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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
メリア編
39/122

カガリとの再会


なんの感動もない再会です


カガリの朝は早い

天国にやってきてかれこれ50年


もともと絶対強者級であるカガリは歳を取らない天国の仕様にもすぐに適応していた

飛影がやってくるまで、一万年ほどかかる見込みを立てているカガリ

自分でもラインに勝てればというのは酷い条件だと考えてしまう


だがさすがに暇が潰せないのでカガリは教師をやっている

育つことができなかった子供達

天国とはいえ一人きりになると不安が襲い掛かっていた


カガリはその子供達の篝火となっていた

幸いにも生前も暇だったので色々な本を読んでいたカガリはどの世界の言葉も理解できている


(今日も学校だ~)


欠伸をしながら、ベランダへ向かう

天国は一人一部屋は用意されている


カガリがいるのはマンションで10階立ての10階に住んでいる

生前に絶対強者級であったため、優遇されているのだ


学校と言っても所詮小規模な青空学校である

生徒数も10人ほど

緑に囲まれた中で行う


朝は若干弱いカガリ

外の空気を吸って目を覚ますのが日課だった


そんなある日

誰もいないからとジャージ姿でベランダに出る


(ねむむ~)


うとうととフラフラとしている

寝癖もボサボサでパジャマもはだけている

女子力皆無である


「おっすカガリ!!」


「にゃむ?」


眼を開ける前に10階のベランダという侵入は難しいところの筈であるが、喜びが声色に含まれている、どこかで聞いたことがある声が聞こえた


「むに~?」


カガリの体感的に10トンほどの瞼を頑張って開ける


「久しぶりだな!!」


そこには、懐かしく愛しいそしてどこか雰囲気が違う笑顔の少年がいた


「…ひえい?」


「おう!!覚えててくれたのは嬉しいぜ!!」


まだ頭が覚醒しないカガリ

現状を全く理解していない


「ぬ~あがって~」


眠気マックスの表情で飛影を招き入れる


「おう!邪魔するぜ」


カガリの足元を見て靴を履いていないため、飛影は靴を脱いで部屋に上がる

かなり広い部屋であった


「てけとーにくちろいど~」


何語を喋ったのか飛影は判断が間に合わなかったが、てきとうにソファに座る飛影

そしてカガリは欠伸をしながらシャワーを浴びようとパジャマを脱ぎながら風呂へ向かう


「っておい!!」


慌てながら眼を逸らす飛影

カガリは全く気にしていない


「う~あー」


シャワーを浴びるカガリ


「い~き~か~え~れ~」


三分ほどボ~としながらシャワーを浴びる

次第に意識が戻ってくる


「あれ…」


「いや…あれ!?」


「いやいや…あれ!?」


「いやいや…あれあれ!!?」


そしてようやく自分が何をしていたのか理解した


「ギャァァァァァァァァアアア!?」


素っ裸で顔を真っ赤にしながら叫ぶカガリ


「なにやってんの!!?なにやってんの私!!?」


本来であれば湯に浸かるところであるカガリだがすぐさま着替えるカガリ

久々に本気をだして飛影へ接近する


「私はナニヲシタァ!!?」


「何をって、寝癖大量にパジャマもはだけてる状態で、更に風呂に入るときにここで全裸になったぐらいだな」


赤裸々に語られたカガリ

嘘偽りなく語った飛影


「うぐっふ…」


少々ダメージが大きすぎて、その場に崩れ落ちたカガリ


「けど、カガリが朝弱いとは思わなかったな…あの時は普通だったのに」


世界を壊すモノとの戦いが始まる前まで、飛影はカガリの家で寝起きしていたがカガリはいたって普通であった

だから実際飛影も驚いていた


「…うぅ…しゃああぁい!!過ぎたことだからもう気にしない!!」


楽天家なカガリ

切り換えは早かった


「あの時は…寝てなかったからね!!ずっと起きてた!!」


「…アホだ」


「今回は不意をつかれたからダメだったけど…っていうかなんでいるのさ!!?私ラインに伝えたよ!?」


カガリが死んでたかだか60年と少し

ラインに勝つには早すぎる


そのためカガリはラインの伝え忘れを疑った


「いや、勝ったぞ」


「…何に?」


「ライン」


「…」


(あ~まだ私寝ぼけてる…いや夢だこれは)


ありえない

飛影の言ったことを現実として捉えられず現実逃避を始めるカガリ


「…もしかして、ド腐れ魔法を発動してないラインとか?」


完全に現実逃避をする前に一番ありえる可能性を聞いてみるカガリ

思考がグチャグチャであるが、魔力だけで朝ごはんを作り始めているのは流石としか言えない手際であった


「いや、使ったラインだな…」


カガリは飛影の眼をじっと見る

嘘をついているような目ではなかった


「まぁ殺しあいなら負けてたが…」


殺し合い最強

飛影とラインの戦いが殺し合いであったなら飛影はヘリオトロープを使う前に死んでいる


「とりあえず、どんな感じだったの?」


状況が気になったカガリは説明を求める


飛影説明中>>>>>>>>>>>>>>>>>>


「へ~、ヘリオトロープって話に聞いてたけど…そこまで強力だとは思わなかったな~」


幻想魔境を封じることができれば勝機はある

飛影の説明を聞いて納得した


ヘリオトロープの副作用については飛影は説明をしていない


「色々と強くなったね」


食事を終えて、コーヒーを飲むカガリ


「ぶっちゃけヘリオトロープは諸刃の剣だからな…何が起こっているかわからない、何が起こるかわからない、そんな隙をついて短期間で倒さなきゃ負けるんだよな~馬鹿みたいに消耗するから…」


複数の魔法を発動することができるヘリオトロープは相手が先を読むことができない

魔力がバカ消耗なので一瞬で潰さなければ魔力切れを起こして無力化してしまう


「へ~……あれ?………あぁぁぁぁあぁあ!!?」


強くなったな~とカガリは感嘆し気付いたカガリ


「遅刻するぅぅぅう!!?」


カガリは体内時間が正確であるため、部屋に時計はない

そのため、ふと気付いてしまった


現在は朝の九時

青空学校の開始は九時


遅刻するではなく遅刻確定である


「ん?」


カガリは立ち上がって食器をシンクにぶちこむ


《クリエ》


窓を開き羽を造る

そしてそのまま、一直線に向かう


「おおい!?」


《炎舞・加速》


飛影も急いで魔法を発動し追っかける


カガリの家から何キロも離れていない

たかだか一キロ程

魔法を使用しなくとも一跳躍ですぐである


「ギッリギリセーフ!!」


僅か二秒

カガリが着地してすぐに飛影も着地する


「なにがしたいんだ?」


「おぉ~飛影速くなったね~…ここはね」


「お~す、カガリっち遅かったじゃん!!」

『おはようございます』


カガリが説明する前に、高校生ほどの少年を先頭に挨拶が行われた


「青空学校っていう感じで、ようは私が教師の学校」


「へ~学校ね~」


そういえば、と飛影はまだメリアに世界一の学校を作っていないことを思い出す

企画者である飛影とセツネが学校に行ったことがなく、具体的なイメージが出来ないことが原因である


「カガリっちそいつ誰!?」


高校生ほどの少年が飛影について訪ねる


「だってさ…」


カガリが自己紹介を促す

その時点でようやく飛影はその少年に気付いた

一瞥しすぐに興味が無くなったようにカガリへと向き直る


「俺も受けて良いか?」


「?…いいけど」


少しの違和感

カガリは飛影の普通の人間嫌いを知らないのだ


「っておいおい…無視すんなよ~」


完全無視に少し苛立ってしまった少年は飛影の肩を掴もうと手を伸ばす


「わと!!?」


いち早く気付いたカガリ

少年の腕を斬ろうとした腕を掴む


「…もしかして、飛影って人間嫌い?」


「興味がないだけだ」


「なるほどね~」


何があったかは察しがついたカガリ

飛影の頭をわしゃわしゃと撫でる


「じゃあてきとうに座って…それから皆は彼と関わらないでね!!死ぬから」


あはは~と笑顔のカガリ


「それじゃあ始めようか」


緑が多い空き地にホワイトボードがあるだけのノートも無い授業が始まった

飛影が意外なほど頭が良くてカガリが焦ったのは余談である


次で天国も終了です


2月14日はハチャメチャで一話書くんで遅れます


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