篝火との戦い
更新…
とりあえず、ハチャメチャからの人に伝えます。
年明ける頃に再びおまけで一話投稿する予定です。(仕事がなければ)
おまけですが、お楽しみください
戦うことは双方の合意があったが
カガリが家の中では戦えないからという当然の理由でカガリと飛影は場所を移す
絶対強者級とそれに近い反則級の戦いでは木造の家ごとき一瞬て消し飛ぶ
二人がやってきたのは洞窟である
カガリの家から二人が走って10秒ほど先にある洞窟
特別用で結界が張られておりちょっとやそっとのことでは壊れない
「さて…やろうか…」
「いつでも大丈夫だ」
洞窟の奥は広いドームになっており互いの距離は二メートル
「ルールは～殺しなしだけでいいよね?」
「任せる」
魔法使いを殺しまくった飛影であるがカガリには殺る気が起きない
単純に絶対強者級に自分の実力を試したいのだ
絶対強者級と戦うのは10年ぶりになる飛影
身体が戦いたくて疼いているのが理解できた
対するカガリはニコニコと笑うだけ
魔力を一気に全解放する
「ほぉほぉ…これはなかなか～楽しめそうだね」
飛影の魔力はカガリよりは低いが絶対強者級と呼べるほどに高い
刀を抜く飛影
合図もなしに一瞬で距離を詰めて完全に殺す気で薙いだ
「うぉわ!?」
しかし先手を取って最速で攻撃したがカガリは飛影の予想通りに完璧に対処する
刃の腹を横殴りして軌道をずらす
そして逸らすと同時に逆の手が拳を作り反撃される
飛影は攻撃が流された瞬間咄嗟に刀を離した
態勢はそこまで崩れてはいないおかげで防御が間に合った
左腕で防ぎ蹴りを喰らわそうと動く
「フフン」
カガリはニヤリと笑い拳の魔力をそのまま放つ
「っ!!?」
威力自体は低いただの魔力の放出だが、蹴りを放とうと重心の軸がずれた隙を突かれた
１０メートルほど後ろに引きずられる
飛影は反射的に真後ろに蹴りを放つ
「にょ!!?」
追い討ちをかけようと接近していたカガリに直撃する
咄嗟に防御したが、吹き飛ばされる
防御した腕が少し痺れていた
「おぉ～魔法無しの戦いなら普通に絶対強者級に届いてるねぇ、でも勘違いしたら駄目だよ…私はタイプでいうなら接近タイプじゃないし…絶対強者級は魔法使いなんだ…魔法で勝たなきゃね」
《クリエ》
アハハと笑うカガリの背中から大きな羽が生えた
純白の羽
「…」
飛影はクリエの羽に一瞬魅入ってしまった
あまりにもきれいな魔法の構築
ダドマやギルギアの完成された静かで荒々しくもある魔法の構築よりも
自身の拙い魔法構築よりもただ無駄なく美しい
《クリエ・疾風羽根》
カガリが羽ばたくと同時に無数の羽根が飛影へと襲い掛かる
「っ!?」
《炎舞・一本槍》
量より質
飛影が放ったのは緑色の炎の槍
貫通力を重視してカガリに向け射出
最速で出せる最も威力が高く貫通力がある飛影の槍
羽根は紙切れのように吹き飛ばされカガリは笑う
「ふっふ～」
《クリエ・六根羽》
カガリの手から六枚の巨大な羽が構築され炎の槍を包み込んだ
「な…」
完全に無力化され、飛影はもう一度と魔法を構築しようとする
「あっま～い!!」
カガリが余裕の笑みで指を飛影に向ける
ここで一つ飛影が気にしなければならないことは、
飛影の一本槍によって吹き飛ばされていた羽根
燃やされたり消滅はしていないのだ
ただ吹き飛ばされただけ
ヒラヒラと空を舞っていた羽根がカガリが指差す方向
飛影へと一斉に襲い掛かる
「ちっ」
同時多角攻撃
避けようにも隙間は無い
《炎舞・スリーカウント》
右足に炎が纏い飛影は地を踏み抜く
《炎舞・ワン》
炎圧と風圧を浴びせ吹き飛ばそうとするが勢いが若干減っただけ
《炎舞・ツー》
左足に炎が纏い飛影は地を踏み抜く
右足の炎も同時に燃え上がり緑色の炎が周囲を焼き尽くす
しかしまだ半数以上は残っている
《炎舞・スリー》
炎を全身に纏いそのまましっかりと地を踏みしめた足による脚力と炎による噴射でカガリまで高速接近
五本ほど羽根が突き刺さったが致命傷ではない
「お～…」
「ふっ!!」
飛影はそのままの勢いでカガリに蹴りを放つ
《クリエ・硬質羽》
カガリは腕を十字に構えて羽を腕に巻き付ける
防ぐつもりである
カガリの悪手に飛影は勝機を見出だした
このままの勢いで蹴り飛ばしてもカガリに恐らくダメージは無いと飛影は予測できるが、この勢いなら吹き飛ばすことは可能である
僅か数手のやりとりだが、実力差は理解できた飛影
吹き飛ばした後に魔法を使わせることなく、追い討ちをかけて肉弾戦に持っていけば勝つ可能性もある
飛影の全力の蹴りとカガリの腕が真正面からぶつかり合う
「こんのぉ!!」
「むむむむ!!」
互いに拮抗する
だがカガリが吹き飛ぶ様子は無い
精一杯の全力で蹴り飛ばした筈だがカガリか後退する様子も無い
「あぁぁぁぁ!!」
炎の噴射を強くする
そして僅かにカガリの足が後ろに下がる
「うそぉ!!?」
カガリの驚いた声が飛影の鼓膜に届いた瞬間大きな地震が起きる
「!!?」
カガリの攻撃かと考えて飛影は後方へと飛び距離を放す
地震はほんの一瞬であった
「どんだけなのよ!!」
カガリは硬質羽を腕だけでなく足からも構築し衝撃を受け止めるために、地中に張り巡らしていた
根を深く張っていたがカガリの足が動くことは大地が動くことと同じである
「攻撃力なら充分絶対強者級じゃない…魔法の使い方がもっと上手くなれば軽く私を追い抜きそうね」
カガリの表情が真剣味をおびたものになる
《クリエ・六枚羽》
カガリの背に羽が六枚生える
威圧感が増加する
「かなり本気だすよぉ!!」
「っ!?」
《炎舞・デ》
飛影が魔法を構築しようとした瞬間
既にカガリは接近し一枚の羽が巨大化しながら飛影へと放たれた
魔法の構築なんてする余裕は無い
ただ屈む
屈んだその先にはカガリの蹴りが放たれておりまともに直撃する飛影
「ぐ…!!?」
身体が空中に浮かんだ瞬間
四枚の羽が飛影の四肢を絡めとる
「はい!私の勝ち!!」
残る一枚の羽が飛影の腹を穿つ
「ぐっそ…」
だらりと四肢の力が抜け意識を失う飛影
「やりすぎちったかな?…まぁ大丈夫か…うん…この若さでこの実力は凄いよ、これなら<世界を壊すモノ>との戦いにも参戦できそうだ…それで…どうかした?…喧嘩なら買うよ、今凄い気分が良いの」
背後に気配を感じたカガリ
「…」
カガリは沈黙を肯定と捉え、振り向き様に六枚羽の三枚羽
片翼を全て使い背後にいるものを叩き潰そうとする
「…?」
カガリの攻撃
絶対強者級の一撃を首を傾げながらその手に持っている巨大な鍵で一閃
ただの一撃でカガリの羽の半分が引き裂かれた
「っ!?」
カガリはここでようやく相手の姿を見ることができた
眠そうに眼をシバシバとさせている少女
それはアギトの所にも現れた少女である
神の翼も背中から生やしていたが、本人の気分も表しているのか緩くへこたれていた
「喧嘩…売る…違う…伝える」
攻撃の迎撃用であったためシーレイはすぐに鍵をしまう
空間に鍵が吸い込まれる
「伝える…ねぇ」
「お前…三日…死ぬ」
「はぃ!!?」
いきなりの死刑宣告
しかも言葉が足らなさすぎるのも影響している
「伝えた…だから…知らない」
神の少女はそれだけ言うと、飛影に飛び乗る
飛影の反射で弱々しくあるが普通の人間を殺す限りでは充分な拳が放たれる
だがやはりその前に避けつつ飛影の頭を撫でる
「…」
それで満足した神の少女は洞窟から出ていった
「神からの死刑宣告か…笑えないなぁ～」
一人残されたカガリは飛影を背負い家へと戻る
今年のラストアップです
読者の皆さまよいお年を…
