表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

プロローグ



「私のこと、絶対忘れないでね……」



 涙で濡れた彼女の頬が、僕の胸元に触れる。

 そこには、ちゃんと彼女がいて。

 確かに彼女の温もりがあって。

 僕の腕の中にいる彼女がじきに消えてしまうかもしれないなんて、とてもじゃないけど信じられなかった。



「忘れないよ。絶対、死んでも忘れたりなんてしない……!」



 その震える小さな肩を抱きしめて、僕は頑なに告げる。

 うん、と彼女が弱々しく頷く。普段の彼女らしからぬ覇気のない反応に、僕は胸を締め付けられるような思いに駆られて、さらに強く抱きしめた。

 神様はいつだって残酷だ。どんな人間だろうと平等に不幸を与えて、ある日突然平穏な日常をぶち壊す。そこに例外はなく、逃れる術なんて僕ら人間にはない。

 それでも、僕は抗う。

 たとえ彼女が世界中の人間に忘れられて、やがて消えゆく運命にあるのだとしても。

 その運命を、僕は否定する。

 力づくでも捻じ曲げてやる。

 それがどれだけ無謀なことだとしても。



 必ず、彼女を救ってみせる。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ