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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
鬼編
114/122

血を吸う鬼

最終章開始です

飛影が学校帰りのときである

他のメンバーはそそくさと各々の用事があるため、帰宅しているため一人での帰宅である


本気を出せば、1秒にも満たない時間で帰宅できるが、不老である絶対強者級にとって急ぐことに関して特に無関心である


(面白いことでもないかね~)


帰り道に、隣町まで行って限定のクレープを一人食べながら帰宅している飛影

頭の中にあるのは、この退屈を紛らわしてくれる面白いことを考えることでいっぱいである


(神界にでも行ってハルカでも驚かせに行こうかね…あの世界楽しかったし、ハルカの反応が面白かったし…というか個人的にハルカの強さをちゃんと知りたいし)


前に神界に行ったときのハルカの反応と、強さと飛影が感じる面白さが断トツであるハルカ

ハルカの本当の実力を飛影は知らないが、災厄の勘としてハルカの強さは今まであった誰よりも強いと頭の中で決定している飛影


そのハルカから神界行きの転送札を100枚ほど貰ったので、行くことに関しては問題は無い


(…まぁさすがに、今は王が変わったわけだし忙しそうだから止めとくか…こないだ行ったけど流石にあのアホっプリだからまだ業務溜まってんだろうな~)


セツネとの経験を生かして、現在のメリアの王族で教科書になっている飛影のノウハウまとめ書、それをキチンと理解すれば、管理するという点において不自由することがないもはやマジックアイテム認定されるほどのものを飛影はハルカに渡していた


恐らく、馬鹿でもわかるように作ってあるそれでも、ハルカの度が過ぎている馬鹿には対応できないだろうな~というかお茶こぼして中身が全て消えてるとかもありえそうだ…と思いながら飛影は次の退屈しのぎを考えていた

ちなみにであるが、飛影の予想は大当たりでありお茶を零した後に、慌てたハルカは更にコーヒーを零して更に慌ててハルカが隠している魔法"スプライト(全てを狩る剣)"を発動し、お茶とコーヒーだけを消滅させようと振るったが慌てていたため力の加減を間違えて本を消滅させてしまっていた

その後、1週間は枕を涙で濡らして仕事をサボり、写本はあるという言葉を忘れてどうしようかと悩んでいる最中であった

本人としては、飛影に会える口実はできたが折角貰ったものを駄目にしてしまったという背徳間との戦いが絶賛繰り広げられ中である


(逆に、ラインとこいってアユリと戦うってのも有だな…楽しかったしラインの邪魔もできるし…いや…けどそれを考えると、ダドマと本気でやり合ったこと無いよな…ガキの頃は完全に敗北したけど…今ならいい勝負できる気がするような気がする…無限の魔力に気をつけて接近戦に持ち込めば意外と戦える気がするが、神との戦いの時は初見殺し狙いでラインを2番にしたが…実際ダドマの方が強い気が済んだよな…あいつ一番実力を隠してるし…無限の魔力が重ねられるとかだったらマジで勝ち目無くてお笑いもんだけど…さすがにそこまでチートじゃない…とは思えないな…意外とありえそうだ…うん!!やっぱりあいつ等と戦うのは楽しいな…考えるだけでも楽しいし…しかし、俺魔王だけどマジで誰かに勝てっかな…)


黙々とクレープを食べながら、考える飛影


(シーレイは…無理そうな気がする…まず未来確知がやばすぎるし、俺の場合確実に相手に触れることが必須だからな…その瞬間遅くなるだろ…玄武纏って接近戦が一番勝ち目ありそうだけど…もし触れているもの全てを遅く出来るならシーレイと同じ空間…空気でも触れてたらやばいな…アンジェレネはもう災厄か炎と風に対する何かの武器持ってたらお手上げだな…あれはマジでチートだ…リタは…ってん?)


帰宅コースにたまたまあった公園

まだ、16:00ということもあり小学生の子供達が遊んでいる


しかし、飛影の視界に入っているのは子供達ではなく、ベンチで倒れている10歳ほどの少女である


(…あいつ、死んでないか?)


安らかな表情で倒れている少女は、周りにとっては遊びつかれて寝ている子に見えるだろうが飛影の目からは唯の面白そうだった死体という風に見えていた

興味本位で眺めながら近付いていると、公園で遊んでいる子供もその少女に気付いたのか近寄っていた


肩を揺らしながら一緒に遊ぼうと声をかける少年

死体を相手とも知らずに、行っている行為に思わず飛影は溜息をつきそうであった


少女までの距離があと20メートルといったところで変化が起きた


「へ?」


死んでいたはずの身体・魔力が復活したのである

そして、倒れていた少女は起こそうとしていた子供の手を掴むと躊躇無く首筋に噛み付いた


《黒霧》


一瞬で子供は干からびて、少女から発生した黒い霧の中へと溶けていった

周囲に気付かせることの無い早業である


「おぉ…見事な早業!」


思わず、拍手してしまった飛影

その拍手の音でようやく飛影に気付いた少女は、眠そうな目を擦りながら飛影を凝視している


「貴方…強いわね…血をくれないかしら?ちょっと死にすぎてて力が弱ってるのよ」


飛影の目の前にいる少女

明らかに人間ではなく、完全に逸した存在であることを飛影は感じ取るが、今までにない不思議な感覚を覚えていた


(面白そう…?だけど弱い???)


飛影の面白レーダーを振り切る勢いであったが、感じ取れる魔力はそこらの人間よりも低かった


「俺の血?飲みきられるのは嫌だけど少しなら分けてやるぞ」


その少女の外見は、身長は130cmほどで模様のようにも見えるがよく見ると大量の乾いた血がドレスを汚していた

淡い紫色の髪色で赤い眼、八重歯は尖っていることと先程血を吸っていたことから吸血鬼であると飛影は確信していた


「まぁとりあえず」


《炎舞・キレイキレイ》


パチンと指を鳴らすと、不可視の炎が少女の身体を包み服や身体の汚れを根こそぎ燃やし尽くす


「あら?紳士ね。ありがとう」


「気にすんな」


公園にはまだまだ人がいるため、飛影は再び魔法を発動


《炎舞・蜃気楼》


熱による光の屈折を利用して、飛影と少女を周囲から見えなくする

飛影はポケットからナイフを取り出すと躊躇無く、手首を切りつけた


動脈まで切りつけて血が吹き出ているが、飛影は特に表情を変えることなく少女へと腕を差し出す


「…貴方は怪しんだりとかしないのかしら?」


あまりにも好意的過ぎて逆に疑ってしまう少女


「殺されるのは勘弁だから、死にそうになったら殺すけどな」


血が吹き出ているが、災厄として生まれた飛影は手首の動脈を切りつけた程度では死にはしない

殺すのであれば、身体を真っ二つにでもするか頭を消し飛ばせばそれで死ぬ


少女の魔力は低すぎるため、飛影が本気で魔力を解放するだけで殺せるであろう

それをきちんと考えている飛影は、面白そうという理由が一番であるが素直に差し出している


「…ありがとう」


少女は大人しく飛影の手首に噛み付くと、血を飲み始めた

5分後


「美味いわね!」


約2リットル程飲まれた飛影

口を離した少女の第一声がそれであった


「…そうか…思ったよりも飲みやがって」


再生能力は通常よりも高いため、既に血は止まっていた

その性で、2分ほど経った際に少女から血が飲めなくなったとのクレームを目で訴えられた飛影であった


「ふぅ…久しぶりに良い血を飲んだわ…本当に助かったわ」


「おう、気にすんな。困ったときはお互い様だ!」


その言葉に少女は飛影の全身を観察する


「助かったついでに、私のことを助けてくれたりしないかしら?」

「いいぞ」


少女、リーベの言葉に飛影はやはり、即答で答えた

理由も聞かず


少しその飛影の反応に呆気に取られたリーベだが、かすかに微笑を浮かべるとドレスの裾を軽く持ち上げて、一礼する


「…私の名前は、リベリア・ラインベルト・ミリア…貴方ならリーベって呼んでもいいわ」


飛影が折角綺麗にしたドレスも、既に血で汚れていた


「そうか!俺は飛影だ!!宜しくなリーベ!!」


飛影は握手する為に手を差し出す


「よろしく飛影」


直ぐに握手に応じるリーベ

最強の吸血鬼リーベ

飛影の存在を大きく変える吸血鬼との出会いである


転職したい。。。

いや、会社変えたい。。。。

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