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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
鬼編
115/122

デスキア

はい、一ヶ月よりも遅くなりましたね!

言い訳をまずさせてください。


先月稼動が280時間を越えて土曜日も無かったんです。

更に今月も土曜日は無いんです

更に夏休み(笑)なんて、取れないから宜しくね!と言われたんです


しょうがないんですよ!!


はい、申し訳ありません。



「それで…助けるって何のことだ?」


吸血鬼の少女リーベと知り合ってから10分後

色々と話を聞きたい飛影は、リーベと共に喫茶店にいた


本来であれば、自宅に招き入れたかったがリーベに家に住んでいる者たちの素性を教えると「絶対に嫌」

と返されたためである

リーベは喫茶店に入るのが初めてなのか、周囲を見渡していたり飲み物の頼み方がわからず、注文もワタワタとあわてたため、飛影と同じコーヒーを注文していた


「そうね。私は今命の危機を迎えてるのよ…と、ちょっと待ってて」


リーベは、目の前にあるコーヒーをテーブルの端に寄せる

そして、一瞬苦虫を潰したような苦痛の表情を浮かべると机に倒れ付した


「???…また死んだな」


唐突に、突然にリーベは死んだ

先程の公園でも同じことが起きていたので、特に驚くこともない

周囲の人間も、リーベがお子様な外見のためか疲れて寝てしまったという程度の印象しかなかった


「…ふぅ」


時間にして1分ほど経過すると、再び生き返ったリーベは起き上がる


「簡単に言うと、バンパイアハンターに追われててね…100年ほど前にある魔法をかけられたわ。そのバンパイアハンターは絶対強者級でどんな吸血鬼も殺すって噂が流れてて…私もそいつと会ったのよ」


何事も無かったかのように説明を始める


「そいつの名前は、デスキア。恐らく最強のバンパイアハンターね…私はちょっと吸血鬼の中でも強すぎたから慢心しててね…何もしないから一発だけ当ててみていいわよって言っちゃったのよ」


やれやれと小さく溜息を吐いて、コーヒーを口に含む


「っ!!!?」


口に含んだ瞬間、身体を大きく跳ねさせるとワタワタと手を振り出した


「…」


飛影はテーブルに置いてあったナイフを使って人差し指に傷をつけてリーベへと差し出す

美味しい血が流れているのを確認したリーベはテーブルから身を乗り出して、飛影の人差し指を躊躇い無く口に含む


たったの一舐め分で、血は止まったがそれだけで充分であった


「何よこれ…苦すぎるわ」


「あ~やっぱりそっちか…一瞬さっき死んだから血が足りないかと思ったけど」


外見がお子様なリーベは舌もお子様らしく、ブラックコーヒーをにらめ付けていた

そんな様子に、飛影は立ち上がると砂糖とミルクを三つずつ持ってきてコーヒーに投入

スプーンでかき混ぜてから、リーベに飲むように促した


「…えっと…どこまで話したかしら?」


恐る恐ると、コーヒーを口に含む

砂糖とミルクによってコーヒー牛乳のように甘くなったコーヒーは気に入ったらしく、テーブルに置く前にもう一口含んだ


「デスキアの攻撃一発食らったとこまで」


「あ~そうね。そいつの魔法はベルゼブブって言って虫を生み出す魔法なのよ…それで私の心臓にも一匹の虫が付いちゃってるのよ。10分に一回心臓を食らう虫、しかも吸血鬼限定のやつ…普段は私の血と同化してるから潰しようが無いし、魔法解除するような魔法でも効果はないっていう最悪な魔法よ」


「…ん?ちょっと待て…10分に一回心臓を食らう虫だろ?吸血鬼の回復性は失われるのか?」


10分に一度

不死性を持つ吸血鬼でも、再生力には限界が存在する


一般的には100回殺せば、殺せる

過去に飛影が吸血鬼を殺した時は104回殺すと、再生せず死んでいった

だが、連続で104回殺しただけであって、半日~1日程放っておけば再生力は回復する


特に支障は無いはずである


「まさか…言ったでしょ。吸血鬼限定って、吸血鬼の再生力の回復も阻害するのよ。お陰で100年前からずっと死にっぱなしよ」


(ちょっと待て!!)


その話を聞いた瞬間に飛影は計算を始めた

10分に一回死ぬ  =1時間に6回死ぬ

1時間に6回死ぬ  =1日に144回死ぬ

1日に144回死ぬ  =1年で52,560回死ぬ

1年で52,560回死ぬ=100年で5,256,000回死ぬ


つまり、リーベは今再生力の回復も出来ない状態で、526万6000回死んでいるのである


「前は心臓を食らわれても即時再生してたから、死んでる時間は無かったんだけど流石に回復力が尽きてきて、最近は死に始めてきてるわ」


「半端ないな…でも魔法解除でも解除できない魔法に掛かってるのにどうやって助ければいいんだ?」


魔法解除も無理、虫を直接殺すことも無理となると飛影には手出しのしようがない


「え~と、多分私が死ぬのは3日後の夕刻時ってところかしらね…その直前くらいにデスキアが来るはずだからそいつ殺」


言葉が途中で途切れたかと思えば、再び机に突っ伏して死んでいた


(……不便だな)


飛影が思ったこと

それはリーベも思ったらしく起き上がると


「あぁぁ!!もうめんどくさいわね!!」


と机をバンバンと叩きながら不満を漏らしていた


「まぁ大体話はわかった、3日後に来るはずのデスキアを殺せばいいんだな?けどなんで来るってわかるんだ?」


どこの世界にいるかわからない対象を殺せと言われるよりは飛影としても楽であるが、普通は殺せることが確定しているならそのまま逃げおおせてるだけである

わざわざ来るとは判断できないだろう


「簡単よ、他の犠牲者全て例外なく、デスキアは必ず死ぬ10分前に来てるから…要はちゃんと殺してるのを確認したいっていうよりは、完全に死ぬ姿を見たいっていう変態ね」


異常性欲者の行動までは読めなかった飛影

まぁ納得したと返事をしてコーヒーをおかわりする


「10分か…結構きついけど、そいつの実力はどんくらい?」


絶対強者級でもランクはある

飛影の周辺にいる絶対強者級を殺すには1日以上の時間が必要である

それに自身が殺される危険性も充分にありえる


逆にハルカが言うには飛影のストレスを解消する為に利用した

メリアを侵略してきた絶対強者級程度であれば、即死も可能である


「実力ね…実際に戦ってないけどゴミよゴミ、私がちゃんとしたときなら10分も掛からず殺せるわ」


リーベ的には下等生物というよりもゴミという評価である

それほど強くは無さそうに聞こえるが飛影としては重要な情報が無かった


「リーベの実力すらわからんのだが」


「ん~と、貴方魔力全開にしてみてくれない?」


リーベとしても飛影は強そうで血が美味しいという評価であるため、比較的に判断しやすい魔力の解放を促す


「わかった」


唯の結界も張ってないような喫茶店では、飛影が魔力を全開にした瞬間全壊する

しかも、その規模は喫茶店だけでなく極力最小限に見積もっても周囲100mは圧力と暴風により吹き飛ばせる

そのため、下準備が必要である


飛影はコートのポケットから小さな石とチョークを取り出すと、自分を囲うように文字を書き始める

当然店の備品である椅子やテーブルにも被害が及んでいるが気にしていない


「簡易結界?別に周囲なんてどうでもよくないかしら?」


魔力を全壊にしても結界を張っておけば被害が出ることはない

正直に言えば、周囲の人間は餌か家畜としか思っていないリーベにとっては意味の無いことであるが飛影としては、ダドマにどやされるのが面倒なためである

飛影の屋敷であれば結界は張ってあるので気にしていないが、喫茶店では別である


「こっちにも事情があんのっとできた」


簡易結界の準備ができた飛影は魔力を解放する

それは気まぐれで世界を滅ぼせる絶対強者級の中でも規格外とされているモノ達のみが、所持している魔力量である


(……驚いたわここまで強いなんて…全力の私と同等ってとこかしら?これなら)


「充分よ…飛影が全力で戦えば相手は必ず10分以内に仕留められるわ…魔法は何を持ってるの?」


「炎と風かな。もう一つあるけどそれは緊急じゃないと使わないから」


虫を扱うデスキアへの相性はかなり良い

暴風で虫は吹き飛ばせることが可能で、炎で焼き殺すことも可能である


「完璧ね!じゃあ3日後の夕刻に頼むわ…私はそれまでテキトウにそこら辺をふらついてるわ」


勝利を確信したリーベが席を立とうとしたが、その手を飛影は掴んで止める


「いやいや、リーベがどう思ってるかわからんが、10分に一度死ぬようなやつを放って置けるかって。家が嫌なら適当にホテルでも使えばいいし、3日後まで何か色々話しようぜ?俺はリーベのことが知りたいしな」


面白センサーが反応する相手か、メリアに住んでるもののみに働くコミュニケーション能力

飛影としては他意は無いが、第3者からすれば口説いているように聞こえたという


「へ?」


そんなことを言われたのは初めてのリーベは、恐らく生まれて初めて顔を赤くした


途中で放置は絶対にしません。

遅くなって本当に申し訳ありませんが、末永く生暖かい眼で応援いただけたら嬉しいです

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