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エピローグ


「え~ 私の頭に星のマークが? 知りませんでした」

 暖まってきた部屋の中、金ちゃんの髪をかきわけて探してみた。

「ありましたか?」

「ん? どこだろうな。あっ……あった」

 つむじの少し左側、そこに小さなFrisk粒ほどの星が本当にあった。少し丸みを帯びた柔らかな曲線の星。


「そうだ、金ちゃん『マッチ売りの少女の電灯』持ってるよね」


 金ちゃんは怪訝そうに頷いて、バッグの中から取り出した。少し困った様子でホワイトクリスマ鈴は飼主さんが持って行ったと言う金ちゃんに、知ってるから大丈夫と返しながら、ヘッドホンを自分の頭に取りつけた。


「金ちゃん、俺が付けたらどんな映像が映るのか知りたがってたよね?」

 金ちゃんは、突然身を乗り出して目を輝かせる。

「はいぃ」


 俺は少し気持ちを整えてから、電灯のスイッチをオンにした。白い壁に、にっこりほほ笑んだ金ちゃんが映し出される。

「……これがソータの欲しいものですか?」

 少し照れて頷く俺に、金ちゃんは小さく首を傾げた。

「ソータは……私を食べたいんですか?」


 ガクッとこける。だから、これは食べたいものが映し出される訳じゃなくて……いや待てよ。


「そうだな。食べたいのかも……」

 俺は、金ちゃんの絹糸のような髪を両手で梳きあげると、その艶やかな桜色の唇にそっと口づけた。


 Fin


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