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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
氷の悪魔編
106/122

副作用

リクエスト話です。

一話完結にしようと思っていたら、テンションが上がってしまい2話構成になりました…


寒い日が続くので、体調には気をつけて御覧ください


「ここが俺の家だ!!」


「こ…ここが飛影様のご自宅ですか!!?」


色々と問題があったが、何とか天界の補佐になったアユリ

ラインとしても、飛影と互角の絶対強者級であれば願ったり叶ったりといったところであった

そして、超が付くほどの忙しいラインは早速仕事を手伝ってくれるようにお願いしていた


しかし、飛影とお願いされていたアユリは天界ではなく、人間界の飛影の家に来ていた


理由は簡単で

アユリという新たな仲間ができた = パーティ

である


騒ぐことがとにかく大好きな飛影としては、ラインの仕事の手伝いというどうでも良いことの性でこの騒ぐ口実が潰れるのが嫌であった


そのため、飛影がラインの依頼を完遂したことの報酬としてアユリに1週間の休みを与えることを告げた

断ることが出来ないラインであるが、飛影のお願いレベルとしては全然マシであったため喜んで引き受けたという


そんなこんなで、飛影とアユリは屋敷の前に一緒にいた


アユリはラインから貰ったスーツを着用し、飛影はボロボロの格好のままで左腕もまだ治していなかった

ヘリオトロープを使用して左腕を治療しなかった理由として、2つある


氷界の寒さだと、弱体化した瞬間に死ぬことと

天界ではラインに笑われる


自宅であれば、左腕を治療するだけなので30分ほど自分の部屋に篭ればいいだけなのである


それだけの理由で飛影はろくに治療もせずに怪我を放置していた


「ただいま~」

「お邪魔します」


流石に放置は不便であったため、ようやく治せると意気揚々と飛影は帰宅する


「あっ!!!飛影さんお帰りなさい!!!!」


飛影とアユリを出迎えたのは優希であった

それもその筈で、現在平日のお昼である


屋敷にいる連中は全員出払っているため、屋敷にいるのは優希だけであった

なるべく屋敷に人がいない時間を見計らって帰宅した飛影の執念は相当のものである


「お客様ですか!!?私は市原優希です!!!!ひゃっふぅぅぅぅぅうぅ!!!!」


暇で暇でしょうがなかった時に、飛影が帰ってきたため優希のテンションは最高峰であった


「…えっと」


「こっちがアユリで、こっちが優希な」


優希のテンションについていけてなかったアユリに飛影が助け舟を出す


「よろしくお願いするわ」


「こちらこそよろしくお願い致します!!!紅茶と緑茶とコーヒーどれがお好きですか!!?」


久しぶりの客人にテンションが高まる優希であるが、アユリは困惑顔のままであった

理由としては簡単である


(こーちゃ?りょくちゃ?こーひぃ?)


生まれてこの方、嗜好品など摂取したことが無いアユリにとっては全て聴き慣れない単語である

アユリは今まで、氷か、雪か、シャーベット(シロップ無し)、カキ氷(シロップ無し)しか食べてこなかったのだ

飛影ですら寒気を感じる氷の城にまともな飲料や食事などあるはずも無く、悪魔という体質のみで生きてきたのである


「あ~~~優希、アユリには全部少量ずつ用意して!アユリはそれぞれ飲んで気に入ったのを飲めばいい!!二人はそんな感じで過ごしておけ!!俺は今から30分間部屋に篭」


丁度良いと飛影が時間が稼げる方法を見つけ、自身は部屋に引きこもろうと言おうとした瞬間である


「ただいま~!!!」

「ただいま帰りました!!」

「ふふ…久しぶりね~」

「あっ飛影おかえり~和菓子美味しかったよ。さすがアンジェレネ」

「あっヒエーただいま!!」

「飛影からの任務を終え、帰還しました!」

「おっす!!土産かなんかあるか?」

「っち!生きておったか」

「つ…疲れた…」

「飛影先輩!!この狐欲しいです!!…あっおかえりなさい」

「…ただいま」


扉を勢い良く開けて入ってきたのは、

椿、アンジェレネ、静紅、黒鋼、杏、リタ、ダドマ、ギルギア、彗、秋野、シーレイである


「…は?……おかえり」


(なんで全員同時に帰ってきてんだよぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおぉ!!!!!!!!!!!!!!!)


飛影としては、ヘリオトロープの後の副作用は誰にも見られたく無いものである

そのために、わざわざ人のいない時間を選んで帰宅したというのに全てが水の泡である


飛影の帰宅時間が確知でき、更にこの面子を集めることができるのは唯一人だけである


「シーレイ?」


「…うん…飛影…帰宅……パーティ………皆いる……飛影…楽しい…頑張った」


通訳:うん、私が呼んだよ。だって飛影は帰宅してパーティするつもりだし、皆いると飛影楽しいからちょっと頑張ったよ


「……あ…あぁ…凄い嬉しいよ…うん…ありがとう」


いつも表情をあまり動かさないシーレイが僅かに誇らしげな顔をしている

これがラインであったのなら、物理的にも精神的にもズタズタにできたが、飛影は何も言えなくなった


「って飛影!!?どうしたんですかその腕は!!!!?」


(っ!!!!?…まずい!!これはまずい!!いや、冷静に考えろ俺!!まだ何か手は残っているはずだ!!ハルカに治療してもらいにいくか?いや…さすがに悪いな…………駄目だ!!何も浮かばない!!いや、ダドマに魔界に送ってもらって自室でゆったり治療する…いや!!エリアは立派に魔法使いだ…俺の魔力を感じたら飛び込んでくる…あぁ~やっぱりエリアは可愛いな~嫁に行くとか言った瞬間に俺本当に世界滅ぼすかもしれない…時が経つとエリアも…今までのように誰かに一目ぼれして……駄目だ…そんなことになったら俺の精神が持たない…反抗期になったらどうしよう…反抗期になったエリアも絶対可愛いだろうけど、お父様って呼ばれなくなって親父とか言われたり、話しかけんなとか言われたり、お父様の服と一緒に洗濯しないでくださいとか言われたら精神が崩壊する…断言できる…多分災厄全開になりそう…その前に自殺するかも……おっと横道に逸れた…エリアにあんな不甲斐ない姿は見せたくない!!!!…ということで天界も、魔界も却下となるとやはり、人間界の自室か…幸い各部屋のプライベートは守るようにしている…いける筈だ!!!!!)


もはや、焦りで思考がまともに働いていない飛影

そんな中でも高速思考を使い、必死に案をまとめる


「こいつは、アユリだ!!天界の魔王補佐になったから!!自己紹介しておいて!!!俺はちょっっっっっっっっっっと野暮用があってな!!自室に30分ほど篭る!!!何も心配することは無い!!!いいか!!30分だけ篭るからな!!絶対に入ってくるなよ!!」


そそくさと、自室に逃げ込む飛影

それは、もはやリアクション芸人がやる

「いいか!?絶対に押すなよ!!本当に押すなよ!!」に似ていた


『…』


周囲が静まり返る


「あっ…なるほど」


一人だけ全てが理解できた椿

飛影はヘリオトロープを使って治療するつもりだと


(み…見たい)


他の者が自己紹介する中、あの可愛いデフォルメ飛影を見たいという欲求と、その後のお仕置きが葛藤する


(…赤信号…皆で渡れば…怖くない…)


一瞬で欲求が勝利した瞬間である


「私は椿っていうんだ!!よろしくねアユリさん!!」


自己紹介を終え、笑みを作る椿

その笑みはどこか飛影が面白いことを考えたときの笑みと似ていた


「コホン!!…えっと…皆は飛影のヘリオトロープの副作用を見たことってある?見た人は手を挙げて」


笑いながら椿は前に出る

椿の問いに手を挙げたのは

ダドマ

黒鋼

リタ

だけであった


「それでね。飛影はもうすぐ、その副作用の姿になるんだけど…興味がある人は一緒に見に行かない?すっごい可愛いよ!!」


それはとても面白そうなことであり、ダドマはその言葉を聞いて過去にラインと飛影が戦ったときにヘリオトロープを使った副作用の姿を思い出し、笑っていた

それに釣られて全員が興味あるようにしていたので、一同はゾロゾロと飛影の自室に向かっていた


===============================================================


「よし!!これで誰も来ないだろう!!」


完璧だと頷きながら飛影は準備を始める

ドアに鍵を閉めてベッドの上に立つだけで準備完了である


《ヘリオトロープ・レーリス・完全治癒》


一度見て、名前を知った魔法であれば何でも使えるチート魔法

ハルカの魔法を使った飛影の左腕は一瞬で治療が完了する


そして、間髪入れずにすぐにヘリオトロープを解除する


副作用は一瞬で飛影を襲う

飛影の姿が、一瞬で全長は20cm、手足が棒で眼や口は・になった


(…さて、あとは30分耐えるか)


用が済んだ飛影は、あと30分でどんなパーティにしようかと考えようとした

瞬間


バキっと鍵が壊れる音と共に、恐怖の侵入者達がやってきた


飛影としては、何故入ってきた!?と言ったところであろう

ちゃんと言ったのに入られた驚きで言葉が出ないし身体も動かない


何より、ドアを壊して入ってきた侵入者達の先頭にいるのは光速のリタである

逃げ切れるはずも無く、姿を見られて今から隠れようなど出来るはずも無い


飛影がやっとの思いで言葉を口にする

何か意図があってやった訳ではない、しかしリタが先頭にいたことと自分の補佐として絶対の信頼を置いていたリタが約束を破って入室したのがショックだっただけである

自分のあと30分の扱われ方にも絶望して少々八つ当たり気味でもあった

しかし、そんなことはリタは知らない

椿に唆されて扉を開けただけである(まぁ、自身も見たい衝動に駆られていたのも事実である)


「信じてたのに…見損なったぞ…リタ…」


綺麗に、orzの姿で絶望に打ちのめされている飛影

そして、飛影の完璧な補佐を日々目指しているリタにとってそれは死刑宣告にも似た響きであった


「…ぇ?」


リタは言われた言葉を認識し、部屋に篭る前に飛影の言った言葉を思い出し、自分のしでかした事を理解して気絶した



次話で飛影は飛影自身的には悲惨な目にあいます

そして、リタが気絶しました(気絶していなかったら、自身の首を鋸で切り落としていましたが)


この後の飛影は、どうなるのか

次話をお楽しみください。


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