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災厄の生き様  作者: 火憐ちゃん
氷の悪魔編
100/122

始まる前の苛め

更新が遅くなって申し訳ないです。

いよいよ、氷の悪魔編突入です

数多ある天界の世界の一つ

氷界(ひょうかい)

氷で覆われた世界である


そこには、約3億もの魔族と一匹の悪魔が住んでいた

魔族には、2種類あり魔族と魔物で一括りにされている


魔族は魔物の中で知性を持つ獣

魔物とは知性を持たない魔力を使える獣のことである


悪魔は、基本的な外見は人と変わらない

魔族よりも更に知識を持つものであり、魔法が使用できるものを指す


「おぉ~銀色の世界とは言ったものだな」


そんな場所に、魔界の魔王である飛影がいた


いつも通りの黒のコートを着ており、下はタンクトップ

ズボンは黒のジーンズを着用している


珍しく黒のコートのフードを被っており、表情は見えていないが恐らく興奮したような眼でこの世界を眺めていた


「ラインにしては、面白そうな依頼だ」


一般人であれば、1分ほどで氷付けになるような世界の中、ニヤリと笑みを浮かべながら、飛影は目的地へと歩を進める


さて、何故飛影が氷界にいるかキッカケは当然ある


それは、咲が死んでから2週間ほど過ぎた後であった


==============================================================


「やぁ、久しぶりだね飛影…元気してた?」


飛影が学校をサボって帰宅し、優希の作る紅茶とお菓子を頂こうと家の扉を開く

そこには、スーツ姿のド腐れチート野郎である天界の魔王、ラインがいた


「何でお前がいる」


「酷いな~久々に遊びに来ただけじゃないか」


いきなりの来訪に驚いた様に見える飛影に、ラインは気分を良くし笑みを浮かべながら紅茶を啜る


「あぁ間違えた…何勝手に人の家に入ってんだ?このド腐れチート野郎」


「いきなり酷くない!!!?」


ラインの気分を上げてから落とす

ラインのリアクションすら無視しながら、対面のソファに座る


「飛影さん!おかえりなさーい!!」


わかっていたかのようなタイミング

まるで、シーレイから飛影の帰宅時間を教えてもらったかのようなジャストタイミングで、優希が飛影に紅茶と茶菓子であるカステラを渡す。


「サンキュー!!」


飛影は、それに笑顔で返し優希がキッチンに戻った瞬間である


「んで…なに勝手に俺より早く紅茶とカステラを頂いてんだゴミ野郎」


「ちょっと!!ちょっと待って!!」


テーブルの上に足を組み、ラインを見下しながら紅茶を啜る


「いや…あのね、これには」

「なんだなんだ?いつからお前は客人にでもなったんだ?」


何か弁護しようとするラインの言葉を遮って、とにかく言いたい事を淡々と告げる


「ホント困るわ~、これあれだよ?不法侵入だよ?わかってる?出るとこ行ったら勝てるよコレ?」


「いや…あのね…」


「はぁ~やんなるわ~今まで唯のド腐れチート野郎だと思ってたのに…まさかド腐れチート犯罪者クソ野郎だとは思わなかったわ~」


ラインは、ド腐れチート犯罪者クソ野郎の称号を獲得した

ラインの額に冷や汗が垂れるが、飛影の攻撃力最強の口撃は止まらない


「それで?なんの用だ?犯罪者クソ野郎」


「最終的にそれ!!!!!!?滅茶苦茶不名誉な呼び名だよ!!私は一応大天使だよ!!!!?なんで大天使が犯罪者になってるんだよ!!!?」


それを聞いて、飛影はどこかスッキリとした表情で足を戻して、カステラを頬張る

実のところ、リタに麻雀で負けまくり帰ってきた飛影

八つ当たりに丁度良いのが居ただけであった


「んで?激務の中わざわざ遊びに来たって訳じゃないんだろ?」


天界の魔王の仕事内容は大体知っている飛影

当然ながら魔界、人間界と違い魔王と一緒に大天使の位を持っているラインは天界の中で数多ある世界を取りまとめるため、ほぼほぼ纏まった休みなどは取れない


その状況下でわざわざ飛影の家に来るということは、それよりも重要なことが起きているということであった

そこまで理解した上で飛影はラインで八つ当たりしていた


「話が早くて助かるよ…実は天界で」

「やだよ、死ねよ」


「まだ何も言ってないよね!!!?」


あくまでもノリである

意味は特にない


「飛影…いや飛影さんや…これは君にとっても有益な依頼なんだけどさ」


「ほう…聞こうじゃないか!」


これで有益でなければ、そこから更に口撃しようと考えた飛影は足を降ろしてお茶を飲み干し聞く体制へと変える


「まずなんだけど、天界にはいくつも世界があるってことは知ってるよね?飛影も行った事があると思うけど天国とかそんな感じ」


「初耳だけど、まぁ確かに知っているな」


完全に聞く体制に入った飛影の反応にラインはニヤリと内心で笑みを溢す


「その中の一つに、氷界という世界がある。別名は銀色の世界とも呼ばれていて一年中雪と氷で覆われた世界だ。その世界には絶対強者級である一匹の悪魔と3億もの魔族が住んでいるのだけどね…悪魔と魔族で戦争が起きようとしているんだよ。今まで小競合いはあったんだけど種の存亡を賭けての全面戦争といったところかな」


「ふーん」


3億という膨大な数は確かに脅威である

魔族という存在を知っている飛影であるが、ラインがわざわざ絶対強者級の悪魔一匹と3億もの魔族と分けた意図を読み取って特に妨害も口撃もせずに続きを話すように促す


「まぁどちらが勝つかと言われれば当然、絶対強者級の悪魔なんだけど」


飛影が意図を読み取ったことを理解したラインは結論を始めに出す


「当然、そんな戦争が起これば氷界という世界が滅ぶ…私としては世界が滅ぶと事後処理が大変でね…それを避けたいわけだよ。悪魔を殺せば問題ないのだけど私自身が忙しくてね」


ほんと、有能な補佐が欲しいよ

いる訳ないと思いながらも月に400時間もの稼動を超えるラインはその言葉を漏らさずにはいられなかった


「本題ね…飛影の判断に任せるけど悪魔と魔族の戦争を止めて欲しい。どんな形でも構わないよ止められれば…一番飛影として楽しいのは悪魔を殺すことだと思うんだけど…どうかな?」


「ふむ…言いたいことはわかった…」


絶対強者級と戦えるという撒き餌に飛影は飛びつきそうになるが、なんとか抑える

ただ受けるだけでは面白くない…そう考えた飛影はニヤリと笑みを浮かべた


「んで?報酬は?…いや、まさか天界の魔王であるラインが同じ立場の魔界の魔王である俺に依頼をするんだったら、当然それなりの報酬はあると思ってるよ!!…そこはラインを疑うわけじゃないさ!!唯でさえ絶対強者級っていう命の危険がある依頼をするんだ…それなりの報酬はあるよな~?」


「…ぇ?」


それはラインの思惑が外れた瞬間であった

飛影のことだから、絶対強者級と戦えるというだけで食いついてくるだろうと予想していたのだ

当然、報酬など考えてもいなかった


「いやいや、まさか殺し合い最強のラインが俺への報酬に『絶対強者級と戦える』だけっていうのはありえないよな~!!うんうん!俺はそこまでお前が腐ったチートじゃないと思ってるよ!!!」


「いや…」


ラインに考える暇を与えず、更に飛影はハードルを高めることだけに高速思考を用いて口撃の手段をまとめる

ラインがオドオドとし始め、隙ができた瞬間

《風華》

魔法を発動した


(まずい…まずいぞ!!…簡単に依頼を受けると思っていたのに、手堅い反撃を受けた!!…絶対に法外な報酬を要求してくる…お金だったら別に溝が埋まるぐらいは持ってるから問題はないんだけど…金に執着するやつじゃない…待てよ…ここは飛影の性格を利用すべきだな…ふっ私の恐ろしさを噛み締めるがいいよ!!!)


「困ったな~飛影がそこまで渋るんじゃしょうがない…ダドマかギルギアにでも頼むかな」


考えをまとめたラインは携帯電話を取り出し、ダドマへと電話をかける


(ふっ…飛影の性格上はこれで飛びつくはずだ)


勝ちを確信したラインであるが、飛影は紅茶を優雅に飲んでいて無反応であった


〈なんだよ?〉


2コール目で出たダドマ

勝利を確信したラインは飛影に説明した内容と同じことを説明しようとする


「実はね、ダドマにおね」


〈やだよ〉


ぶつっ

僅か3秒

電話が切られた瞬間であった


「ちょっ!!?ダドマ!!?まだ私は何も言ってないよ!!!?」


もう一度コールするラインであるが、

〈こちらは、お留守番サービスです。〉

電源が切られていた


(ならば、ギルギアに!!)


ダドマは完全に諦めたラインは、ギルギアへとコールする

〈この電話は、お客様のご希望によりおつなぎ出来ません〉


(着信拒否されてる!!!!!!!!!!?)


「どうしたんだライン?」


下種な笑みを浮かべながらラインへ問いかける飛影

実は事前に、風華で用件を伝えており

ダドマと飛影のことが殺したいほど嫌いなギルギアでさえもラインを苛めるためと伝えた瞬間に協力体制へと変わった


「えっと…あまり度が過ぎたものは無理だけど…ナンデモヨウキュウシテイイヨ」


「そんなに言うんじゃしょうがない…受けてやろうじゃないか!!」


ラインが完全に絶対的に敗北した瞬間であった

そして時は加速し、飛影は氷界へと送られることになった。



やはり、ラインを弄るのは楽しいです

まさかの弄るのに1話使ってしまったorz

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