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傷だらけの救世主

白黒明夢と申します。

拙い文章ではありますが、読んでいただけると幸いです。


【この作品は私、白黒明夢が過去に書いた作品の設定や展開等を一部流用しております。】

僕達の世界は滅びを迎えている。

今、まさに。


僕達の住んでいた、街と言う名の小さな世界は、あっという間に壊されていく。

16歳の僕達より年上の大人も、年下の子供も、沢山の人々が逃げ惑う。

沢山の人々の悲鳴が聞こえてくる。

どうして、こんなにもあっさりと滅びがやってくるのだろう。



荒禍あらまが



そう呼ばれている怪物がその巨体を使い、人々の生活を破壊していく。

人々を踏み潰していく。


僕達は走る。

生き残るために。


「ヤマト、あそこ!」

走っている最中、幼馴染のセツナが、倒壊した家の瓦礫に挟まれ動けなくなっている人を見つける。

「放っておけないよ!私行く。ヤマトは先に逃げて!」

「でもっ…」

セツナは、困っている人は見過ごせない優しい女性だ。

自分の命がかかっている場面でも、それは変わらない。

同年代と比べ幼く見られたり、女の子にたまに間違われる僕よりも、勇気がある。


「…分かった。助けよう、僕も行く。でも、荒禍がこっちに気づいて向かってきたら、その時は…」

「分かった。」

セツナは頷いた。

俺達は瓦礫に挟まっている人の元へと向かった。


「大丈夫ですか!?」

見ると、挟まっているのは小さい子供だった。

10歳くらいだろうか。

「待ってて、今瓦礫をっ…」

瓦礫は想像以上に重く、量があった。


助けられるのか、この子を…

でも、見捨てて行くことなんて、きっとセツナはしないだろう。したくないだろう。


…僕もそうしたい。そういう人間でありたい。

そう思いながら、セツナと一緒に瓦礫を動かそうとする。



しかし



暴れていた荒禍が、こちらを静かに睨みつけていた。

…気づかれた!


急いで瓦礫をどかそうとするセツナと僕。

だが

「持ち上がらないわ…!」

「このままじゃ…」


荒禍がこちらへと向かってきた。

この子を置いて、逃げるしか無いのか…!

そんなの、絶対に嫌だ。


「荒禍、僕が相手だ…!」

荒禍の方を向き、ヤマトは言った。

「何言ってるのヤマト!?」

「その数の瓦礫をセツナ1人に任せるのは気が引けるけれど、今は荒禍をここから引き離すのが先だと思ったんだ。

僕がおとりになるよ。その隙にその子を!」


負けるな。こんな時こそ笑顔だ…!

こんな奴に、絶対負けない…!


「ヤマト!」


セツナが叫んだその時。

荒禍を激しい炎が襲った。


轟音と共に、みるみるうちに炎が荒禍を包んでいく。

しかし、荒禍は倒れない。より興奮しているようだ。


気づけばそんな荒禍から僕達を守るかのように、1人の赤髪の女性が荒禍の前に立ちふさがっていた。


「ここは私に任せて。」

こちらを振り向いた彼女は、笑顔でそう言った。

手には剣を持っている。

しかし、彼女の額と右目には包帯が巻かれていた。

体中に怪我があるのか、見ると体のあちこちにも包帯が。

とても痛々しい姿だった。


そんな赤髪の彼女は、自身の傷だらけの体を気にする事無く、荒禍へと立ち向かっていった。










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