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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
メリア編
46/122

クドの日常

クドの日常です。


感想いただけたので更新が早くなりました

はい、調子乗りました


「…最近クドに嫌われてる気がする」


食堂でぐったりとしている飛影

その正面には椿が、その隣には従者の18歳程の少女であるハルカがいた


「どうしたのいきなり?」


来て早々のことである

かなり精神的に病んでるような表情でテーブルに突っ伏した飛影


「飛影さんなにか食べ物取ってきますか?」


「頼んだ~」


もはや動く気が起こらない飛影

それを察したハルカは一礼すると食事を取りに行く


気配りができる良い人物なのである


椿はお茶をすすりながら、飛影は突っ伏した状態でハルカと食事を待つ

三分後にはできたてご飯がテーブルに置かれた


「それで…どうしたの?クドちゃんに嫌われてるって」


「最近、俺避けられてる気がするし、よそよそしくなった」


現在年は流れ、クドは15歳となった

14歳の頃に、

あれ?私って王位関係無いから遊べる?と悟ったクドはそれを悲しむどころが有効に活用していた


メリア魔法学校に入学し、現在一番上のSクラスである


「謎だね…飛影嫌われるようなことしたんじゃないの?」


「そんなことは無いと思うんだけどな~」


全く見に覚えが無い飛影


やったことと言えば

落とし穴

超絶高い高い(500メートル程上空に投げる)

痺れ薬入りの食事

程度である


それを程度でくくって良いかの判断は難しいが、日常的に行っているため飛影はそれが原因かもしれないとも思っていない


ある日いきなり避けられるようになったのである


「…最近の姫の変化ってわかりますか?」


もしかして…とハルカが質問を口にする


「えっと…まず、今まで飛影お兄ちゃんって言われてたが、飛影になった。まぁ嬉しいような悲しいような変化だな、あとは…俺と眼を合わせてくれないし、すぐに離れようとするし、抱きついたら顔を真っ赤にして本気で嫌がられた。あとは…リラコとリックスも同じような感じらしい」


「あぁ~」


それを聞いて予想が当たっていたことを確認できたハルカ

苦笑いをする


「いきなりってことはやっぱり飛影がなんかやったんだよ」


それに反し飛影が何かやらかしたと考える椿


「やっぱりそうだよなぁ…しかし全くわからん!」


頭を抱えながら、記憶を遡ろうとする飛影


「飛影さん、大丈夫ですよ」


「なんだ!!?何かしってるのかハルカ!!?」


「知ってはいるんですけど、まぁ簡単に言えばお年頃なのですよ」


飛影と椿には無かった、あるいはまだ無い…あるいはもう終わった思春期というものである


「飛影さんは悪くないですし、嫌われてもないんですけど…少し距離を置いた方かいいかもですね」


多感な時期

思春期とはそういうものである


しかもハルカが聞く限りは反抗期も一緒になっていると判断できるため、少し落ち着くまでは距離をおく方が良いとの判断である


「なるほどな~よくわからんがわかった!!」


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


「最近飛影と接することができない…」


メリア魔法学校のお昼休み

戦闘訓練後の疲れた身体に精神的な疲れで机に突っ伏しているクド


綺麗な金髪の髪は腰まで延びていて邪魔だからと後ろで一括りにしている


「クドちゃんどうしたの?」


普段は元気良い少女のクドだが、元気がない様子に友人であるミレイが顔を覗きこむ


ミレイはクドと一年ほどの中で田舎町からメリアに憧れてメリア魔法学校に入学し、僅か二年で魔法を習得し、Sクラスまでかけ上がった才能ある少女である


歳はクドより一歳年上

ショートの髪にリボンが特徴の可愛らしい少女である


「ミレイ~聞いてよ~最近飛影と接せれないの~」


身体全体で哀しみが表現されていた

クドの言葉にミレイはまたか、と苦笑いを浮かべる


「また魔王様のこと?」


クドから話には数えきれないほど聞いたミレイだが実物には会ったことが無い


「話しかけたいのに~なんか恥ずかしい~」


「思春期だね~」


「最近避けられてるし…きっと嫌われたんだ~」


思い出したのか暗い表情に戻るクド


それは昨日のことである

休日のため、丁度良いと飛影になけなしの勇気を振り絞って話しかけようとしたが、飛影は勢い良く顔を背けて逃走したのである


飛影にとってのハルカから受けたアドバイスの距離をおくの認識を精神的なものではなく物理的にだと勘違いしていた


一目で避けられたとわかってしまったクド


「…私は魔王様のことよくわからないけど、そんなすぐに嫌いになる方なの?」


「そんなはずは…ないと思う」


クドが知る限り飛影が嫌いになるということは、喧嘩が必ずある


飛影の態度はわかりやすい

好きならばコミュニケーションを取りに行く

嫌いならば殺し合いまたは喧嘩を始める

無関心ならば、完全に何もしない


クドは飛影と喧嘩をした覚えも無関心になられてもいない

つまり早見表で見ると好きなのである


「飛影がわからない~」


しかしそうなるとコミュニケーションを取るはずの飛影が距離をおくという行動の説明ができない


頭を抱えながら思考に没頭する


「そういえば私は魔王様にお会いしたことがないのだけど…強さってどのくらいなの?ミーツ君より強いとか?」


このままではマズイと判断したミレイは話題の方向を変える

ミレイが言ったミーツという人物

特徴としてはSクラス最強

歳は18歳の魔法使いである


まさに別格というもので、二番目の実力者であるクドとは壁一枚挟んでいた


「アハハ!!ミレイ面白いこと言うね!」


吹き出すクド


何を言ってるんだか

やれやれ

と溜め息を吐く


「飛影は魔王だよ!?ミーツじゃ話にならない!!…と思う」


飛影の本気を見たことは無いクド


「大戦を一人で終わらせたって習ったけど大戦がどんなのだったかわからないしね」


少し昔、

アイステンペストが滅ぼされた時期から

メリアがボジョンドと戦っていた時期まで


およそ50年ばかり


その70年は歴史には大戦と名付けられていた

世界中で戦争が起こっていた時代なのだ


余談ではあるが、飛影と椿はその大戦中に道楽を極めたのである


その大戦を一人で終決させた魔王飛影

各国の学校の歴史の授業では、各々の解釈でまとめられているが授業として習うのである


しかし、悪く言えば平和ボケしている世界

飛影の全力を見たことがあるのは、既に生きてはいない


そのため、飛影の絶対強者の実力はメリア魔法学校の生徒は知らない


「でも格好良いよね~大戦を終わらせた理由がセツネ女王を守るためだなんて」


各々の解釈でまとめられているが、メリアはただ唯一真実を教えている


「お祖母ちゃん飛影と仲良かったからね…」


あまりセツネとの思い出は無いクド

だが飛影仲が良かったということはうっすらと覚えていたし、城の者からの話でも教えられていた


違う意味で暗くなり始めた雰囲気


「クドは魔王様と戦ったことがあるって聞いたけど、強さはわからないの!!?」


「戦ったっていうか訓練だけどね…とりあえずこっちの攻撃は全部避けて私を落とし穴に落とす」


落下の恐怖を思い出したのか顔が青くなる


「落とし穴?」


上手くイメージができないミレイ

何故訓練に落とし穴なのか


「飛影は一切攻撃しないけど、結果は全敗」


あれは無理だとどこか遠い目をする


「おいクド!!」


「なにミーツ?」


血相を変えて、教室に現れたのはSクラス最強のミーツである


濃い紫色の髪に程良いガタイ

一位と二位だが二人の仲は良くも悪くもない


「これを見ろ!!」


バンと力強く机に一枚の紙を叩きつける


「魔王の特別訓練?」


その紙には魔王直々に実戦訓練を行うというものであった


「あの魔王と勝負できるんだぞ!!こんなに光栄なことはないだろう!!」


「私はよくやったから知らな~い」


そんなことにはテンションが上がらないクド


「とりあえず飛影に頑張って話しかけよう!!」


ミーツを無視して、意気揚々と気合いを入れるクド


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


後日


「あっいた!!」


城を歩いていたクド

正面から飛影が歩いてきていた


クドが気付くと同時に飛影も気がついたようで、身体を硬直させる


もう逃がすまいと走って追いかけるクドに対して飛影は窓から飛び降りて逃走する


「逃げるなぁ!!」


《ロア・特攻形態》


同じように窓から飛び降りながら魔法を構築するクド

特攻形態は飛影から禁止されている奥の手である

巨大な弓がクドの身体を包み込む


着地と同時に発動しようとして地面が抜けた


「あ…」


落とし穴だと気付いた時には既に時遅く、そのまま落下する


「いぃぃぃやぁぁぁぁあ!!」


《風華・クド救出》


落下しきる前に風がクドを包み込み、地面へと移動させる

気付いた時には飛影の姿は見えなくなっていた


「うぅ…」


その場に崩れ落ちるクド


その後、クドは椿に相談しハルカが現況だとわかったため、ハルカを呼び出して説教してどうにか飛影に避けられることは無くなったのである


余談ではあるが、

クドが飛影に対しての態度は思春期特有の行動であるが、

リックスとリラコに対しては反抗期特有の行動であった


感想いただけるとなんか、ニヤニヤしちゃいますね。

本当に読んでいただきありがとうございます。


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