復讐劇
リクエスト話の一つこれにて完結です
雪が積もってびっくりしました
神奈川は20年に一度の大雪らしいです
昔は雪ではしゃげたのにもう無理ですね~
飛影の魔法ヘリオトロープ
一度見て、名前を知った魔法であれば、どんなものでも使用することができる
チートともいえる魔法である
しかし、そんなヘリオトロープにも弱点はある
弱点というよりも副作用といったところであるが、使用後には魔力・体力がほぼ0の状態になる
副作用の時間は決まっており、
副作用時間(分)=ヘリオトロープ展開時間(秒)* 魔法使用回数*魔法展開時間(秒)
である
そして、その副作用時間中は飛影の姿がデフォルメ化し、どこぞの小動物のような可愛らしい姿になる
その姿を見られることが非常に嫌なため、自室で飛影はアユリとの戦いで負った傷をヘリオトロープを使用して治療していた
しかし、入室しないように予め言っていたにもかかわらず入室されてその姿が見られてしまった
その結果
「なんですか!!?この可愛さは!!!??私を殺す気ですか!!!?」
「…癒し」
「うわぁ!!久しぶりに見たけどやっぱり可愛い!!」
「ほっぺたすごい柔らかいですね~!!マシュマロみたいで美味しそうです!!」
「先輩のこんな姿が見られるとは思って無かったです!!」
「…ヒエーどんな法則でこんなに小さくなってるのかしら?質量保存の法則(笑)じゃない」
「ふふふ…飛影君可愛いわね~」
「飛影様…とても可愛らしいですわ!!」
「あはははっはは!!!…やべぇ!!またその姿かよ!!!息が…息ができねえ!!やばい殺される!!!」
「ふはは!!チビが更にチビになりおった!!!!」
居間に強制連行されて、優希の掌に乗せられて頬を突かれていた
女性陣は、優希の周囲に群がりきゃあきゃあと騒いでいて、ダドマ+ギルギアは大爆笑していた
彗と黒鋼は何をしているのかといえば、
「ちょっ!!!リタを誰か何とかしようとは思わないのか!?」
「完全に気絶してるね…ショック死かと思ったよ」
飛影から見損なった発言を受けたリタは、ショックのあまり意識を失っていた
その介抱をしていたのであった
「こ…ころす…絶対に殺す」
女性陣になすがままにされ、ダドマとギルギアには大爆笑されているこの状況
飛影のストレスはこの短期間で膨大なものになっていた
残り時間:10分
「いや~良い酒のつまみだな」
「そうじゃの…しかし吹きださぬように注意が必要じゃな」
ダドマとギルギアは勝手に酒盛りを始めていた
「私が次に掌に乗せたい!!!!」
静紅の掌に乗せられていた飛影は、次に椿の掌に乗せられていた
女性陣は離れることなく、常に飛影をいじっていた
「知ってた彗?」
「何が?」
「飛影あと10分で元に戻るんだよ」
「…なるほど、だからか」
黒鋼と、彗はその様子を見ながらお茶をすすっている
女性陣の中で例外的にシーレイだけは飛影の傍を離れて自室のベッドに向かった
未来確知が何かを受信したのである
椿でも元の姿に戻った飛影が何をするか理解できるはずだが、既に飛影の可愛さに負けて何も考えていなかった
「………」
飛影は何も話さない
残り時間:3分
「あっ!!写真取りたいです!!!誰かシャッター押してもらっていいですか!!!?」
「いいですよ~」
「写真は考えてなかった!!さすが秋野ちゃん!!」
「私も取りたいです!!飛影さんとの2ショット!!」
「そういえば、どっかにデジカメありましたね!!取ってきます!!」
「カメラだったら私が作ったコレ使う?」
遂に、撮影会にまで発展していた
アユリだけ、離れた位置で眺めるだけになっていた
何か余勘したのであろう
「おぉ黒鋼は呑める口だな…ザルだな」
「まぁ刀だから」
「ほれ、彗も飲むが良い」
「学校の権力者がなに生徒に酒進めてんだよ!!」
ダドマ+ギルギアは、黒鋼+彗のグループに合流して酒飲みしていた
「……………………………………………………………………………………………」
飛影は何も喋らない
残り時間:0分
ポンと音を立てて、デフォルメ化が終わり飛影は元の姿を取り戻した
その瞬間、ダドマはいつでも箱舟を展開できるように準備を始めた
前回は危うく一撃食らうところであったためである
「あっ…副作用終わったん……だ」
少し残念そうな椿
対外に飛影は見たことも無いような笑顔であった
(…しまった!!!逃げるのを忘れてた!!!!!)
デフォルメ化を初めて見た者達は、残念そうにしていたが椿やダドマといった体験者は別である
飛影はアユリに目配せする
《魔氷・なんかごめんなさい》
意図を汲み取ったアユリは魔法を発動
誰が範囲内かは汲み取れなかったため、全員の足元を氷付けにする
「アンジェレネにはこれをくれてやる」
アンジェレネの唇に手を当てる
《炎舞・1週間飲食禁止》
口内に炎の膜を張った
「えぇぇえええええ!!!?」
ついでと言わんばかりに、飛影はデコピンをアンジェレネに放つ
「ぷぎょ!!!」
10メートルほど吹き飛んで壁に激突する
不意の一撃であったため、ノックダウンしていた
((((((なんとかして逃げないとやばい!!!))))))
全員の思考は一致した
「次は…静紅」
「な…なにかしら?」
飛影はコートのポケットから、ある玉を取り出す
「…それって!!…ちょ…飛影君それは」
飛影の取り出した玉は、マジックアイテムの一つであるソナーと呼ばれるものである
効果は、その玉をぶつけた相手の魔力が隠蔽できなくなる(1週間)
盗賊として物を盗むときには当然ながら魔力を隠して潜伏する
それができなくなるのだ
大きく振りかぶって静紅の顔面に思い切り投げつける
(本来は、当てるだけでよい)
「へふ!!!!」
アンジェレネと同様に、10メートル吹き飛んでノックダウンする
「次は杏」
「お…お手柔らかにお願いしたいんだけど…」
杏の手を優しく掴み
《風華・1週間物に触れなくしてやる》
杏の手に風を包ませた
これで、何かに触れようとしても先に風が物を押し出すため何もつかめなくなってしまった
キーボードで何か文字を打ち込もうとしても、全てのボタンが一斉に押下される
そしてやはり、ついでのようにデコピンを放つ
「ふぬぅ…ぐぅうう」
絶対強者級相手とは流石に威力は違っているため、その場で悶絶するだけであった
「秋野」
「ひゃい!!?」
頭を軽く掴み、魔法を発動する
《炎舞・1週間真夏を経験しろ》
今は、時期的に秋であり涼しくなっている
しかし、秋野の身体に炎の膜を張ることで、気温21度、体感33度に変化する
「あっつ!!!!」
そして、ついでにデコピン
「ひぅぅ」
力加減は杏と同様であり、その場で悶絶する
転がろうにも氷によって阻まれていた
「優希」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
呪詛のように、謝罪を繰り返しているが飛影がそれを聞くはずも無い
《風華・1ヶ月ゲーム禁止》
「ちょっ!!長くないですか!!?」
優希には、杏と同様のものを纏わせる
しかし、料理とかしてもらわないと困るのでゲーム機だけに反応して風が纏わり付く
携帯ゲーム機や、携帯アプリにも反応するため、ゲームが何もできなくなる
そして、デコピンではなく氷を炎で溶かす
「パーティの準備」
「はい!!わかりました!!!しゃきしゃき頑張ります!!!!」
駆け足で買出しに出かけた優希であった
「つぅばぁきぃ」
「…うん、諦めた!!」
どれだけ逃げようとしても、氷はびくともせず椿は逃走を諦めていた
椿の頭を撫でながら飛影は、魔法を発動する
《風華・1週間アホ毛全開》
風の力で、椿の髪は全て真上に撥ねた
帽子など被っても風で吹き飛ばすため、無駄である
「うわぁ…外出れない」
そしてついでのように、デコピン
ではなく、椿の口に手を当てる
《炎舞・椿も1週間断食な》
「えぇぇ!!!?二つも!!!?」
主犯であることが確定している椿
飛影としては、一つだけで終わらせる気が無かった
《炎舞・1週間真夏を経験しろ》
3つめである
「酷くない!!!?私だけ酷くない!!!!?ってかあっつい!!」
そして、お決まりのデコピンを放つ
「おにぃ!!!」
これで飛影が罰そうとした女性陣に対しての処罰を終えた
氷を炎で溶かすと残りのダドマ+ギルギアに振り返る
「おっやるか?」
「我らには何が来るのかのう」
ニヤニヤと笑っているこの二人は難敵であった
何かしようものなら喧嘩に発展することは確定している
パーティをしたいのに、喧嘩になってしまうと参加できない
「校長室…戸棚上から2番目」
なので直接的な攻撃はせずに、飛影はある魔法の言葉を放った
そこには、ダドマとギルギアが買った期間限定で10個しか販売されない高級煎餅とそのセットである高級緑茶葉が仕舞ってある場所である
「!!!?」
《箱舟》
急いで確認しに行くダドマであるが、戸棚の上から2番目の中は何も入っていなかった
何かが燃え尽きた後しか残っていなかった
「…2…26時間並んで手に入れたのに…」
ショックで膝が折れたダドマ
「よし!!じゃあアユリの歓迎会を始めるぞ!!!!」
復讐が済んで気が晴れた飛影
にこやかな笑顔でパーティ開始を宣言した
次話は、もう一つのリクエスト話を書く予定です
その後は、文化祭ですかね