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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
コトハ編
53/122

言葉


出張やら何やらで大変遅れまして申し訳ありません。

新章突入です。


メリアにある中学校


メリア魔法学校は遠い

または、親元を離れたくないと様々な理由はあるものの、世界一を誇る魔法学校ではなく、平凡な学校に通うものも、それなりの数はいる


少女もその中の一人であった


理由として魔法学校の入学する際に、学校まで歩くのが面倒

それだけの理由で少女は家から徒歩一分の学校に通っていた


銀髪に紫の瞳

髪は肩まで伸びていて無造作に括っている


少女は学校の授業をサボって学校の図書館にいた

大量の本で周囲を囲むように山を作っていた

遊んでいるのでなくやっていることは読書である


一度読んだ本の内容は絶対に覚えることができるという特技を持つ少女は学校の授業より遥かに上の学力を持っていた


教師よりも学力があるため、授業免除されている程である


(これで最後の一冊か…)


中学校にある図書を全て読み終わろうとしている少女


歳は14歳

中学校二年生

たったの一年で学校にある図書を読破した


(明日からはどこの図書館に行こう…)


既に授業免除を貰っている少女はこれから卒業までの期間を寝て過ごしていても優秀な成績を修めて卒業することができる


(お城の図書館にでも行こうかな…)


平凡な学校と言ってもメリアの学校であるため蔵書数は少なくはないが、城にある図書館は文字通り桁が違う

魔王が持っていた図書が並び滅んだ都市の図書や大分前の有名な本の初盤等も蔵書としてあり、本好きの者ならば一度は行きたいと夢を見る程である

といっても、入館するのに特別な資格などは必要無く一般開放されているため誰でも入ることができる


(…魔王ね…どんな方かしら)


先日に200歳になり、国中が祭りになっていた

もともと魔王は騒ぎたがりらしいのであるが、国のお金では絶対にやらないと決めているらしく10年前までは祝い事など無かったのであるが

国民の総出でメリア城に意見として魔王のためのお金を集める魔王騒ぎたいボックスを作成


そのおかげで国民の好きに祝えるようになったのである


少女は生まれてから14年メリアに住んでいるが魔王の姿を見たことがない

周りの会ったことがある者達の意見として

素晴らしいお方

凛々しい

気ままな方

明るい方

格好いい方

可愛らしい方

身長が…ゲフンゲフン

と異口異音で人物像が掴めていなかった


ただ、特徴として黒のコートに刀を腰に指している少年の姿ということは誰もが同じことを言っていた


「今日はきりあげましょう」


残りの一冊

速読でパラパラと本を読む


周りからすれば、ただ本を勢いよく素早くページ送りしているだけであるが、少女の脳にはその内容が記憶される


そして帰ろうとする前に自分で作成した本の山を見て


「はぁ…」


溜め息を吐いた

山を作るつもりは無いのであるが、気付けば山を築いてしまう


翌朝


授業免除とはいえ、最初の出席だけはしなければならない

少女はその僅かな時間が嫌いであった


出席のためと廊下で深呼吸して教室に入る


クラス中がニヤニヤと笑いながら、少女を見る


少女の机は落書きだらけであり、内容も中傷するものであった

そして椅子にはこれでもかと言う程の糊が塗られている

机の中には大量のゴミが詰められていた


頭が良すぎるが故に苛めを受けていた

教師よりも頭が良く、その性で学校の教師ですら黙認している


ぎゅっと拳を握り震えながらも、予想して準備しておいた紙を取り出して椅子に敷いて座る


その途端にクラス中が舌打ちをした


一瞬だけ震えるも、弱みを見せたらつけ込まれることを知っている少女は毅然とした態度でやり過ごす


教師が出席を取るほぼ直前に来ているため、すぐに教師が来て出席を取り始める

自分の出席を取った少女はすぐに立ち上がり教室から出ていく


教室の扉を閉めてから少女は大きく息を吐く

顔面蒼白で全身から汗が吹き出ていた


(やっぱり、嫌だ)


大きく深呼吸して学校を出る


(今日はお城まで…はぁ…遠いな)


運動嫌いな少女は城を見て溜め息を吐く

思考を切り替えることは慣れていた


普通の人の倍時間を掛けて城に到着した少女

息も絶え絶えで少し門に身体を預ける


「えっと…君…大丈夫かい?」


見かねた門番が少女に声をかける


「…」


声を出す余裕すら無い少女は微かに首を横に振る

門番はもう一人に水を持ってくるように指示をして、少女に水を渡す


「!?」


すぐに受け取り、一気に飲み干した

息も整ってきて、身体の渇きも無くなってようやく少女は立ち上がった


「ありがとうございます」


深々と一礼


「図書館に用かな?」


「はい」


中学生の少女

門番はきちんと礼儀を知っている子だな~と感心する


「入って右だよ…くれぐれも他の箇所には入らないようにね」


武器を持っていないことを確認して門番は身体をずらして道を開ける


(…凄いな)


改めて門をくぐり間近で城を見上げる

圧巻される迫力を感じた


初めて門をくぐる者は似たような反応をするため、門番は苦笑する


ふと、少女が見上げると窓が割れて誰かが落下していた


「…え?」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


男性が落下しながら叫んでいた

声に聞き覚えがありすぎる門番


「リックス王ぉぉぉ!!?」


メリア城ではいつもの光景

地面に激突する前にリックスの身体が浮く


「あの野郎!!落とすなよ!!」


リラコに似てダンディな髭を生やした60歳になった王様であるリックス


「くっそう!!」


と悪態をつきながらも、少女の前を通り過ぎようとする


「リックス王何やってんですか」


いつも通りとはいえ門番が呆れて溜め息を吐いていた


「飛影に落とされた」


(…目の前にいるのは本当に王様なんだ…というよりも王様落とすって…飛影って人は一体…)


悶々としている少女に気付いたリックスは軽く肩を叩く


「ひゃい!!?」


いきなりのことに身体がびくついた少女


「図書館に用なんだろ?楽しんでこい」


笑いかけられ、リックスは仕返ししてくると門番に伝えると走って姿を消す

少し経って正気に帰った少女は城の中へと脚を進める


説明された通りに進むと渡り廊下が見えてその先には巨大な建造物が繋がっていた


「…でかい」


あまりの大きさに足が止まる

恐る恐ると、建物の中に入った


瞬間的に納得してしまった

これを格納するにはこの大きさじゃなければ無理だと


本本本


無数にも思える程に本棚が陳列され右も左も上も本棚で埋め尽くされていた


大きさでいえば世界一を誇る中央図書館よりも小さいのであるが、学校の図書館と比べると比較対象にすらならない


本が多いが、わかりやすいようにカテゴリ分けされている

少女はまず何から見ようかと考えながらカテゴリ表を見る


(魔法…?)


そのカテゴリ表の中には魔法と魔術と初めて目にするカテゴリがあった

魔法という響きが気になった少女は真っ直ぐに魔法カテゴリの場所に移動する


自分の荷物を読書スペースに置いて

試しにてきとうな本を一冊読み始める


内容は目を見張るものがあり少女はすぐに一冊を読破する

少女の中で何かの歯車が回った気がした


(もっと読みたい)


そしてふらふらと何かに憑かれたかのように、本をてきとうに持っていき山を築き上げる

上巻下巻に分かれている本もあり、少女は上巻を見つけて山に追加する

下巻がどこかと探すが付近には見つからない


一分ほど探すと、恐らくマナーの無い閲覧者が元の場所に戻さなかったでろう、上巻があった場所よりも高い場所に下巻があった


手を伸ばすが届かない

台はあったのだが、少女には重すぎて運べなかった


五分ほどなんとかしようと頑張った少女だが進歩は無かった

諦めるという選択肢は無い、そして誰かにお願いするという選択肢は思い付いていなかった


全力でジャンプ

城までの徒歩という少女にとってはかなり無茶をさせた足でジャンプするも届く気配が無い


「ん!?…なんか面白そう!!」


不意に声が聞こえた


「どうした?その下巻が取りたいのか?」


少女がその方向を見ると、自分よりも少し歳上な黒いコートを着た少年がいた


ニコニコと笑う少年

ようやく少女は誰かにお願いするという選択肢を思い付いた


「はい」


お世辞にも身長が高いとは思えなかったが、少年であれば台を持ってくることも可能だろうと判断して少女は頷いた


「あの…もしよければ手伝ってください」


「いいよ~暇だし」


意を決して頼む少女に対し少年は笑顔で即答した


少女の予想とは違い少年は台を持ってこようとはせずに、ただ対象となる本を少し見ただけ


《風華・本取りだし》


風が下巻を本棚から引き抜いて少年の手に落ちる


「はい、これでいいか」


「え?…と…今のって」


少年から本を受け取りながらも、少女は目の前で起きた現実が理解できていない


「魔法だぞ」


その反応に満足したのか、少年はニヤニヤと笑う


「申し遅れたかな!!俺の名前は飛影だ!!敬語はいらないからな」


さっきの王様を落とした者の名前であった

気さくに笑いかける飛影


「私の名前はコトハ。良かったら話聞かせてほしい」


飛影の魔法を目の前で見て、

歯車が完全にハマった感覚を少女は覚えた


これが飛影とコトハの出会いであり、コトハの人生が転機する瞬間であった



出張が辛かったです。

全然書けなかったです。頑張ります。


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