俺にそんな相談をするな
今回も閲覧いただきありがとうございます。
「そういう訳だ。」
「何がそういう訳だよ。」
俺に何故かSランク達の動きを報告してきたアーノルドさん。
確かに俺はSランクのマクロさんと半ば強制で組んではいるが、俺にわざわざ個別報告する必要はないはずだ。
「俺じゃなくてマクロさんに伝えれば良いだろ。そっちのが適任だろ。」
「伝えたさ。」
「それじゃあ。」
「その上での話だ。俺やSランク達では見えない物があるかもしれんだろう。」
「いや、俺に何を期待してるんだ。」
Sランクの面々が見えない物なんざ、俺が見える訳ないだろうが。
「Sランクが赴いた場所に、揃いも揃って待ち伏せだ。偶然だと思うか?」
「あり得ないだろうな。」
「だよな。問題はどこからそれが漏れたかどうかだ。」
「知らん。内通者でもいるんじゃないのか。」
「……。」
「いや、そんな睨まないでくれないか。冗談だって冗談。」
「誰だと思う?」
「……は?」
訪れる静粛。
時が止まった様な感覚。
「誰が内通者だと思う?」
「は?いや、だから冗談って……。」
アーノルドさんの目は本気だ。
流石にそれぐらいは俺にも分かる。
「本気で内通者がいると思ってるんですか?」
「本気だ。」
「何故それを俺に。」
「俺やSランク、そしてギルドの奴らはお互いを知りすぎている。だからこそ内通者なんていないと思っている。いや、いないと思いたいってのが本音だ。」
アーノルドさんは一つ大きな溜息をつく。
「だが状況的には内通者がいるのはほぼ確実だろう。だからこそ、まだ詳しくないお前の意見が必要だ。」
「そんなこと言われてもな。」
「頼む。」
「いや、情報が足りなすぎるだろ。」
「む?」
「そもそも、内通者がバカ正直に報告上げるとも思えないしな。そこから見直しが必要だろうよ。」
「そ、そうか。」
「大丈夫かよアーノルドさん。このぐらいは普段のアンタなら思いつくだろうに。」
「そうだな……すまん。」
「俺に謝られてもなぁ。」
今のアーノルドさんからはいつもの覇気を感じない。
相当参ってるなぁこれは。
「……はぁ、俺に見せて良い資料だけでも持ってきてくれ。」
「!!……分かった、すぐに持ってくる!」
はぁ、まためんどくさいことに巻き込まれたみたいだな。




