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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
鬼編
117/122

佐藤秋野の危機

はい、いやー定時退社気持ちいですね

というわけで、更新が少し早くなりました。


予告どおり、あきのん物語です

(あっれ~~?なんで私こんなことに巻き込まれてるんだろう)


飛影とリーベが酒を馬鹿みたいに飲んでいる中

ちょっと普通ではない女子高生である佐藤秋野は妙なことに巻き込まれていた


場所は銀行


隅っこに追いやられているお客

怯えながら鞄にお金を詰める銀行員

そして、銃を持っている黒マスクをした3人


そう、銀行強盗に遭遇していた


秋野はただ、親に頼まれてお金を振込みに来ただけであったが、いきなり黒マスクをした3人が入ってきて銃を天井に向けて注目を集めて、お決まりの鞄に金を詰めろとの言葉


しかし、強盗犯にとって不幸なことに黒マスクが入ってきた瞬間に非常ベルが誤作動し、防犯シャッターが下りて現在に至る


既に警察に取り囲まれているため、犯人達の気は荒くなっていた

だが、そんな状況でも秋野は平常心であった


なにしろ、普段が普段であるためこの程度でびくつくようなことはないのである


「あのーそろそろお母さん心配すると思うので帰っていいですか?」


空気読まずにこのレベルの発言を出来る程度に余裕があった


「何言ってんだガキぃ!大切な人質をはいわかりましたで帰すと思ってんのか!!?」


「いや…それはそうだと思うんですけど、早く帰らないと晩御飯が無くなっちゃうんですよ」


周りの人質となっている客が秋野の暴走を止めようとしているが、秋野としてはそんなことより今日の晩御飯の方が大切である

飛影達の影響で、ただの人間が銃を持っていてもたかが知れているということを知っているからだ


「命と晩御飯どっちが大事なんだてめぇは!!?」


強盗犯も何言ってんだこいつ的な目で秋野を見ている

それも当然だ、こちらは銃を持った男3人である

通常であれば、晩御飯より重要度が高い危機的状況だ

強盗犯からすれば秋野は唯の馬鹿であった


(こういうときは…確か飛影さんが使ってたあれを!!)


秋野は男達を睨み付ける


「帰してください」


そう、言霊である

とりあえず、秋野は飛影がやっていたように相手を睨みつけて言葉にした


「人質はこんだけいるんだ…見せしめに殺せ」


しかし、まぁ当然ながら唯睨んで言葉にしただけで言霊になるわけもない

飛影の言霊は絶対強者級という理から完全に外れた存在が、膨大な敵意と殺意を持って言葉にすることで効果が発揮する

反則級の秋野といえど、きちんとやれば通常の人間程度であれば可能であるが、ただ睨んだだけであるため殺気も敵意も無い秋野の言霊は、可愛いというよりも美しいという形容詞が似合うアホな食欲命の少女が見ているだけというものである


当然そんな程度で引く覚悟を持った強盗犯ではなく、秋野へ躊躇無く一斉に発砲する


(あれ!?駄目だった!!!!?なんで?先輩簡単やってるじゃん!!)


秋野は効果が無いことに驚きながら、向かってくる弾丸二つを見ながら避ける

腕は良いらしく、顔面に一発、肩に一発向かってきていたが、首を振りながら腰を落として回避

直ぐに態勢を戻すと秋野は大きく溜息を吐く


「はぁ…実力行使で行きますよ」


秋野がこのような尋常な動きができる理由

ただの銃如きで怖気づくことが無い理由


それは同じような訓練を飛影から受けたためである


(あ~弾丸って避けれるんだなー何で避けれるんだろ?前は指が動くタイミングで避けてた気がするんだけどなー)


それは少し前のことである

魔法を習得して、少し経った頃

彗と秋野の訓練が実施された


「よぅし!!じゃあ訓練すっぞ訓練!!魔法を使えるようになったからにはコレから先なんか試練とか待ってると思うからそれに対する準備だ!!」


『え?』


秋野と彗の言葉が被る

呼び出された彗に対するメールの文章は


遊ぼうぜ(;_;)


何か魔王がこんなメールを送ってきていることが可哀想になり、来た彗と


彗来るから家来る(・ω・ )?


という大きすぎる釣り餌に食らいついた秋野である

そして集合して開口一番の言葉がそれだ


「意味がわからねぇえ!!」


「ほい!じゃあ訓練スタート!彗は右腕、秋野は左腕が相手だぞ!!取り合えず10回連続回避を心がけること」


《炎舞・これがホントのサプライズドッキリ体当たり企画》


飛影の指に炎が灯り、一斉に発射される


「ちょま!!へぶぅ!!」


右腕から発射されたピンポン玉程度の大きさの炎が弾丸以上の速度で彗の額を打ち抜く


「ちょ!!飛影先輩何やってんですか!?」


打ち抜かれた彗は額を押さえながら転がっていた


「次あきのーん」


嫌な予感を感じ取り、魔力を解放する秋野と同時に左腕から同じくピンポン玉程度の大きさの炎が5発発射される

全力でその場から跳躍するが、炎は軌道を変えて秋野へと迫り全弾直撃する


魔力を解放していない彗と違って、痛みはさほどでもない


「ちょま!!なんですかコレ!!?何ですか!!!!!!?」


彗が立ち上がりながら魔力を解放するのを確認して、秋野に再び5発放つ飛影


《集固・とりあえずストップ!》


秋野は前に脚を出して魔法を発動

炎を集めて固める

しかし、集めた炎は3発のみ

残りの二発は秋野の背後に接近し頭を叩く


「痛いですよ!!」


《集固・先輩のバーカ》


3発固めた炎を飛影に発射

同じく弾丸以上の速度で迫るそれを飛影は指を鳴らすだけで静止させる


「秋野のそれは、相手の攻撃を集めて自分の配下において固める。なので同じく魔法でできた俺の炎を再び俺の配下に置けばなんのもんだいもなーし!!」


ニヤリと笑いながら飛影はステップアップとばかりに倍の数の炎を発射

ようやく痛みから解放されて準備万端な彗には5倍の数の炎を発射する


「なんで多くなってんだよ!!!!!」


《限界突破・とりあえず逃げる!》


脚力を強化して後ろに跳躍

30メートル程距離を離そうと跳躍したが、その彗の後頭部が壁にぶつかる


「ほぐぁ!!」


再び後頭部を抑えて転がる彗


「ざーんねーんでーしたー!既に俺から半径30メートルは風の結界を張っている!!逃げ場は無いぞ!!」


そしてなんかテンションが上がっている飛影の訓練が開始された


(あれのせいか!!!!?)


避けれる原因を把握した秋野

飛影にとっては軽い訓練、秋野にとっては地獄の訓練を思い出して冷や汗をかく


弾丸の速度はその時の炎よりも遅い

更に銃と違ってホーミングする飛影の炎を50発まで避けれるようになった秋野にとって、弾丸程度は水鉄砲のようなものである


移動のみで脚力にのみ魔力を集中させて、一瞬の内に男二人を殴って気絶させる


「銃なんて酷いですよ!!か弱い乙女を傷付けるつもりですか!!?」


「お前がか弱い乙女な訳ないだろうがぁぁぁぁ!!!」


残りの強盗犯からすれば、一瞬で男二人を殴り倒した秋野である

恋する乙女であるが、もはやそれは乙女ではない


そして、それが男の刑務所に入る前の最後の言葉であった


「デリカシーがありません!!」


軽く常人が視認できない速度で接近して器用に魔力を抑えた蹴りが男の顎を捕らえて蹴り上げる

魔力を抑えたとはいえ、まだまだ魔力を扱うのが初心者である秋野のその蹴りは男の頭蓋を粉砕するには充分すぎる威力であった


「やりすぎじゃ」


そして、その蹴りは寸前で止められる


「相手はあのチビじゃないのじゃから、もう少し加減を覚えて方が良いの」


飛影であれば、無傷

しかし、常人であれば頭蓋骨が弾ける


そんな一撃を止めたのは、飛影と同じ絶対強者級のギルギアであった

シャッターは閉まったままである


「あの方と将棋をしておって、もう少しで詰めそうじゃったが貴様が魔力を解放したのでな…見にきおったが厄介ごとに巻き込まれおって」


はぁ、と溜息を吐くギルギア

基本的には飛影以外には優しいギルギアは、何かあったかと思い直ぐに駆けつけたのである

その間にダドマは、詰めされそうな状況の盤の駒を動かしているが気にしない


「ふむ、素人とはいえ銃を持った3人に圧勝じゃな…ついこの前までは通常の人間と等しいものがここまで短期間に強くなるか……まぁ良い取り合えず後始末じゃな」


目立ちすぎじゃとギルギアは溜息を再び吐く

携帯電話を取り出すと、ダドマへとコールする


「我じゃ、居場所はわかっておると思うので割愛するが何も無かったということで解決じゃな」


【はいよ】


銃弾で傷付いたタイルが元に戻ってくる

恐怖で怯えていた客の意識が無くなる

周辺を囲んでいたパトカーが一斉に解散する

野次馬は興味が無くなったかのように離れていく


「コレで良しじゃな…ほれ、晩飯が待っておるのじゃろう?子供ははよう帰るのじゃ」


その光景に眼を奪われていた秋野は、ギルギアの言葉で我に返る


「へ?あ…あぁ~そうですね!晩御飯が抜きになってしまう可能性があるので私はこれで帰ります!!ギルギアさんありがとうございます!!」


晩御飯を思い出した秋野は直ぐに退散する

そして残ったのは、強盗犯3人のみ


「忘れておった。あの子供はチビが面白いと思うておる子供じゃ…良かったの傷がつかなくて…傷がついておったら貴様等は殺してくれと思うほど痛みつけられてから殺されておったじゃろう…これが我の手向けじゃ」


《グラビティ・無》


強盗犯の近くに、3つのブラックホールを発生させる

それは一瞬で強盗犯たちをこの世から消滅させた


「ふむ…これにて決着じゃな。さて、どうやって将棋から他の遊戯へと変えるかを考えねばならんの」


後に残るのは気絶している店員と客と、ダドマによって圧倒的有利から圧倒的不利になっているであろう将棋版を想像して微笑むギルギアだけであった


あきのん書きやすい。。

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