ!!?」


勢い良く引っ張り、リタを引き寄せる


(まずい!?)


リタは無理矢理反撃に移るが

飛影は食らう覚悟で力強く左手を握りしめる


攻撃力最強

力だけならば最強である飛影の一撃をまともに食らえば只ではすまない


リタの蹴りと飛影の拳が交差する


「そこまで!!」


リタの蹴りを首を捻ることで回避

そして肋骨が折れているが全力の一撃を叩きつけた飛影


「物凄く痛い…」


リタに直撃するはずだった一撃を紙一重で受け止めたのはハルカであった

涙目になりながら飛影の一撃を止めていた


「えっとこれは…勝ちですね!!」


飛影の眼前で微笑むハルカ

そのハルカの頭を叩く飛影


「邪魔すんな馬鹿!ってか主語がねぇんだよ!!」


「痛い!!飛影さんです!!飛影さんの勝ちです!!シーレイちゃんの予想通り、リタちゃんの負け!!」


相変わらず、馬鹿なハルカであったが魔法無しの怪我しているとは飛影の一撃を防いでいた


《レーリス・治癒》


ハルカは魔法を発動

優しい白い光が飛影とリタを包むと、一瞬で完治する


「…」


事実としてリタはハルカに助けられたのであるが、不服そうに少しだけ頬を膨らませている


「ほら…リタちゃん!!」


ハルカはリタの頭を叩く


「なんか新鮮だな…」


いつも飛影に叩かれる側であるハルカが他の者に同じようなことをするのが、飛影としては新鮮であった


「わかりました。…飛影さん、まずは試すような真似をしとしまい申し訳ありません。貴方の実力は確かなものです。どうか私達を助けてください」


渋々といった様子だが、真剣な声色


「良いぞ!!」


飛影の返事は速かった



今回、新キャラはでていないです。

狙いとしてはリタというキャラの印象付け

ハルカに対しての疑問を狙って書きました


次話では説明会ですね。

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