アネモーシュへ
ヤマトとフレイナはアネモーシュという国へと向かっていた。
そこでも荒禍災害が起こっており、トゥインシュの仲間2人が対応に苦戦しているとの事だった。
ルリとエギスタ。
新たな2人の仲間との出会いに想いを馳せるヤマト。
「着いた。ここがアネモーシュの街だよ。」
「ここが…」
アネモーシュは花々に囲まれている美しい国
のはずだったのだが。
「これ…何?繭?」
辺りの木々には繭のようなものが存在しており、不気味に蠢いている。
2人が周りの様子を伺っていると、物陰からイモムシのような化物が飛び出し襲いかかってきた。
「やぁぁぁ!」
「はっ!」
2人はその虫のような生き物を難なく倒したが、虫は不気味に溶けていった。
「これが…この街にいる荒禍…?」
街の奥から、先程の虫のような荒禍がさらに大量に現れた。
「この数は…!?」
「手こずるね、この数だと…」
2人が戦闘態勢を取ったその時
「「はぁぁぁぁ!」」
2人の男女の人影が、数多いる荒禍を簡単に蹴散らしてしまった。
男の子は徒手空拳で、女性は刀で。
「大丈夫!?フレイナ!」
「あっ!エギスタ!ルリも!」
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荒禍を片付けた後、ヤマトはエギスタとルリに自己紹介をした。
「僕はスメラギ・ヤマト。宜しく。」
「僕エギスタ、よろ〜。」
エギスタは独特の雰囲気を醸し出している。髪は緑色で、ヤマトよりもだいぶ幼く見える。13〜14歳くらいだろうか。
しかし、フレイナの一件もあるので見た目と年齢は合わないかもしれない。
「アマノセ・ルリです。お名前的に、ヤマトさんは私と同じヒノボリ出身ですね?宜しくお願いしますっ。」
ルリは黒髪を後ろでしばっている、可愛らしい女性だ。
少ししおらしい感じがする。
「2人とも宜しく。」
「自己紹介はこれぐらいにして…2人とも、あれが今回の荒禍?」
フレイナが問う。
「えぇ、そうです。でもあれだけじゃなくて…」
「国の中心部におっきい繭があって、そこに人が攫われてるんだよね〜。でもその繭が硬くて…救出が上手くいってないんだよ〜。この国の軍と協力してるんだけど、それでも中々突破口が…」
「そうだ。救出は難航しておる。」
話の途中で、やってきた人物がいる。
彼は…
「あぁ!フォウルさん!2人とも、彼はフォウルさん。この国の軍を纏めている方なんです。」
「はじめまして、スメラギ・ヤマトです。」
「フレイナ・エルバーンです。」
「挨拶は良い。今は、国の中心地にある繭をどうするか、それが重要だ。全く…お前らのような化物の力を使う事になるとはな。」
トゥインシュ達の事を化物呼ばわりするフォウルに、ヤマトは苛立ちを感じ、
「僕たちに対してどう思われても構いません。しかし、攫われてしまった人達の救出には僕達と貴方達との協力が必要不可欠です。それを忘れないでください。」
「化物が一丁前の言葉を使うな。貴様らの力を我々が利用するのだ。協力ではない。」
「っ…あなたは…!」
「いいよ、ヤマト。」
フレイナが制止する。
「その認識でも構いません。とにかく、攫われた人達を救出するのが優先なのですから。」