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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
氷の悪魔編
102/122

それは一つの日常の変化

台風がやばいですね

今完全に直撃してます。


そのおかげで会社は休めたので、僅かに投稿感覚が短くなりました!!


ようやく氷の悪魔とのご対面です


安倍川彗の場合


安倍川彗は日常を大事にしていた

飛影のような非日常を体現している存在が近くにいる。そして、彗自身も非日常的な魔法という力を手にしたからである


だから、ちゃんと授業は受けるし成績もなるべく上位になるように勉強も欠かさない


「彗さん。これが1時間目の記録です」


「…はぁ…はぁ…お…おう」


一時間目が体育なわけでもなく、ただの古典の授業で座って教科書を開き、ノートを取るだけの授業にもかかわらず、彗は肩から息をしてぐったりとしていた


そんな彗にリタはある紙を渡す

その紙には1回、2回と回数とその左に数字が並んでいた


1回目 104

2回目 110

3回目  87

4回目  96

5回目 108

44回目 102


「合格数は0です。次の時間は休憩としましょう」


女神の笑みで微笑みかけるリタ

しかし、結果は残酷なものであった


飛影から、訓練ということで指示を受けた内容は

一定の魔力で魔法を使うこと

である


彗は1時間目の授業をそれに費やしていたが、結果は0回

目標は10回連続で成功することである


「ぐへぇ」


その結果に、彗はぐったりと机に突っ伏して


(あぁ…全然ノート書けてない…あとで誰かに見せてもらおう……)


眠りについた


====================================================================


佐藤秋野の場合


「はい秋野…わかっているとおり失敗だから」


秋野の場合は、1時間の授業中消しゴムの周囲を風で固めてその状態を維持するというものである

開始30分ぐらいは安定していたのであるが、35分に差し掛かったところ集中が途切れて魔法がぶれてしまい消しゴムが地面に落ちてしまったのだ


「…うぅ…あとちょっとだったのに」


秋野の傍には焔狐が座っており、そこから飛影の声で結果が報告された


「意識的に集中するよりも、無意識で出来るようにした方がいいぞ」


焔狐から発せられるアドバイス


「あれ?そういえば」


ふと、秋野は疑問を感じた

周りに怪しまれないように、机に伏せてから座っている焔狐に話しかける


「…この声って、飛影先輩がリアルタイムに話しているんですか?」


「…いいや、この狐は遠隔操作じゃなくて自動操作にしているから、予め魔法構築の時にシチュエーションを予想して用意した反応に対して決まった言葉を放つだけだ」


「…えっと…じゃあこの会話も予想済みなんですか?」


「そうだ」


(…もやは意味がわからない…というかさっきの、わかっているとおり失敗だからも予想済みって事ですか!!?私が一発で成功したらどうするつもりですか!!!!?)


若干の疑問を感じながらもそれがどれだけ困難なことか、自動操作で魔法を構築することができない秋野でも想像できてしまう


「まぁ…若干シーレイに聞いたけどな」


けれど、その一言で納得してしまった

未来確知のシーレイにとっては会話や結果を予測するのは容易であろう


「私の魔法も、こういう風に自動操作とかできるんですかね。こういう狐みたいなの出したりとか」


「あぁ…自動操作自体は出来る。例えば魔力をもつ何かが一定の距離に近づいたら集固が発動されるとかは出来るが、この狐みたいなものを出すのは難しいかな、魔法にはそれぞれ属性があるってのは知ってると思うけど、炎・風・水・氷・闇・光・木・土とかの自然界に存在する属性なら可能だ…あとは、もともとそういう魔法であるならとかになるかな…秋野の魔法は集めて固めて弾くことはできるから属性としては3つ。集・固・弾かな。いずれも自然界のものじゃないから作るのは難しいかな」


飛影はわざわざ、難しいという言葉を使う

魔法は無限大であり、不可能なことはありえない

大事なのは想像して創造することなので、不可能といって可能性を狭めることがしたくないのである

もっとも、無限大といっても炎の魔法使いが水を操るようになるのは不可能である

炎の魔法使いが水を操れるようになるとすれば、水関連の魔法を習得する必要があるのだ


「要は、自身の魔法と向き合って明らかにおかしいこと以外ならできないことはないんだよ」


「…なるほどです」


「秋野は魔力量が多いし、集固自体も魔力消耗が少ないから次の時間も実施するように」


「…うへぇ…わかりました」


秋野が溜息を吐くと同時に、2時間目開始の合図が鳴り響いた


=======================================================================


「おぉ…城の中も綺麗だな…」


城へと入城した飛影

氷で出来た城など生きてきた中で一度も体験したことは無いため、まるで俗にいう田舎から上京してきたかのようにキョロキョロと辺りを見渡している


「それなりに寒いな…何百年住んでるかわからないけど、垂れ流しでも寒さを感じるとは…中々に面白い」


さすがに寒いのは嫌なのか、僅かに冷気を相殺する程度魔力を解放する


「彗と秋野を連れてこなくて正解だったな…」


予定では、彗と秋野を強制的に拉致して連れてくる予定であったがシーレイから首を振られたため諦めたのである

氷の地面を見ると、そのシーレイの判断は正解であったと飛影は何度か頷く


地面を見ると、透き通るほど綺麗な氷が敷いてあった

その先、20メートルほど下には氷の氷像が無数に建てられている

その姿は、奇怪なもので一目で人間のものではなく魔物・魔族でできていることがわかる


「炎の魔法使いの俺が寒いと思うぐらいだしな~…絶対強者級じゃなきゃ一瞬で氷付けか…トラップの必要すらないとは恐れ入るわ~」


極寒の吹雪の中、やっとの思いで辿り着いてもその先には反則級程度であれば一瞬で氷付けになるほどの冷気が立ち込められている城

トラップが見当たらないことを最初は無用心だと考えた飛影だが、城に入ってようやくその意味を理解する


「相手の魔力は~~~~上か…その前に一応確認かな」


飛影は拳を握ると、無造作に地面を殴りつける

地震でも起きたかのような大きな揺れが城を襲うが、氷にはヒビが入っただけであった


「黒鋼を連れて来れば良かったかも…」


当の黒鋼自身は、京都に和菓子を食べに旅行中である

余談であるが、静紅もデスパラシリーズを盗む為に異世界に旅立ち、アンジェレネも黒鋼の和菓子ツアーに便乗している

シーレイも良い日向ぼっこが出来る場所を探しにふら~っとどこか行ってしまったため、飛影としては寂しいことこの上なかった


遊んでいても仕方が無いので、飛影はゆったりとした足取りで魔力を感じた城の最上層へと歩みを進める


「貴方…人の家を壊すつもり?…折角寝ていたのに酷いわ」


「まぁまぁ…そんなこともあるさ…」


特に警戒すら無く、ゆったりと階段を降る悪魔


(ふむ…結構早いな)


一瞬ともいえる時間で、飛影の前まで姿を現した悪魔

ラインから聞いていた前情報で飛影が想像していたのは角が生えたゴツイ感じであったが、それを裏切るように身長は155cmと小柄で肩までかかる程度の長さの銀髪と金色の眼、ゴツイどころか可愛い容姿でどことなくクールなイメージが滲み出ている


「私はアユリよ…さて侵入者さん貴方は?それと顔ぐらい見せたらどうなの?…あぁやっぱりいいわ気色悪いのは趣味じゃないのよ」


「俺は飛影だ…なんか失礼なこといわれた気がする…むかつくから顔は見せん!!」


「この城に入って生きてるってことは絶対強者級よね?何か用かしら?」


「はっはっは!!…用件は単純明快!!楽しく愉快に殺し合いしようぜ!!!」


「ふふ…本当に単純ね…いいわ、掛かってきなさい」


二人が戦うのに特に理由は無い

一応飛影はラインから依頼を受けているが、そんなものはとうに忘れている


ただ、殺し合いたい

人が食べる為に牛や豚を殺すよりも遥かに低俗な絶対強者級にとっては一つの本能ともいえること

たったそれだけの理由で二人は合意し、世界を気まぐれに滅ぼすことのできる絶対強者級同士が魔力を解放する


気付いたら100話超えていました…

長い…



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