転移失敗
今回も閲覧いただきありがとうございます。
転移魔法。
どこにいようと、指定した場所に転移できる高等魔法。
それを魔道具に付与することはできないとされていた。
Sランクのヴァージャが可能にするまでは。
ヴァージャの桁外れの魔力量と知識、技術が合わさり転移の魔道具が開発された。
その技術は公開されている。
が、ヴァージャ以外が作ろうとすると、まず魔力量の時点で負荷が掛かり過ぎてしまう。
ゆえに転移の魔道具は高額で取引されている。
ただし、Sランク達はヴァージャから直接渡されている。
セレストは今まで使ったことがなかった。
これからも使う事はないだろうと思っていた。
しかしそうも言っていられない。
セレストは祈りつつ、魔道具を起動する。
魔道具が起動しセレストが光に包まれる。
そしてセレストが目を開ける。
「……どこだここは?」
セレストが聞いていたのは、魔国のギルドに転移するとの話。
しかし現在セレストがいる場所は、ギルドとは似ても似つかない。
「洞窟か?全く狭苦しいところだ。……いや、それよりも何でこんな所に転移したんだ?ヴァージャがこんなミスをするとは思えないが。」
セレストはしばし考える。
「……裏切者、いや、ヴァージャに限ってそんなはずは。……とにかく今はここを脱するのが先か。」
方向感覚は戻っている。
洞窟はセレストにとってはアウェイではあるが、そんな事は言っていられない。
セレストは歩み始める。
元の場所へ戻るために。




