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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
メリア編
41/122

40話な小話

更新が圧倒的に遅くなり申し訳ありません。

それはある日のことであった

魔界のメリア城

深夜で満月の光が大地を照らしていた


飛影は城の屋根に寝転びながら、空を眺めていた


「は~…」


景色がよい雲一つ無い空

飛影は夜の景色が好きであった


そのため、セツネや椿が寝静まった頃を狙ってたまにこのように空を眺める

そんないつもの日常


だったのだが


「へぶ!!」


空中にいきなり現れた人影が落下して飛影の腹と顔面を狙ったかのように打ち抜く


「む…?…なんじゃ…そこにおったのか…小さくて気付かんかったの…許せ」


それは人間界の魔王補佐のギルギアであった


さて、飛影の上に落下したことは決してわざとではない

ラインに勝利したと聞き、闘争本能が爆発したギルギアはダドマに頼み込んで方舟で移動してきて、その移動先がたまたま飛影の上だったのである


「小さ…!!?」


飛影の年齢は軽くお爺さんレベルだが、その身体は17歳ほどで成長が止まっている

セツネよりも小さい


それを物凄く気にしている飛影

セツネがからかった時の八つ当たりで山が消し飛んだほどである


ギルギアは高身長であるため飛影と頭一つ分差がある


完全にわざとであるが、まだ踏みつけているギルギアを退ける飛影


「成長期になる前に成長が止まっただけだババア!!」


それが飛影の言い訳である


「バ…」


今度はギルギアの番であった

ギルギアの歳は億を越えている


ババアというのは禁句であった


二人して互いの地雷を踏みあらした


「あっはっはっはっは」

「ほっほ~う」


どす黒い笑みを浮かべる飛影とギルギア

さすがに、メリア城で戦うなどはしない飛影

殺気全開でにらみ合いながら顎で場所を変えるように伝える


迷惑が掛からない上空

飛影が結界を張り準備は整った


「ふん…ラインを倒した実力とやらを見せれると良いのう…チビ…」


「そっちこそ、接近戦最強とやらを見せてもらおうじゃねぇかババア!!」


互いに血管がぶちギレていた


これが、将来犬猿の仲と呼ばれる飛影とギルギアの初めての喧嘩であった

結果は、飛影の敗北


全身の骨という骨にヒビが入っていて、所々折れている重傷

なんとか、メリアに戻った飛影は安静にしながら

あのババアいつか殺す

と呪詛のように呟いていた


勝利したギルギアは

鎧龍の強固な鎧である鱗がひび割れ両腕の骨は骨折という傷

人間界に戻り、飛影と同じように傷を治すために安静にしながら

あのクソチビ完膚なきまでに殺す

と呪詛のように呟いていた


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


リラコ、現在七歳

まだまだ、両親と遊びたい年頃のリラコ


父親とは不自由なく遊べるのだが、母親と遊んだ記憶はあまり無い

理由として、


「よっし!!飛影行くぞ!!」

「オッケイ!!学校の設計はできてんのか!?」

「勿論だ」


二人仲良く歩いて最近世界一の学校を作るために外へと出ている飛影とセツネ


「…またかよ」


それを嫌そうに見るリラコ

リラコは飛影が嫌いであった


母親を自分から奪った飛影が嫌いであった


(なんで…あんな弱いやつに)


ふて腐れた顔で廊下を歩くリラコ

弱いやつというのは飛影のことである


魔王の意味を知らないリラコにとっては飛影は

なんかうるさくて

なんか絡んできて

女の子である椿にボコボコにされている者である


リラコの頭の中では、椿に腕相撲で接戦の末、勝った(椿は空気を読んだ)ので椿よりも弱い飛影


何よりもリラコが飛影に行っているイタズラに恐怖しているのだ


つまり


セツネ>>リラコ>椿>>飛影


という考えである


「あ~つまらない~…母上でもつけるかな~」


思い立ったら即実行の七歳リラコ


メリアの王族として生まれたリラコは魔法使いであり、生まれながらにして人を越えている

そのため、他の子供と比べ活発すぎるのが困ったところである


リラコは窓から飛び降りてセツネと飛影が歩いていった方向へと向かう


「あれ?ここって?」


飛影やセツネだけでなく沢山のガタイの良い男達が集まっていた

そこは一夜にして無くなった山があったところであった


本来なら山の入口に差し掛かるが、見事な荒れ地に更地である

噂では、魔法使いの仕業であると伝わっているが、リラコはそれを信じる気は無い

魔法使いであるリラコは七歳なりに常識を持っていた


そのため、それがかなりありえないことだと知っていた


(なにやってんだろ?)


隠れる場所があまり無かったリラコ

こっそりとつけることが目的であるため、躊躇無く魔法を使う


《線透》


リラコの姿が視認できなくなる

魔法線透は線を消す魔法である


この場合の線は一直線とも置き換え可能で今回は、自らに当たる光の線を消している


慣れた様子で指示を出すのはセツネで、飛影は設計書や建築、デザイン等を確認し、セツネと確認を行う


「…なんか普通に…仕事してる」


遊び呆けているのかと考えていたリラコだが、少し考えが改められる


初めての母の仕事をしている姿を見て二時間が経過した

お腹が空いたリラコはその場をあとにして市街地へと向かう


「ん~?」


ファーストフードを食べながら、リラコは集団を発見した

全員自分よりも少し年上か同年代の集団


胴着姿でどこかの武術の門派だと窺える

世界一のメリアは戦闘力という意味でも例外は無い


メリアにある武術の門派であればトップクラスである


そんな五人くらいの集団

良く見れば中心に一人の弱々しい少年がいた


今にも泣きそうな少年

周りにいる集団はニヤニヤと笑いながら囲っている


「つまんねぇことしてんだな~」


たまたま人がいない時間帯

リラコの声は集団にも聞こえた


「あっ?んだよ行くなら行けよ」


発言したのはその集団の中でも年長者であるリラコの倍程の歳の少年であった


「…」


リラコはまだ7歳である

魔法使いであるリラコにとって武術をやっている少年などただの子供である


「気に入らない」


そしてまだ子供であるリラコは感情が表に出る

考えるよりまず行動である


魔力を解放し身体能力を強化

子供の目には捉えきれない速度で苛められている子供の近くにいる少年を殴り飛ばす


振り返り様に裏拳ぎみに拳を振るう


一番の年長者である少年はギリギリで見切ると片手で防御の構えを取りカウンターでもう片方の手で攻撃の構えを取る


《線透》


リラコの拳は防御した腕をすり抜け顔面に直撃する

防御してからのカウンターをしようとした少年のリズムは崩れて、攻撃をまともに食らいカウンターは空を切る


リラコの線透は線を透かす、または消す魔法である

防御しようとした線である腕を物理的に透かしたのである


同じ年頃の武術を習っている子供達を相手にリラコは寄せ付けずに完膚なきまでに戦闘不能まで追いやった


キズは一つも無い


「大丈夫か?」


蹲っている少年に優しく声をかけるリラコ


「え…?」


恐る恐ると顔をあげる少年

視界には爽やかに笑うリラコと立ち上がらせようと手を差し出していた


少年はリラコの手をおずおずと握ろうと手を伸ばす


「お前か…?俺の弟子をやったのは」


低い声がリラコと少年に響いた

瞬間にビクと少年は震えて手を引っ込める


「あ?お前が師範か?苛めてたから制裁しただけだっての」


振り返るリラコ

そこにいたのは、筋肉隆々のガタイのしっかりした男である


「子供の喧嘩に出るのは恥ずかしいが、やられっぱなしでは気がすまんからな…気絶する程度に痛め付けてやろう」


ゆっくりと構える師範

構えは無駄がなく相当な実力者である


「へっおもしれえ」


リラコはまだ七歳であり、実力差を知るにはまだ若かった


見よう見まねで構えを取り


《瞬歩》


一瞬にしてリラコは懐に入られた


「!!?」


《線と》


「遅い!!」


リラコの線透は線を透かすか消す魔法

正拳突きという攻撃の線も透かすことができるが、時間が無さすぎた


回避も防御も魔法も使う暇も無く正拳突きがリラコに放たれ紙切れのように吹き飛ばされる


衝撃と同時に吹き飛ばされたリラコ


「っ!?」


トスと柔らかい何かに抱き寄せられる


「おっと、大丈夫か?」


優しく声をかけるその人物はセツネであった


「母上が助けてくれたのか!?」


思いきり吹き飛ばされた筈だがダメージはまるで無い


「いや、違うぞ」


リラコの頭をぽんぽんと撫でるセツネ


「じゃあ誰が?」


「…しかし、リラコも少しは戦えるようになったな。五人を相手に勝つなんてな…これはそろそろアイツに頼んで戦闘訓練でもさせようかな」


ぶつぶつと一人言のように呟くセツネ


「アイツ?」


そんな中、リラコはその単語に興味がでた

セツネは指を指してアイツを示す


男の正拳突きを片手で防ぎ、もう片方の手でリラコをセツネに投げ飛ばした飛影を指した


「おいおい…ガキの喧嘩に大人が出てくるもんじゃねぇよ」


「むぅ!?」


男が力を入れても飛影の腕はまるで動かない


「飛影!?」


「あぁ」


飛影とセツネはリラコが来て見物していたことはすぐに察知していて、逆にリラコのあとをつけていたのだ


「アイツ俺より弱いのに!?」


リラコの本心からの一言に思わず

わぁお

と言ってしまうセツネ


「大きくでたな~…まぁ何を思っているかはわからないが、見てればわかる」


リラコを降ろすセツネ


「…お前、やるな…」


一度距離をとる師範

再び構えを取る

対する飛影は構えは取らずに自然体で立っていた


飛影からの圧に負けないように深呼吸と同時に魔力を解放

反則級の中くらいほどの魔力


「睦月流派師範…シヌラ参る!!」


両足で地面をしっかりと掴み接近するために力を溜める


《瞬・瞬き正拳つ》


「ん?やるか?」


魔法を構築しようとしたシヌラから戦意を感じとり飛影はニヤリと笑う

目と目が合い


「っ!!?」


師範の背筋が一瞬にして凍りつき、その場で固まる


「お前も名乗ったから名乗ろうか…魔法使いの頂点、魔法使いの王の魔王飛影だ」


魔力を僅かに解放する飛影


「くっ…」


冷や汗が全身から溢れ身体は震えて次元の差が明確に感じとることができた

そしてシヌラは魔力を抑えて再び構えを取る


「ん?」


「…中途半端な一人の反則級ではなくただ一人の武術家として手合わせを願う」


「はっ!!いいぜ」


シヌラの行動に笑う

たかが、反則級の人間が絶対強者級の魔王の飛影に実力差を知ってなお挑むのだ


飛影は同じように魔力を抑え構えは取らずに手を伸ばして手招きをする

それが開戦の合図であった


「ぬぁぁぁあぁあ!!」


シヌラは気合の掛け声をあげながら飛影に突進

体重差を利用しての突進

避けようとすればその方向へと拳を放てるように拳は軽く握られている


「よいしょ」


飛影の歯抜けな声と共に視界が反転するシヌラ


「は?」


地面が空にある

そう気付き投げられたと認識し身体が反応するまで0.1秒ほど

それですべてが終わる


蹴りがシヌラの横面に直撃

再び反転し正位置に戻ったシヌラの顎を更に蹴りあげる


「実力が足りなすぎたな!!」


掌打がシヌラの鳩尾に突き刺さる

顎の一撃ですでに意識が無いシヌラがくの字に折れ曲がり、壁に突撃する


「俺の勝ちだな」


魔力の有無は関係ない圧勝劇


「すっげぇ!!飛影超強いじゃん」


興奮を抑えられないリラコハ

この一件以来、リラコは飛影と仲が良くなった



いや~なかなか執筆時間が取れないです…



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