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反董卓連合編・三十八話――――――「月下問答」

董君雅は元々、西方の国境防備に携わる尉の一人に過ぎなかった。

漢帝国の西の果て。戦事は絶えない。羌族の弓矢に喉笛を射貫かれるまで、彼はそこで戦い続けた。

やがて内乱が激しくなると、精強で近隣に鳴らした彼らは反乱鎮圧の戦力として、中央に召し出される。

皇甫嵩や朱儁ら、一部の優れた将軍を気を吐くも、経済崩壊と内部腐敗によって弱体化した王朝の正規軍には、自力で反乱を鎮圧する力は既に無かったからである。

入朝した董君雅の遺兵は、彼の末の娘を新たな首長に擁立し、全土を駆け巡り激戦を繰り返した。

戦いに勝利する度に彼らの影響力は日に日に増し、漢帝国の直轄ではなく、あくまで董卓の下に結集していた彼らは、中央に有りながらにして次第に軍閥化する。

その強大な軍事力と積み重ねる功績で存在感を強めてゆく彼らは、宮中で起こった大将軍・何進の暗殺事件を鎮圧したことで、その権勢を確固たるものとした。

董卓軍はこれを機に皇帝の後見的立場となり、董卓はやがて漢帝国に置いて四百年間空位であった、三公を超える権力を誇る、相国の位に就く。

辺境の一部隊から始まった彼らが、その戦闘能力を持って漢の最高権力を掌握するに到ったのは、そういった経緯だ。




「臣でありながら主の謀殺を説くか、高順」

「そんなんじゃねえ。純粋な疑問と興味さ」

「礼にもとる、と言っている」

「無礼もユーレーもねえよ。お前ら流の堅っ苦しい君臣の礼は、俺らには当てはまらねえ」


異なる人種の間に生まれた混血の子は、両親の容姿によっては、目覚ましい程に美しい容貌を持つ事がある。

漢人系の色の木目細やかな肌と、アクの抜けた顔立ち。潤いある黒髪。

垢抜けた線を描く顎、涼やかな目元と鼻筋、灰色の瞳。そして黒い服の下にあるスラリとした、しなやかな肉体に搭載された強靭なバネは、北方系遊牧民に由来する人種特有の物。戦う事を生業としてきた、民族の歴史が培った血。

戦場を駆け抜けるためのもの。


「自分達の常識が全人類に通じると錯覚するのは、漢民族の悪い癖だな」


涼州の民は、全てが兵士だ。男も女も子供も。辺境の国境で戦いに明け暮れる事で生活の糧を得る特殊な生活体系が、そうさせた。

――――――それを強いたのは、その任を背負わせた、遥か昔の漢人だが。

高順もまた、未だ若い二十六、七の青年でありながら、既に十数年以上も馬上で戦っている。

猛者揃いの董卓騎馬軍団にあって、“陥陣営”と仇名される彼が初めて首を挙げたのは、僅か十二歳の頃だ。


「お前らが“肌色”と形容するのは、この色だけだ。南人の肌は浅黒、北人のは青白と呼び、決して肌色とは言わない。優等人種支配論の考えが作った表現の典型例だ。ま……そりゃあ、別にお前らに限った事じゃないがな」


皇甫嵩の隣をすり抜け、小次郎の座っていた椅子に腰かけると、高順はからかう様に自らの頬、漢人と同じ色をした肌を人差し指でつつく。北方系民族特有の、美しい銀色の瞳で笑いながら。


「……ん!? なんだこりゃ、水かよ」


徳利にそのまま口を付けて景気良く煽ったが、中身が水であった事に、怪訝な顔をする。


「……小次郎殿は、酒より水を好むらしい」

「……戦の前まで水盃。つくづく、縁起の悪い」

「小次郎殿にとっては縁起担ぎらしい。かつて、強者と戦う前に、水盃を交わしたのが由来だそうだ」

「…………ふん」


意味ありげに、高順はまた不敵な笑みを浮かべて、身体を皇甫嵩に向き直らせた。


「あの狷介で何考えてるか分からねえ男から、そういう思い出話を聞けるのはアンタくらいだよ。つまりそれは、小次郎が言う事を聞くのはお前だけだと言う事でもある」

「…………」

「だからこそ――――――生粋の漢人であり、漢王朝の宿将であるアンタが、董卓を護ろうとするのが解せねえのさ」


崩した格好で肘かけに頬杖を付く銀の瞳には、余裕の光りが見える。

漢帝国の車騎将軍にして、名実ともに漢人勢力の中心人物である皇甫嵩と一対一で差し向かい、全く動じない、そういう余裕だ。


「今回の連合。盟主は袁紹だが……表には出なくても、檄文を流したのが朝廷内の人間である事は疑いない。優等人種である漢人サマには、卑しい胡人にのさばられるのは我慢できねェ事のようだし」


冗談めかして肩を竦める高順だが、皇甫嵩の眼は、威厳を湛えるように鎮座していた。


「今の動きの中でお前が董卓を倒せば、お前はこの政変の英雄だ。次代のお前を筆頭に据えた政権に、天下は帰依する事になる」


暴政を布き、帝を蔑ろにする董卓に天誅を――――――反董卓派はその大義を主張しているが、どう名分を立てても政治的な利権争いが対立の本質である事は明らかだ。

そもそも檄文は『天子の勅を奉じ』と謳っているが、本当にそんな勅命が出たのかも疑わしい。

ともあれ、外の諸侯はこの限りではないが――――――洛中の反董卓派の主勢力は、漢人が大多数を占める中央府の生え抜き組で構成されている。

そこへ行くと皇甫嵩は、まさにその生え抜き組の中心人物である。

つまり本来なら朝臣の筆頭として、宮中反董卓勢力の旗頭に立つべき人間なのだ。少なくとも、周囲の人間は皇甫嵩の政治的の政治的な立ち位置はそうであると認識している。

彼が連合に呼応して内部勢力を扇動すれば、多くの人間にそれに付き従うであろうし、皇甫嵩が董卓を討てば、彼が次代の最高権力者となる事に、殆どの人間が異を唱える事は無いだろう。

名門生まれの生粋の漢人であり、二十万人に一人とも言われる倍率である最難関の孝廉によって推挙された名士、さらに漢民族出身者の中で最も高位の位の持ち主であり、清廉な勤皇家として知られる彼には、その人望を得る為の条件がすべて備わっている。

非漢人であり、武力によって成り上がった董卓では、決して受ける事の無い評価だ。


「そしてそれは、お前が小次郎に一言“斬れ”と言えば済むコト。なのに、何故そうしない? それどころか馬鹿正直に、最強の切り札を使ってまで対立派閥の親玉である筈の董卓を護ろうとする? 下手すりゃ、董卓に肩入れしてるとすら見做されるかも知れねェのにだぜ?」


そう――――――


『役目は“護衛”のみ、あくまで、そう捉えて良いのか――――――』


小次郎がわざわざ問うた理由は、そういう事でもある。

飛燕の剣は護りに付けても冴えようが、刺客と放ってもよくよく斬れよう。

董卓を暗殺する事などは、あの剣にとっては児戯に等しかろう。衛兵などは、恐らく居ても居ない事と同じだ。

小次郎を護衛の名目で送り込み、挙げた首を献上させれば、それで彼の天下だ。

だが、彼は“護れ”と言った。あくまで、護衛だと。

そしてそれは、必然的に反董卓派から反感を買う事にもなる。小次郎が皇甫嵩が招き入れた人物である事を、知っている人間は多い。


「見くびるな、高順」


だが、皇甫嵩は毅然としていた。


「董卓殿は先の反乱の折、国にとって並ならぬ貢献をした。それは事実だ。ならば、謂れなく賊徒とするわけにはいかぬ」

「国とは、漢の事か?」

「私は漢の臣だ。ならば漢にとっての功臣である董卓殿とその一党を、野心を抱いて裏切るわけにはいかん」

「俺達は漢の為に戦ったわけじゃねえ。それに……謂れなんてのは、適当に“大義”と言っておけば通るんじゃねえのか? お前らのやり方は、そういうやり方だ」

「信義に悖るやり方はせぬ」


そこまで言葉を交わすと、じっ……と黙った。

皇甫嵩の貌。すらりと伸びる長身、意志の強い目元。その男装の麗人は、軍人らしい威厳に満ちていた。


「私が漢の臣である事に忠実なら、私がすべきことは董卓を討つ事では無く、分かたれた二つの派閥を、再び一つに纏める事だ」

「…………」


高順は言葉は無く、ただ皇甫嵩と目線を絡ませた。

しばらく、沈黙があっただろうか。

やがて高順は、鼻で溜息を付き、ゆったりと立ち上がった。


「疲れる生き方の女だな。周りの空気を読んで動いた方が楽なのによ」


面倒臭そうに、面白くなさそうに。すくりと立ち上がり、皇甫嵩の隣をすれ違う様に歩いていく。


「……実情はどうだろうが、世の中は風潮で動く。“逆賊董卓”って風評は、もはやこの大陸中の共通認識だ」

「…………」

「転ぶなら、今だぜ」


高順は真横の位置まで来るとゆったりと歩調を緩ませ、囁くように、そういった。

虚と実とも付かない言葉が、風に乗って蔓延れば、それは真実となる。例え事実とは違っても。

種は、暴虐、悪政、不仁――――――という、人の飛び付きやすい、尤もらしい派手な言葉。

肥料は、肌の色や瞳の色、目に見える特徴をあげつらうこと。人の心に黴て巣食う、偏見という意識。

水は、それらを煽ること。檄文、噂、流言飛語、「風評」という物を、様々な言論に乗せて天下にばら撒く。

そうして作り上げた悪役に、大義や公論と呼ばれる物を司る正義の味方を用意してやれば、人はあたかも勧善懲悪の様に御膳立てされた出来過ぎた構図を、疑いはしないだろう。

操作され、捻じ曲げられた情報だとしても、人の心に根を張ればそれが“世論”だ。

自らの目で直接見ていない物ですら、真実になり得る。例え、事実とは違っていても。

そして多くの人間は、その裏に潜んでいる打算や思惑に注意する事は無い。


「…………董君雅は、粗暴な男でな」

「……!」

「だが奴は、私に牛を食わせてくれた事がある」


知った名前が出てきて、高順はその鋭い眼を、流し目だけで皇甫嵩の横顔に向けた。


「奇特な男だった。私が、地方に出征したほんの二ヶ月ほどの付き合いだったが……彼は私を、遠方からやってきた友人にそうするように遇し、もてなし、そして私に背中を預けて戦ってくれた。ぶっきらぼうではあったが、斜に構える事を知らず、いつも人に対し、正面から接した。そして、私の肌や目の色を、気にかける事は絶対に無かった」


董君雅。かつての、涼州騎馬軍団の統帥者。

まだ後漢最強の騎馬軍団などとは、嘯いてもお世辞にもならない、全員が顔見知りの様な、手余り者だけ集めたような小さな部隊で、戦いに明け暮れていた頃の指導者。董卓の父。

そして高順が、陥陣営と威名を馳せるようになる前から、仕えていたかつての首長。


「人の真価と言うのは」

「…………」

「人種や民族には決して左右されぬ所にあると、私は知っている。否、教えて貰った」


そして、その名前は、高順にとっても意味のあるものだった。


「……なによりも」

「…………」

「私は、振る舞われた牛の義理を、まだ返し終えてはいない」


銀色の眼が、鋭く。眼光は、薄闇の薄暮の中で際立つように光るようだった。

皇甫嵩を見つめる美しい瞳は、切っ先を付き付けるような眼だった。

やがて――――――


「………………フン」

「……?」

「……はっはっは」


降りて来た沈黙の中、少し口を歪ませると、その一拍の後に、下を向いて、喉を鳴らす。


「あの人、言ってたっけな。手前の筋は、手前で納得できるまで、意地でも通せと」

「…………」

「しかし、当人が死んでるってのに、一飯の恩に娘の代でも報いようとするアンタの頑固さは筋金入りだよ」


刃の様だった顔を、今度は無邪気に綻ばせる。皇甫嵩はやや呆気にとられた風だったが、高順は笑い続けた。


「場合によっちゃ、アンタの事を殺すつもりでここに来たんだがな」

「…………」

「その堅物度合いじゃ、俺の剣の刃も通りそうにねェ。やめとくわ」


物騒な事を言うが、皇甫嵩は驚かず、ただ仏頂面をしていた。

殺す、というのは比喩でも何でもない文字通りの言葉なのであろうし、皇甫嵩も予想はしていた事だ。

皇甫嵩が、董卓に仇すものかどうか――――――高順は、それを見極めに来たのだろう。


「だが道理や道義を通すのは、利害や成り行きに従うよりずっと力が要るぜ」


明るい灰色の瞳。渇いた夜の月の色に良く似ている。


「そして自分のやりたいようにやるのは、それの何十倍もしんどい。特にアンタの様にしがらみの多い人間は尚更だ」

「それでも、私は漢の臣として、漢が分裂する今の状況を看過するわけにはいかん」

「董卓でも反董でもないか?」

「私は帝国の軍人だ。それ以上でも以下でも無い。まして臣の分を超えるに飽き足らず、(くに)の名を汚す様な、正道に照らせぬ姑息な遣り方で天下を掠め取る様な真似は、絶対に出来ぬ。反目する同士の融和を図り、その間の防波堤になるのが、私の取るべき道であろう」

「つくづく、疲れる生き方が好きな女だね」


ひとしきり言葉を交わすと、高順は又一つ笑って、停めていた歩を、再び進め始める。


「事によっちゃ、機先を制して兵を挙げて、反董派の奴らを皆殺すって手も考えてはいたが」

「……何?」

「ま、アンタが中立を保つって言うなら、そっちの方は良いか。俺は残りの方で、勝手に動くよ」


そんな事をすれば、董卓は正真正銘、逆賊の汚名を免れないであろうし、連合と宮中反董派に名分を与え、付け居る隙を与える事になる。

逆に言えば、その強引な手を考えなくてはならないほどに、董卓は孤立していると言う事。

そしてそれはそのまま、反董の風潮の度し難さを示していた。


「…………高順」

「ん?」

「……お前もやはり、漢人が憎いか?」

「…………半分ハズレだな」


すれ違い、立ち去ろうとした高順の背中に、皇甫嵩は声をかける。

腰の位置が高い、スラリとした身体の線だ。


「俺は漢人“も”嫌いだ」


振り返った瞳は、あるいは狼の牙の様でもあろうか。

無頼と不敵の両方を湛えた笑みだった。


「漢人は俺の事を汚れた蛮族の血が流れてると蔑み、胡人は俺の事を忌むべき漢民族の子だと嫌った。俺の味方は、俺と同じ目の色した母親だけだった」


混血児は、その美しさとは裏腹に“あいのこ”と蔑称され、しばしば差別を受ける。

それはこの国に深く根付いた偏見だ。この国そのもの。“漢”という存在が作ったもの。


「俺はこの国のために戦うつもりはサラサラない」

「ならば何故、お前は戦う」

「それが俺の生業だからだ」


枯れ木がざわつく。

緑を失った冬景色。風は、冷たく。


「俺は、この漢という国のド真ン中の都で観る月よりも、荒野で馬の上から仰ぐ月夜の方が、ずっと心が安らぐ」


漢人でも涼州人でも無い彼が、自らの居場所を勝ち取るには戦場で武を振るうしかなかったであろう事は、その生地の風土の荒々しさを抜きにしても、想像に難くなかった。

恐らく彼は幼い頃から、漢帝国の威容にも、自らの主であり漢の独裁者・董卓にも恐れを示す事の無い今の姿を貫いて、誰にも寄り掛からずに生きて来たであろうに違いない。

国という寄る辺から外れ、厳しい荒野に魂を置きながら。


「ここの月は、嫌いなんだ。満月、朔月、十六夜。銀色か金色か、色や形がどう見えるかでいちいち名前を変える。俺にとっての月はそうじゃない。満ち欠けをしようが、見え方が変わろうが、月は月なんだ」


この国の人間も、それと同じ。

髪や肌や瞳の色、顔立ち、民族や人種。どんな風に目に映るかで判断する。

どんな風に見えようが、“高順”が“高順”であるという事は、何も変わりはしないのに。


「李確も郭巳も徐栄も、俺の仲間は俺の事を、ただ“高順”と呼ぶ。奴らは何色かを気にしない」


――――――国や、民族や、肌の色という括りがもたらす、差異や偏見と言う物を気にしない。


「アンタと同じさ」

「…………」

「アンタは董卓の白い肌や髪の色を気にしない。董卓を董卓とだけ見ている」


それはかつて、彼の母親が、彼をただ“順”と呼んだように。

そして董君雅が、皇甫嵩を漢人としてでなく、真正面から皇甫嵩として見た様にだ。


「俺はこの国に纏わる物が嫌いだ。胡人用の黄色いベンチ、南人専用の居住区、それに負い目や劣等感を感じ、その裏返しの差別をする非漢人達。この国が作ったあらゆる括りを見るたびに、その悉くがカンに障る。全て踏み潰してやりたくなる」


宮中に彼ら異民族系の人間が出入りできるようになったのも、彼らが戦で功を立て、自ら居場所を得たからだ。非漢人の力を借りなければ反乱を鎮圧出来なかったこの国の中央官僚たちを、実力で黙らせたからだ。

高順が子供の頃は、胡人には漢民族の言葉以外を喋る事が許されなかった。非漢人専用の宿泊施設や居住区が当たり前のようにあり、店では非漢人は椅子と机を使う事を禁じられた。

本質的な事は今でも変わっていない。ちょっとした日常にも差別的観念が潜む。洛陽の宿では非漢人は宿泊を謂われなく断られ、酒場で法外な値を請求され、そうした扱いを受ける胡人や南人を見て、漢人はニヤニヤと嗤う。

そして高順らの功績で市民権を得た涼州人系の人間は、徒党を組んで漢人にくだを巻き、彼らのわからない現地系の言葉で、彼らを蔑んで冷笑する。

漢人の街に買い出しに出た南人が虐殺され、報復に南人は徒党を組んで、漢人の占める居住や役所を襲撃する。

そして片や言葉を知らない蛮人、片や非力で卑屈な民族だと、互いの言葉で罵り合う。

混血児はその両方に晒され、さらに混血という事そのもので差別を受ける。

特別な何かがあるわけではない。それは日常に、深層心理に、恒常的なものとして組み込まれている


「だから、お前の様な奴を、俺は嫌いだとは思えねえのさ」


逆に言えば、彼は民族という括りがもたらすもの、そのものが嫌いなのだろう。

故に彼にとっては、戦いこそが至純なのだ。漢人でも胡人でもない彼にとって。

誤魔化しの利かない、刃の冷たさこそが。


「だが、忘れるな。アンタはあくまで中立のつもりでも、反董派の唱える董卓派の排斥に反対すれば、アンタは董卓派として見做されるだろう」


人間は二元的なもの。

それは人種に限った事ではないのかもしれない。


「ま、俺のやる事は一つしかない」


踵を返す。立ち姿だけでも、雰囲気がある。

氷のような、色気と鋭さと、危うさ。


「とにかく今は、東で囀る駒鳥の群れを蹴散らしに行くか」




この一月後――――――

董卓軍と連合軍は、洛陽の東、虎牢関で対陣する。

反董卓連合、総勢二十万を超す、まさに地を埋めつくさんばかりの大軍であった。


くっ……落ち着け、僕。美希は中学生美希は中学生美希は中学生、ミキはjcミキはjcjcjcjcじぇeeeeeeっ……ッて知った事かぁああああらばしゃッツ!!


まあ2でもミキは可愛いけどね。高一って時期的に絶妙だよね。ようするにミキはキュートって事さ!

今回の話、オリキャラしか出てねーな、そういや。まあ、でも、深く気にしないで更新しちゃおう。李通の時もそうだったし。

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